――「君といる時間の中で」はシングル作としては初の自作詞となったわけですが、どうでした?
平原綾香(以下、平原):大変でしたね。さらに、それがCMソングに使われることが決まったので。
――じゃあ、作詞作業はプレッシャーだったのでは?
平原:プレッシャーを感じる余裕すらなくて、とにかく書かなきゃ!って感じでしたよ。
――でも、そんな余裕のなさなんて感じない、ドラマティックなイメージのある曲に仕上がってますね。
平原:そう言ってもらえると、うれしいですね。
――歌詞のなかには、夕陽というフレーズが何度も登場していますね。
平原:最初に曲をいただいたときに、頭のなかに浮かんだのが夕陽の風景だったんですよ。ビルとビルの間に沈んでいくような……。夕陽って見ていると、幸せな気分になれるんだけど、同時にはかない無常感もあったりして、それを表現したかったんです。
――夕陽ってどこか人生に似てますよね。
平原:そうなんですよね。人生も幸せな時間なんて永遠に続く訳じゃなくて、ときには悲しい出来事にも出会う時があるじゃないですか。でも、そういう悲しい瞬間があるからこそ、幸せな時間が輝くというか。
――なるほど。かなり深い歌詞なんですね。
平原:深いんです(笑)!
――また、どこかラヴソングのような要素を持ってますね。
平原:よくぞ言っていただきました! そうなんです、これはラヴソングなんですよ。曲を作る最初の段階から、今回はラブソングで!とスタッフと話していて。友達に片思いをしている子や、両思いの子とかいるんで、そういう人たちに恋する気持ちとか、好きな人に会えない思いなどをリサーチして完成させたんですよ。友達あって完成した曲といえますね。
――じゃあ、平原さんの実体験ではないと?
平原:そうなんですよ。残念ながら(苦笑)。
――そうですか(笑)。さて、この曲は車のCMソングに起用されているワケですが、平原さんは車の運転されるんですか?
平原:いえ、実は免許持ってないんですよ。だから、運転する側の気持ちになって歌詞を書けなかったんです。でも、車に乗っている気持ちよさはわかるから。そういう気分を思いつつ歌詞を描きました。
――一方のカップリング曲「歌う風」もまた心地よい風が流れる1曲ですね。
平原:この曲は私の声が風にのって、いろんな人に届くといいな、と思って作った曲です。
――サビの部分に<lapalilenla>という不思議なフレーズがあるんですけど、これは?
平原:これは私が作ったおまじない、というか鼻歌みたいなものなんですけど。今回、歌詞のなかでおじいちゃん、おばあちゃんから子供までもが口ずさめる共通語みたいなものを作りたかったんですよ。そのフレーズでうれしい時はさらにハッピーな気持ちになれ、悲しい時は元気にしてくれる、魔法の言葉になってくれればいいなと思って。
――では最後に今回のシングルの聴きドコロを。