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ハードコアなギャングスタのポーズにうんざりしているすべてのヒップホップファンにとって、重力に挑戦するドレッドヘアをしたCoolioという名の元ストリートキッズが答となるだろう。彼のトリックとは何か?

ヒップホップのパーティグルーヴにゲットーライフについての驚くほど思慮深い考察をミックスしたことだ。これは誰にでも実現できることではない。おそらくCoolioは自身の波乱万丈の経歴ゆえに、団結を説いて信頼性を維持しながらも、世界中でマルチプラチナム規模のヒット作を売ることができるのだ。

以前クラック中毒で何度も投獄されていたCoolioは、ラッパーとしてのキャリアをスタートさせるのが遅かった。20代前半の若者ばかりがひしめき合うこのジャンルで、彼がデビュー作『It Takes A Thief』をリリースした時には既に30歳近かった。このアルバムには6人のプロデューサーとそれ以上の数のソングライターがクレジットされているものの、スムースでダンサブルなヒップホップをパーソナルに(だが極めて商業的に)ブチかました作品として受けとめられた。コンヴァーティブルでクルージングする夏の風景をフィーチャーしたビデオの効果も手伝って、ノスタルジックな「I Remember」やゴキゲンなヒット「Fantastic Voyage」といった曲は、Coolioの名前を古き良き時代と分かちがたく結びつけてしまった。この傾向は次作の『Gangsta's Paradise』でさらに顕著なものとなり、特にタイトルトラック('95年に最もヒットしたシングル)のコーラス(サビ)のサウンドはいたるところで聴くことができた。両方のレコードとも楽しめる作品だが、ほとんどすべての曲のサビにオールドスクールのヒップホップや、'70年代ソウルの有名曲からのサンプルがフィーチャーされるなど、制作面では極めて安全なものであった。

ちなみにレコードのタイトルとは違って、Coolioが本物のギャングのメンバーだったことは一度もない。本名をArtis Ivey, Jr.というラップ界(というよりもポップス界と言った方が適切だが)のスターは、サウスセントラルおよびコンプトンあたりの非常に悪名高い地域にたまたま暮らすことになった、喘息持ちの本の虫という方がふさわしい。今でも熱心な読書家であるCoolioは、いつかファンタジー小説を書きたいという淡い夢を抱いている。結局のところCoolioは、たくさんの言いたいことと発言する意志を持った男であり続けている。もちろんその内容が商業的に受け入れられる範囲に留まる限りにおいては。