【ライブレポート】新生ファンモンの船出「今日この日に武道館にいたんだよってみんながこの先の未来で誇れるように」

2021.10.08 12:00

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「自分の中では、解散から復活するにあたって、まだ大きな答えみたいなものが出ていないところもあって。でも今日、武道館に立って、マスク越しだけど、みんなの笑顔や幸せそうな表情を見れて、そこが少なくとも今日は、俺の唯一の大きな答えになりました。その笑顔をひとつでも増やしていこうと思ってます。モン吉と2人でね。日本中に、世界中にでっかいエールを届けていこうと思っているので、どうぞよろしくお願いします!」──ファンキー加藤

◆ライブ画像

今年3月11日に放送されたTBS『音楽の日』で、D Jケミカルを含めたフルメンバーでの一夜限りの復活を果たした後、ファンキー加藤とモン吉の2人体制で活動を再開することを発表したFUNKY MONKEY BABYS改め、FUNKY MONKEY BΛBY’S。9月に発表した新体制での初シングル「エール」は、応援歌というファンモンらしいテーマでありながらも、今の時代に強く響くメッセージであり、サウンドを提示していたが、いよいよ10月1日、再始動後、初ライヴとなる<WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S in 日本武道館 -2021->の日を迎えることとなった。ライヴ当日は、台風16号が関東地方に接近するという悪天候ではあったのだが、ファンキー加藤は「新たな船出が嵐の真っ只中……上等じゃないの!」と絶叫。「エール」同様、彼ららしい魅力を存分に放ちつつ、ここからのファンモンを見せつけるステージで、第2章の開幕を声高に宣言した。

開演時間からほどなくすると、チャイムの音が鳴り響き、ファンモンのマネージャー2人が登場。「みなさん、おかえりなさい!」と、“BABYS”(ファンモンファンの呼称)を迎えると、ガイドラインの中で最大限楽しめる方法として、“ファンモンクラップ”で客席を温めた。

客電が落ち、SEが流れ始めると、客席からそれをかき消さんばかりに大音量のクラップが巻き起こる。レーザービームが飛び交う中、客席の興奮が最高潮に達したタイミングで、ステージ下手側からファンキー加藤、上手側からモン吉が姿を現すと、一際大きな拍手があがった。そして、SEが鳴り止むと同時に強烈な音玉が炸裂! 再始動一発目のライヴは「アワービート」で幕を開けた。

いきなりのアッパーチューンのお出ましに、場内の熱がグっと高まる。低音を強烈にブーストさせたサウンドが轟く中、モニターに片足をかけ、前のめりになって歌うファンキー加藤と、ステージを左右に歩き回りながら歌うモン吉の2人は、続けて「LIFE IS A PARTY」に突入。大量のCO2が噴出される中、お馴染みの振付で客席を一体にしていく。さらに「2021年の夏を終わせましょうか!」という前置きから始まった「ナツミ」では、武道館全体が両手を左右に突き上げる。奇跡の復活を煽るような仰々しい演出や映像は一切なし。しかしながら、ミラーボールの乱反射した光が武道館を埋め尽くした「恋の片道切符」や、オレンジ色の照明が武道館を柔らかく包み込んだ「告白」をはじめとした代表曲の連発であり、2人のユニゾンやハーモニーが響き渡る光景に、彼らが帰ってきたことを改めて感じさせられた。

2013年の解散以降ソロ活動をスタートさせた2人だが、この日のライヴでは、お互いがそれぞれ発表してきたソロ曲を披露することに。それも、ひとりがソロ曲を披露しているときはもうひとりが舞台袖にはけるわけではなく、2人ともステージにいる状態で、お互いのソロ曲に加わるという形で届けられた。まずはモン吉のラップチューン「WONDER DAY」から。肩の力がほどよく抜けた心地よいサウンドが響く中、ファンキー加藤がラップをばっちり決めると、「どう? めちゃくちゃ練習した」と一言。ファンキー加藤の「MUSIC MAGIC」ではアッパーなEDMのビルドアップ部分をモン吉が歌い、ファンキー加藤も「会いたかったぞ!」と、客席の興奮を強烈に高めていった。これからもファンモンと並行してソロ活動を続けていくと話している2人だが、このソロ曲ブロックは、それぞれが積み上げてきたものがファンモンにフィードバックされることであり、そこで生まれるであろう新しい風を感じさせるものになっていて、この先、大きく作用を及ぼしていきそうだ。

また、再始動シングル「エール」のカップリング曲「今だってI LOVE YOU」も披露。90’sヒップホップ色の強いトラックで場内を盛り上げれば、“あの真ん中の人が寺の住職になってもう8年”と歌詞を変えて届けられた「WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S」など、2人の“ここから”が垣間見えるパフォーマンスも印象的だった。

そしてもちろん、聴き手を力強く勇気づける、彼ららしい応援ソングも届けられた。ただ励ますだけでなく、包み込むような優しさも感じられる「エール」や、続けて披露された「あとひとつ」を、ときに心の底から叫ぶように届けると、凄まじいエネルギーが渦となって武道館に満ち満ちていく。その光景は「これぞファンモン!」と、快哉の声をあげたくなるもの。この日のMCで「ずっと応援ソングばかり歌ってきました。誰かを応援するの、めっちゃ得意なんですよ」「コロナ禍でファンモンが再始動したっていうのは、何か大きな意味があるんじゃないかなと思ってる」と、ファンキー加藤が話していたのだが、改めて彼らの真骨頂であり、そのパワーをまじまじと思い知らされた。そのまま次の曲へ移ろうとする前に、ファンキー加藤が客席に向かって話しかける。

ファンキー加藤「さみしい思いをさせてしまってごめんね。あのとき歌った歌には“さよなら”っていう意味を込めていたけど、これから歌うこの曲には、これからずっと一緒にいようねという思いを込めて歌うから」

そうして披露されたのは、「ありがとう」。彼らが2013年に解散する前に発表したラストシングルだ。8年の月日を経て、あのときとはまた違う魂を宿した歌であり、メッセージを届けると、2人には万雷の拍手が降り注いでいた

ここからライヴは一気に疾走していく。「暴れる準備はできてる? ディスタンスを保っていきましょうか!」と、「メロディーライン」のアッパーなビートで勢いをつけると、「これからも俺達が離ればなれになることはない!」と絶叫し、「サヨナラじゃない」へ。「これからも、これからもいつも一緒に!」という声を皮切りに始まった「ALWAYS」では、力強く拳があがる。久々の全力パフォーマンスで息も絶え絶えになっているファンキー加藤が「モンちゃん、ファンモン最高だな!」と叫ぶと、「最高だね!」とモン吉。そんな2人のやり取りに同意するように、客席からも大きな拍手が巻き起こった。そして「心の中で一緒に歌ってくれ!」となだれ込んだのは、「ちっぽけな勇気」。実際に声は出せなくとも、それこそ心の中で大熱唱をしていたり、マスクの下で口だけを動かしたりと、各々がその歌をじっくりと噛み締めていただろう。

アンコールは「太陽おどり~新八王子音頭~」から。彼らの地元である“八王子”の文字が背中に刺繍されたハッピを着て、まさにお祭り騒ぎを繰り広げた後、改めて、2人は集まってくれたBABYSに話しかける。

モン吉「少し大人に、少しオヤジになったファンモンはどうでしたか? 今日は本当に一発目で、ここからライヴを重ねて少しずつ成長していくと思うので、伸びしろ含めて見てやってください!」そこから「何か言おうと思ってたんだけど、忘れちゃった(笑)」と、彼らしいマイペースなテンションでマイクを渡されたファンキー加藤は、「再始動したからには、ヒット曲をぶちかましたい」と、これからについて話し始めた。

ファンキー加藤「いろんな制限がある中で、いろんな葛藤を抱きながら来てくれた方達もいると思うけど、今日この日に武道館にいたんだよって、みんながこの先の未来で誇れるような活動をしていきたいなと思ってます」

そして、ファンキー加藤が力強く放ったひとつの宣言があった。その言葉を受けてモン吉は、先のMCで言い忘れてしまったけど、言いたかったのはそのことだと、笑みを浮かべながら明かしていた。つまり、2人は同じ想いでいるということだ。

「解散はないです! どうか末長くよろしくお願いします!」

この日、2022年2月から地元・八王子を皮切りに、全国11カ所を廻るホールツアー<YELL JAPAN>を開催することを発表したFUNKY MONKEY BΛBY’S。アンコールの最後に披露された「西日と影法師」を含めて全22曲を歌い終えた後、ステージ上でがっちりと握手を交わしたファンキー加藤とモン吉。変わった部分、変わっていく部分、そして変わらない部分。さまざまなものを打ち出した彼らは、今日からまた、明日へ向かってその一歩を踏み出した。

文◎山口哲生
写真◎AYAMI KAWASHIMA / HIJIRI KATO

セットリスト

1. アワービート
2. LIFE IS A PARTY
3. ナツミ
4. 希望の唄
5. 恋の片道切符
6. 告白
7. WONDER DAY
8. MUSIC MAGIC
9. 今だってI LOVE YOU
10. ヒーロー
11. WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S
12. ガムシャラBOY
13. エール
14. あとひとつ
15. ありがとう
16. メロディーライン
17. サヨナラじゃない
18. ALWAYS
19. ちっぽけな勇気

en1. 太陽おどり~新八王子音頭~
en2.大切
en3.西日と影法師

FUNKY MONKEY BΛBY’S 全国ツアー<YELL JAPAN>

2022年2月5日(土) 東京・J:COMホール八王子
2022年2月12日(土) 香川・レクザムホール 大ホール
2022年2月19日(土) 栃木・栃木県総合文化センター
2022年3月12日(土) 愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
2022年3月19日(土) 福井・福井フェニックスプラザ
2022年3月26日(土) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
2022年4月3日(日) 福岡・福岡サンパレス
2022年4月10日(日) 神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
2022年4月15日(金) 岡山・岡山市民会館
2022年4月23日(土) 宮城・仙台サンプラザホール
2022年4月30日(土) 大阪・フェスティバルホール

■ニューシングル「エール」

2021年9月22日発売
[収録楽曲]
1.エール
2.今だってI LOVE YOU

【通常盤CD】
MUCD-5395/¥1,100
CDショップ各店舗購入者特典あり
・タワーレコード各店
・HMV各店
・TSUTAYA RECORDS各店
・楽天ブックス
・Amazon.co.jp(メガジャケ:約24㎝×24㎝のジャケットシート:ジャケット表紙と同柄)

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