【ライブレポート】CASIOPEAはなぜLAで愛されるのか、38年ぶりの公演で証明したJ-Fusionの圧倒的な個性

2026.10.24 13:00

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2026年9月12日と13日、日本が誇る我らがスーパー・フュージョン・グループCASIOPEAがロサンゼルスはウィルターンで2DAYS 公演を行ない、合計4000人超えの観客を動員した。観客席の2階は座席、1階はスタンディングだ。<City Pop Waves>というタイトルが付けられていたのは、シティ・ポップのインスト版という位置付けなのだろう。

会場を埋め尽くした観客は20代から30代が多いのだが、よく見れば50代から60代と思われる年齢層もかなりいる。前者は最近のネットによる影響からCASIOPEAを知ったZ世代。ところがさらに、1980年代からのファンであるリアルタイム世代が少なからず存在するのがLAにおけるCASIOPEAファンの特徴だ。

実はSpotifyにおけるCASIOPEAの再生数が世界で一番多い都市はLAなのである。その理由はCASIOPEAがLAでライブを行うのはこれが3度目だからである。1度目は1980年のアルバム『EYES OF THE MIND』のレコーディングでこの地を訪れた際に行なったプロモーション・ライブ。2度目は1988年のロキシーにおける公演。そして今回が38年振りとなる3度目の公演だった。加えて、CASIOPEAはバンドであってプレイヤー4人がそれぞれの楽器を弾くプレイヤーたちの熱い視線を集めていること。これが3つ目のファン層を形成している。10代のアマチュア・プレイヤーからプロのミュージシャン、さらにそこそこの高齢者まで年齢を問わないファン層の存在である。

1980年代のアルバム『EYES OF THE MIND』は当時アメリカでも発売されており、『MINT JAMS』もヨーロッパをはじめ世界各国で発売されていた。だからこの2枚のアルバムはリアルタイムで聴いた世代、さらにそれを聴く両親のもとで育った若い世代、両方に人気があるのだろう。もちろんシティ・ポップと共通のポップなメロディ、カッコいいアレンジが世界の音楽ファンの心を掴んだことは確かであるが、CASIOPEAの場合はそこへジャズ/フュージョンとしての魅力が加わる。まさに「スピード、スリル、スーパーテクニック」というデビュー・アルバムに付けられたキャッチコピーが、今もセールス・ポイントとなっているのだ。

我々は日常、CASIOPEAの音楽を当たり前のように聴いているが、現在の世界のフュージョン・シーンを見渡して、他にこんなバンドがあるだろうか? バンドならではの息の合ったシンコペーション、鋭いキメ、超絶ユニゾンなどは、日本で独自に発展したジャパニーズ・フュージョンならではの現象に違いない。その結果として、日本人が意識する以上のオリジナリティを備えることになった。世界の音楽ファンは、時代や国境だけでなく世代も軽々と飛び越えて、それに気付いたのだ。

CASIOPEAのLAにおけるライブは、特別に気負うことなくいつもの国内ツアーと同様の構成で行われた。現地での人気アルバムや人気曲を意識したセットリストで臨むことも考えられるのだが、リーダーの野呂一生は自然体で臨むことを選んだ。それは現在のバンドの曲やサウンドへの自信の表れであり、デビュー時から現在の第5期までバンドを率いてきたリーダーとしての意地でもある。この日のセットリストでプレイリストを作ったという海外のファンも多いようで、いろんな時期の曲を聴いてもらいたいというセット・リストにおける試みは成功していると言えるだろう。

LAのコンサートは国内ツアーと同様、第1期から選ばれた2曲で幕を開ける。「EYES OF THE MIND」ではCASIOPEAの特徴のひとつであるリズムのキメ、そして「DAZZLING」では今や珍しいのかもしれないボコーダーの使用はコンサートのツカミとして最高だった。観客は皆んな思い思いに身体を動かしながらリズムをとっている。スマホを構えて撮影している者も多い。続いて第2期から選ばれた2曲、その中の「GLORY」ではナルチョ(鳴瀬喜博)のベース・ソロもフィーチャーされ、観客を沸かせた。第3期、第4期の曲もそれぞれ2曲ずつが披露され、「CATCH THE WIND」では今井のドラム・ソロもフィーチャーされた。

そして、この日初のMC。野呂の英語のMCは良好で、そのまま現時点における最新アルバム『TRUE BLUE』からの曲へとなだれ込む。4人の曲を1曲ずつ紹介しながら演奏するのも国内ツアーと同じだ。さあ、ここからが終盤。有名人気曲で畳み掛け、一気に観客をヒートアップさせる。「DOMINO LINE」では中間部のユニゾンによるリズムのキメで大いに盛り上がり、本編ラストの「ASAYAKE」ではメロディに合わせた観客の大合唱が起こった。国内ツアーでは見られない光景だけに、メンバー自身も感激したのではないだろうか。アンコールは「TAKE ME」「FIGHT MAN」で終了のところ、さらなる歓声に応えて「THE SKY」も披露。現地のファンによるCASIOPEA愛に溢れた素晴らしいコンサートはこうして大団円を迎えた。

初期のCASIOPEAは数多くの海外公演を行なっていた。米国、ヨーロッパ、東南アジア、豪州、南米と文字通りワールドワイドな活躍をいち早く展開していたのだ。それだけに世界中にリアルタイム世代のファンが今も存在している。さらにその次の世代もネットで目覚めた。これは大きな強みである。生でCASIOPEAのコンサートを体験したいというファンは世界中にいる。次なるCASIOPEAの展開に大いに期待したい。

文◎近藤正義

『SUNSHINE & MOONLIGHT』

2026年12月2日(水) In Stores
HUCD-10359 ¥3,500 +Tax
1.FANTASTIC MOMENT
2.HABITABLE ZONE
3.PARALLEL HISTORY
4.SHADES OF AMBER
5.BEAUTIFUL DREAM
6.IN ZIG ZAGS
7.UNDER THE SUPER MOON
8.SPIRIT BREEZE
9.SLOWLY & DEEPLY
10.A GLORIOUS DAY

<CROSSOVER JAPAN 2026>

2026年12月4日(金)
@東京国際フォーラム・ホール A
開場 17:00/開演 18:00
出演:リー・リトナー、CASIOPEA、T-SQUARE+

<CASIOPEA LIVE TOUR /SUNSHINE & MOONLIGHT>

野呂一生(G)鳴瀬喜博(B)安部潤(Key)今井義頼(Dr)
◆2026年12月26日(土) [大阪] BIG CAT open 17:30/ start 18:00
◆2026年12月27日(日) [名古屋] Bottom Line open 17:00/ start 17:30
◆2027年1月16日(土) [川崎] CLUB CITTAʼ open 17:00/ start 18:00
[共通]前売¥9,000 当日¥9,500(別途ドリンク代¥600)
一般チケット発売日:11月14日(土)10:00~
ぴあ: https://w.pia.jp/t/casiopea-winter/
イープラス: https://eplus.jp/casiopea/
ローソン: https://l-tike.com/c

◆CASIOPEAオフィシャルサイト