【ライブレポート】BRAHMAN<尽未来祭 2025>DAY1、ルール無用の’90年代を再興「俺たちはただ、今日までのように懸命にやるしかない」

2025.12.31 15:00

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<尽未来祭 2025>DAY1、BRAHMANのライブ終盤、TOSHI-LOW(Vo)はしみじみと全11組が出演した初日公演を振り返った。「明日、明後日、ここに立っているかわからない。それくらい初日、疲れた」と。その言葉が物語っている。BRAHMAN結成30周年を祝うべく、11月22日、23日、24日の3日間にわたり、千葉・幕張メッセ国際展示場9-11にて行われた<尽未来祭 2025>は、初日からとんでもない濃度の高さだったのだから。

DAY1のラインナップを改めて出演順に列挙すると、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS 、SCAFULL KING、MONGOL800、BACK DROP BOMB、RHYMESTER、EGO-WRAPPIN’、THA BLUE HERB、黒夢、secretとしてヌンチャク、Riddim Saunter、そしてBRAHMANの全11組だ。パンクロックを土台としながら、ヒップホップ、スカ、ジャズなど、さまざまな要素を持つアーティストが混ざったという意味では、3日間の中でもっともカオスな顔ぶれ。DAY1出演者の多くがライブ中に「’90年代」というキーワードを口にしていたが、その時代の空気感が真空パックされて、現代に蘇るステージでもあった。BRAHMAN30周年の最初の10年、つまりこの日は’90年代〜2000年代初頭がひとつのテーマとなり、あの時代に切磋琢磨してきた仲間がここに集まったかたちだ。

振り返れば、’90年代の国内シーンはジャンルやルールも曖昧だった。もっと言うと、誰かが踏みならした轍もなければ、指標とする先輩もいない。何が正解がわからない時代だった。SNSはおろかWEB環境も発達途中で、TOSHI-LOWの言葉を借りれば「ぎりぎりポケベルがあった時代」。それゆえ、バンドマン各々が頭を振り絞って音楽を生み出し、アーティスト同士が出会う場と言えばライブハウスぐらい。直に顔を突き合わせる対面コミュニケーションで、対バン相手と交流を深めていく。狭い世界だからこそ、異ジャンルにも寛容で、今以上に他者との繋がり(=刺激)を求めていた時代と言えるかもしれない。

そうした当時の自由な背景を反映してか、DAY1はBRAHMAN自ら、コラボ/フィーチャリングで盟友たちのステージに立つ機会も多い1日となった。以下、出演順ではなく、シーンや関連性に触れつつレポートしたい。

【LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS】

LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS

DAY1は初っ端から、’90年代に始動したイベント<BAD FOOD STUFF>(BACK DROP BOMB、SCAFULL KING、BRAHMAN、SUPER STUPIDの4組で開催)のメンツが続く。トップはイッチャンことLOW IQ 01(Vo, B)率いるLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSだ。BRAHMAN結成20周年を祝う<尽未来祭>(2015年11月開催)出演時には16年ぶりにSUPER STUPIDが“secret”として出演し、一夜限りの復活。そのサプライズな復活劇にはもちろんTOSHI-LOWが関わっていた。

そして、<尽未来祭 2025>の幕開けとしてイッチャンは開口一番「10年なんてあっという間だよね。正々堂々、やらせてもらいます! 10年経って。聞いてるかTOSHI-LOW。俺、少しは成長したと思うぜ」と挨拶し、’90年代ミクスチャーの走りとも言えるSUPER STUPID時代の名曲「What’s Borderless?」を披露。

また、「F.A.Y」ではBACK DROP BOMBの白川貴善(Vo)、「BIG LITTLE LIES」にSCAFULL KINGのTGMX(Vo, Tp)とAKIRATT(Tb) 、さらに「RULES」にはTOSHI-LOWがゲスト参加。当時と変わらぬ身内ノリにも会場が沸騰した。「BRAHMANがいなかったら、俺はここに立っていなかったと思う。BRAHMAN、30周年おめでとう!」と感謝の言葉を述べ、万感の表情でステージを後にした。

【SCAFULL KING】

SCAFULL KING

続くはSCAFULL KING。2001年以降は緩やかにマイペースな活動スタイルを貫いているが、前述したようにDAY1のテーマ上、この場になくてはならないバンドのひとつだ。「BRAHMAN30周年! 今日は’90年代のお祭りとも聞いてます。そういうことでルード ホーンズ(RUDE BONES)がゲストに入ってくれて嬉しい!」と叫んだTGMX。

そして4曲目「SAVE YOUR LOVE」以降は14年来の仲間であるRUDE BONESのホーン隊3人を従え、賑々しいスカパンクで駆け抜けていく。なお、「Don’t forget the origin」にはトップとして出演したばかりのLOW IQ 01が参加。後半の「No Time」ではRiddim SaunterのKEISHI TANAKA(Vo)を迎え、快活なスカチューンを見舞うなど、フィッシュボーンに通じるごった煮センスでフロアを激しく掻き回した。

【BACK DROP BOMB】

BACK DROP BOMB

1994年結成のBACK DROP BOMBも忘れてはいけない。個人的には’90年代に足繁くライブに通っていたバンドであり、当時はホーンあり/なしの流動的なスタイルだったが、この日はホーンありの万全体制。初期の名曲「Bad News Come」「BACK DROP BOMB」を放ち、さらに「Blazi’」ではサポートの松田”CHABE”岳二のパーカッションが楽曲に華を添えた。

そして30周年アニバーサリー楽曲として2025年に配信リリースされた新曲「Who’s Got」が豪華だった。同楽曲ではSHINOBU WATANABE(この日はLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSのメンバーとしても参加)、TGMX、LOW IQ 01、CHOZEN LEE、IGNITION MAN 、TOSHI-LOWと音源通りのマイクリレーを再現。’90年代マナーに則ったスタイルで30年来の盟友たちとの絆の深さをアピールした。

【secret|ヌンチャク】

ヌンチャク

絆と言えば、当日までその名が明かされることのない“secret”として出演したヌンチャクも同様だ。1998年の解散以降、再結成ライブは過去に3回(2007年、2014年、2022年)のみ。今回で4回目の貴重なステージとなった。

BRAHMANを含む’90年代のパンクシーンは、前述したように、他の誰にも似ていないオリジナリティに溢れたバンドが多数存在していた。1993年結成、1998年解散と活動期間は短いものの、ヌンチャクもまさに強烈極まりない個性でシーンに衝撃を与えたハードコアパンクバンドだ。当時ライブハウスで暴れていたキッズはもちろん、ヌンチャクという名前だけは知ってる若い世代にとって、常識破りの極悪ハードコアに面食らった人がほとんどだったに違いない。

【RHYMESTER】

RHYMESTER

そしてDAY1は、ヒップホップ勢の出演もトピックのひとつ。’90年代はパンクとヒップホップの交流が盛んに行われ、両者が集うミクスチャー系イベントが各地で開催されていた。BRAHMANは、RHYMESTERやTHA BLUE HERBとのイベント共演や音源参加などで交流を深めていた。

「BRAHMANと同じ時代に生きてきたヒップホップはいかがですか?」という宇多丸(MC)の呼びかけで始まったのはRHYMESTERだ。「Walk On」「耳ヲ貸スベキ」の2曲ではBRAHMANのKOHKI(G)、MAKOTO(B)、RONZI(Dr)といった楽器陣3人とセッションを繰り広げ、後者ではTOSHI-LOWも乱入。観客を巻き込んで大合唱が起きるほどの盛り上がりをみせた。

【THA BLUE HERB】

THA BLUE HERB

その陽の空気感と対照的だったのはTHA BLUE HERB。1MC+1DJのストイックなパフォーマンスで観客の意識を釘付けにした。2011年の東日本大震災を契機に設立されたNBC作戦や幡ヶ谷再生大学復興再生部、2014年の広島豪雨災害を契機に設立されたSAVE THE HIROSHIMA、地元・西成で支援を続けるSHINGO★西成の活動にインスパイアされて制作された楽曲「スーパーヒーロー」を披露。

同郷である札幌ハードコアバンドのSLANGの“何もしないお前に何がわかる 何もしないお前の何が変わる”という歌詞を引用しつつ、「BRAHMAN、スーパーヒーロー!」と高らかに叫んだILL-BOSSTINO(MC)。真正面から最大級のリスペクトを送る素直なリリックに、体の芯から熱くなったのは言うまでもない。

【EGO-WRAPPIN’】

EGO-WRAPPIN’

EGO-WRAPPIN’と黒夢はDAY1出演者の中で異端な音楽性を持つ。ライブ中に「BACK TO 90s!」と連呼して会場を盛り上げたのはEGO-WRAPPIN’だ。この日はサポートメンバーを従えず、中納良恵(Vo, Key)と森雅樹(G, Dr)というふたりの最小編成で舞台に立った。そしていきなり始めたのはBRAHMANのカバー「Speculation」だった。原曲が持つメロディの良さを存分に活かしたアレンジが観客の心を奪う。とりわけ、中納の艶やかなハイトーンは圧巻。その演奏後に「BRAHMANはいいメロディを持ってる」と絶賛したのは森だ。

BRAHMANとはレーベルメイトであり、2009年にBRAHMAN主催イベント<tantrism vol.6>で共演したほか、コラボ曲「WE ARE HERE」「promenade」を制作。さらには、お互いの楽曲カバーも含むコラボシングル「SURE SHOT」を2010年にリリースした。同シングルでBRAHMANが取り上げたEGO-WRAPPIN’の「Nervous Breakdown」に繋げ、大人びたサウンドで多くの観客を魅了したふたりだった。

【黒夢】

黒夢

2025年、10年ぶりに再始動した黒夢は’90年代を駆け抜けたビジュアル系バンドの代表格であり、’90年代後半の活動後期は約230本(1997年〜1998年)のライブを敢行したパンクバンドとしても知られている。彼らが<尽未来祭>のステージでどんなライブを見せてくれるのか。

興味津々の客席を狂乱の渦に変えたのは、オープニングナンバーに据えたBRAHMANのカバー「Slow Dance」。これには度肝を抜かれてしまった。時に激しく、時に優しく、抑揚を付けた清春の歌声は原曲とはまた異なる魅力を持つ。情熱迸る歌唱力の高さは、ただただカッコいいの一言に尽きるものであった。驚くのはそれだけではない。2曲目にまたもBRAHMANのカバー「Silent Day」を投下。清春の荒ぶるシャウトに興奮せずにはいられなかった。TOSHI-LOWと清春という、異なる個性を持つふたりのボーカリストではあるが、両者の歌声に共通の色を感じたのは嬉しい発見であった。

「トシちゃん(TOSHI-LOW)とは、震災のボランティアとかで知り合った友達で、先日の僕の誕生日ライブにはケーキや蟹も持って来てくれた」とMCで語った清春。さらに「2週間前にもここでライブ(LUNATIC FEST.)したけど、その時と比較して、今日は客席がキラキラしてないですね」と笑いを誘い、「そういうバンドも集まる3日目に出演する?ってトシちゃんに聞かれたんだけど、であれば3日目以外で。トシちゃんの仲間がたくさんいる初日が一番手強そうだから、あえてそういう道を選びました」と出演理由を赤裸々に語り、サウンドでも言葉でも<尽未来祭>のオーディエンスの心を掴んで離さない。30年前には到底あり得なかった対バンだろうが、観客の反応はアウェイどころか、凄まじい熱気と歓喜をもって受け入れられていたことが印象深い。

【MONGOL800】

MONGOL800

1998年結成のMONGOL800、2002年結成のRiddim Saunterの2組は2000年代に台頭した後輩バンドだ。モンパチは前回の<尽未来祭>にも出演したほか、MONGOL800主催フェス<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!>にBRAHMANが出演するなど交流を持つ。

「結成27年目ですが、まさかの下っ端」とキヨサク(Vo, B)は苦笑いしていたが、DAY1のメンツにおいては若手のポジション。ただ、前回の10年前と大きく異なるのは3ピースから、ダンサーの粒マスタード安次嶺やホーン2名のサポートを加えた計6人編成の大所帯に変わったこと。

ライブは「あなたに」「小さな恋のうた」といった誰もが知るナンバーを織り込みつつ、井上陽水の「少年時代」、安室奈美恵の「TRY ME〜私を信じて〜」、美空ひばりの「川の流れのように」といった往年の名曲を次々とカバー。美空ひばり以外は’90年代からの選曲とあって、そこにモンパチなりの思惑があったのだろう。特に安室奈美恵の曲では全員でダンスを披露、エンタメ性に富むステージングでフロアを熱狂させた。

【Riddim Saunter】

Riddim Saunter

<尽未来祭 2025>をきっかけに1年間限定でバンドを再始動するRiddim Saunter。出演ラインナップ発表時に彼らの名前を見つけ、一瞬目を疑った人も少なくないだろう。Riddim Saunterをはじめ、alaやUNCHAINなどソウルやR&Bといったブラックミュージックをサウンドに導入するバンドが増加した2000年代。とりわけRiddim Saunterの場合は、トランペット兼フルート奏者が在籍し、カラフルなミクスチャーサウンドで人気を博したが、2011年に解散。今回、14年ぶりとなる復活の舞台に<尽未来祭 2025>を選んだのはBRAHMANとの縁によるものだろう。

実際のライブは長い休息期間を感じさせない素晴らしいもので、何よりメンバー全員が飛び切りの笑顔を浮かべ、楽しそうに演奏に励む姿が印象的だった。そのポジティヴなバイブスが観客にも届き、幕張メッセは享楽のダンスフロアへ。また、KEISHI TANAKAのソウルフルな歌声は当時よりも格段にスケールアップ。そのラストには新曲「Seasons Of Love」も披露されるなど、2026年4月から始まる全国ツアーを予感させるような締め括りも最高だった。

【BRAHMAN】

BRAHMAN

そして、DAY1はトリのBRAHMANを残すのみ。4つのLEDスクリーンに過去のライブ映像が流れ、KOHKIがもの悲しいギターフレーズを弾くと、幕張メッセは一気にBRAHMANの世界観に染め上げられた。ショウは1stアルバム『A MAN OF THE WORLD』収録の「THAT’S ALL」でスタート。TOSHI-LOWが感謝の言葉を述べた後、「THERE’S NO SHORTER WAY IN THIS LIFE」へ。予想通り、初期楽曲を畳み掛けていく流れだ。メンバー4人の音はクリアで骨太。ひとりひとりの音に存在感があり、それが塊となって体当たりしてくるパワーに圧倒されるばかり。改めて言うまでもないが、BRAHMANは民族音楽とパンクの融合を掲げ、自身のサウンドを研磨してきた。激しさ、切なさ、懐かしさ、温かさ、と様々な感情を掬い取った豊潤なメロディで観客をハートを射抜く。

後半に入ると、ステージにEGO-WRAPPIN’を迎えて、コラボ曲「WE ARE HERE」を披露。TOSHI-LOWと中納による高低差のあるボーカルハーモニーの美しさに聴き入ってしまった。さらには、ILL-BOSSTINOをステージに招いて「ラストダンス(featuring ILL-BOSSTINO / THA BLUE HERB)」がステージ披露されるなど、中指を突き立てたレベルミュージックで会場を扇動した。コラボはまだまだ続く。ILL-BOSSTINOが「IGNITION MAN! RHYMESTER!」と叫び、SHAKKAZOMBIEとBRAHMANのコラボ曲「KOKORO WARP」へ。4年前に亡くなったOSUMI(MC)に対する追悼の意味もあったのだろう。IGNITION MAN、RHYMESTERのMummy-Dと宇多丸、TOSHI-LOWの4人がステージ最前に並び、爆発力みなぎるミクスチャーで観客をブチ上げていく。スクリーンにはOSUMIが在籍していた当時のライブ映像が流れるという忘れられないワンシーンとなった。

贅沢なコラボ祭りが終わって残り2曲。BRAHMANはバンドとして初めて作った曲「TONGFARR」を披露し、原点にして頂点と言いたくなる凄味を感じさせて、壮大なスケールで幕張メッセを飲み込んでいく。ラストは「FOR ONE’S LIFE」。この最後の曲に入る前、TOSHI-LOWは言葉を紡いだ。

「10年前、一生に一度きりと決めて開催した<尽未来祭>が、また二回目を出来るとは思ってもみなかった。ここで30年の感謝、次なる40周年に向けて……みたいな言葉をさらさら言う気がない(場内笑)。なぜなら、明日、明後日、ここに俺が立っていられるかどうか、本当にわからない。そのくらい初日が疲れた(場内笑)。見てみろよ、このメンツ。このメンツの取り巻き。そしてこんなメンツが好きな客(場内笑)。特に舞台裏は地獄だ。わがままなジジイババアどもが“酒を出せ” “イスはねえのか”って。その辺で寝てるやつも居る。めちゃくちゃだ。こんなめちゃくちゃな’90年代が、やっぱり居心地がいい。
 なんのルールもなかったんだよ。マナーなんていう言葉、ひとつもなかった。スマホもねえ、携帯もねえ、ポケベルがあったくらい。’90年代は、そんな混沌とした時代。そんななかで今日、舞台裏に居る人たちと話した内容は、あの頃とそんなに変わってない。全然変わらないんだなって……ただ、ルックスだけ玉手箱を開けたみたいになってる(場内笑)。そんなめちゃくちゃな’90年代を生き抜いた仲間。ヒップホップだってそう。V系だってそう。その時のキッズだって、雑誌とかすげぇ少ねぇ情報を集めるしかなくて。そうやって、かき集めてかき集めてかき集めた30年が、ちゃんと今日ここにあります。
 どのバンドとも、どの友達とも、一晩中話せるネタがたくさんあるし、できることなら今後、ひとバンドずつゆっくりと、’90年代の殺伐としたバチバチなそういうものではなく、楽しく幸せを目指してライブをやりたい。だけど、それには条件があるんだ。その条件っていうのは、懸命にやってるかどうか。懸命にやっているやつしか、今日ここには居ない。音楽なんて正解がない。特にあの時代はそうだった。なにやったって“つまんない” “ヘタ” “面白くねえ”って、そんなふうに言われる。だけど、懸命にやっていれば人に何を言われようが、絶対に大丈夫。自分の懸命さに、好きなものに対する真剣さに気づけば、他人がそんな言葉で汚せるものじゃない。そんな権利なんて誰にもない。そんなことがわかる。
 俺たちはただ、今日までのように懸命にやるしかない。ひとつひとつのライブを、ひとつひとつの日々を、懸命にめくっていくしかない。今までも、これからも、終わるその日まで。懸命に、懸命に、懸命に…」──TOSHI-LOW

懸命な日々の積み重ねが今をつくる。’90年代から共に活動してきた同志たち、その道中で解散したバンド、亡くなってしまった仲間、今回を契機に復活した盟友……そのすべてに光を当てることでBRAHMANの30年史を炙り出す。とりわけDAY1には、そういう狙いもあったのではないだろうか。昔は良かったなどと言いたいわけではない。’90年代にはその時代特有の輝きがあり、現在の音楽シーンと照らし合わせても見劣りすることがない。むしろ、現代シーンにはない型破りな発想や感情から、学ぶべきことがたくさんあることが再発見できた一日だった。過去を照らし、現在に問いかけ、未来に繋げる。時空を超えたラインナップに悶絶せずにはいられないDAY1だった。

取材・文◎荒金良介
撮影◎岸田哲平/三吉ツカサ/山川哲矢/橋本塁/アンザイミキ

 

■BRAHMAN<尽未来祭 2025>DAY1 / 11月22日(土)@千葉・幕張メッセ国際展示場9-11ホール SETLIST
【LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS】
01 Delusions of Grandeur
02 WHAT’S BORDERLESS?
03 F.A.Y. (Fight Against Yourself) w/ SHIRAKAWA(BACK DROP BOMB)
04 Big Little Lies w/ TGMX, AKIRATT(SCAFULL KING)
05 Hangover Weekend
06 Snowman
07 So Easy
08 Makin’ Magic
09 Rules w/ TOSHI-LOW
10 Little Giant
【SCAFULL KING】
01 IRISH FARM
02 WHISTLE
03 Don’t forget the origin w/ LOW IQ 01
04 SAVE YOUR LOVE
05 BRIGHTEN UP
06 NEEDLESS MATTERS
07 THE SIMPLE ANGER
08 WE ARE THE WORLD
09 NO TIME w/ KEISHI TANAKA (Riddim Saunter)
10 LUNCH IN THE JAIL
11 YOU AND I, WALK AND SMILE
【MONGOL800】
01 あなたに
02 少年時代 (井上陽水)
03 OKINAWA CALLING
04 TRY ME ~私を信じて~ (安室奈美恵)
05 小さな恋のうた
06 DON’T WORRY BE HAPPY
07 川の流れのように (美空ひばり)
【BACK DROP BOMB】
01 BAD NEWS COME
02 TURN ON THE LIGHT w/ MARTIN-KINOO
03 THAT’S THE WAY WE UNITE
04 REMIND ME
05 PROGRESS
06 BOUNCE IT
07 BLAZIN’
08 Who’s got w/ SHINOBU WATANABE, TGMX, LOW IQ 01, CHOZEN LEE, IGNITION MAN (SHAKKAZOMBIE), TOSHI-LOW
09 You up Around
10 BACK DROP BOMB
【RHYMESTER】
01 JIN-TRO (30th.)
02 B-BOYイズム
03 Back & Forth
04 梯子酒
05 ちょうどいい
05 Walk On w/ KOHKI, MAKOTO, RONZI
06 耳ヲ貸スベキ w/ BRAHMAN
【EGO-WRAPPIN’】
01 Speculation (BRAHMAN)
02 Nervous Breakdown
03 a love song
04 サニーサイドメロディー
05 色彩のブルース
06 サイコアナルシス
【THA BLUE HERB】
01 HOLD ON
02 WORD…LIVE
03 THAT’S WHEN
04 RIGHT ON
05 未来は俺等の手の中
06 STARTING OVER
07 スーパーヒーロー
08 AND AGAIN
09 バラッドを俺等に
【黒夢】
01 Slow Dance (BRAHMAN)
02 Silent Day (BRAHMAN)
03 後遺症 -aftereffect-
04 C.Y.HEAD
05 MARIA
06 少年
07 Like@Angel
【secret|ヌンチャク】
01 都部ふぶく
02 人情ヴァイオレンス
03 おお焼き場は命
04 唄ってマスラオ
05 舌打ち生活
06 めおとチック
07 はけ口ドール
08 くじゃく王
09 メタルショック
10 3コードで悪いか
11 黒ぶちロックンロール
12 茶髪白書
13 マラダイス
【riddim saunter】
01 Dear Joyce
02 FRESH
03 MUSIC BY.
04 I’M DABBLING
05 Picture
06 Waltz Of The Twins
07 What Comes After The Parade
08 Sweet & Still
09 Season of Love
【BRAHMAN】
01 THAT’S ALL
02 THERE’S NO SHORTER WAY IN THIS LIFE
03 SEE OFF
04 DEEP
05 CHERRIES WERE MADE FOR EATING
06 GOIN’ DOWN
07 NEW SENTIMENT
08 ANSWER FOR…
09 ARRIVAL TIME
10 Speculation
11 WE ARE HERE w/ EGO-WRAPPIN’
12 ラストダンス w/ ILL-BOSSTINO (THA BLUE HERB)
13 KOKORO WARP w/ IGNITION MAN, Mummy-D (RHYMESTER), 宇多丸 (RHYMESTER)
14 TONGFARR
15 FOR ONE’S LIFE

 

■<BRAHMAN tour viraha final>
2026年5月15日(金) 東京・TOKYO GARDEN THEATER
opne18:00 / start19:00
▼チケット
アリーナスタンディング ¥5,980
スタンド指定席 ¥5,980
https://eplus.jp/brahman2026/

■<BRAHMAN tour viraha 2026>
1月13日 千葉 LOOK
1月15日 茨城 水戸LIGHT HOUSE
1月18日 埼玉 越谷 EASYGOINGS
1月27日 三重 四日市CLUB ROOTS
1月29日 徳島 club GRINDHOUSE
1月31日 高知 X-pt.
2月06日 長崎 DRUM Be-7
2月08日 佐賀 GEILS
2月10日 宮崎 LAZARUS
2月12日 大分 DRUM Be-0
2月15日 富山 MAIRO
2月17日 長野 JUNK BOX
2月26日 鳥取 米子laughs
2月28日 山口 周南RISING HALL
3月13日 福井 CHOP
3月15日 奈良 EVANS CASTLE HALL
3月17日 和歌山 CLUB GATE
3月22日 愛知 名古屋ReNY limited
3月24日 大阪 GORILLA HALL
3月26日 滋賀 U☆STONE
4月03日 群馬 高崎芸術劇場 スタジオシアター
4月07日 岐阜 Yanagase ants
4月14日 秋田 Club SWINDLE
4月16日 山形 ミュージック昭和セッション
4月18日 岩手 KLUB COUNTER ACTION宮古
5月08日 岩手 KESEN ROCK FREAKS大船渡
5月10日 宮城 石巻BLUE RESISTANCE
※ゲストあり

 

■PICTURE LP BOX『七梵全書』
2026年3月11日(水)発売
【完全受注生産限定盤 (TOY’S STORE 限定販売作品)】
PPTF-3908~3914 STEREO  33 1/3 r.p.m
¥59,400(税込)
・特製化粧箱仕様オリジナルBOX
・ピクチャーレコード 7枚組
予約リンク:https://store.toysfactory.co.jp/products/pptf-3908
受注期間(完全受注生産限定盤):11月19日(水)18:00~2026年1月30日(金)24:00

▼収録内容
DISC 1. A FOLORN HOPE
DISC 2. THE MIDDLE WAY
DISC 3. ANTINOMY
DISC 4. ETERNAL RECURRENCE
DISC 5. 超克
DISC 6. 梵唄
DISC 7. viraha