【ライブレポート】パスピエ、対バンライブ開催。七尾旅人とのコラボパフォーマンス披露も

2025.11.11 20:00

Share

パスピエが、11月8日に主催する対バンライブ<パスピエpresents「印象I」』>を東京・LIQUIDROOMにて開催した。過去にも錚々たるゲストアーティストを招き、シリーズ化してきた対バンライブ。約2年ぶりに開催された本公演では、七尾旅人を迎え、この日のライブは観客とともに特別な一夜を作り上げた。本公演のライブレポートをお届けする。

◆パスピエ 画像

パスピエ主催イベントとしてシリーズ化してきた対バンイベントが、<パスピエ presents『印象I』>として約2年ぶりに開催。今回は11月8日に東京・LIQUIDROOM、2026年1月10日に東京・渋谷CLUB QUATTROの2公演で行われる。

11月8日公演のゲストは、七尾旅人。パスピエと七尾の出会いは、2014年3月に東京・新木場STUDIO COASTで開催されたイベント<alternative tokyo>。そこで見た七尾のライブにパスピエのメンバーが衝撃を受け、「いつか自分たちのイベントにお誘いしたい」という思いを抱いていたという。それから11年以上が経ち、ついに両者の対バンが実現したというわけだ。

先にステージへ登場したのは七尾。「パスピエのメンバーから心のこもった手紙が届き、感銘を受けた」「ギターの三澤勝洸くん、ベースの露崎義邦くんとは同じ音楽学校の出身。僕は3日で辞めちゃったけど」といったトークの後、10代の頃、雑居ビルの隣の部屋に住んでいた女性をモデルにした「ストリッパーのおねえさん」をアコギの弾き語りで披露。さらにトレイシー・チャップマンの「Fast Car」の日本語詞カバー、東京から故郷の高知までドライブしたときのことを歌にした「Alone In My Car」、そして「パスピエさんの曲をいろいろ聴いて、この曲、歌詞がすごいんだよね」という言葉から「夕焼けは命の海」をカバーするなど多彩な楽曲を披露した。

最後は代表曲「サーカスナイト」。トラックを流しながら立ち上がって歌い始めた七尾は、「お客さんの雰囲気がいいので、こっちにします」とギターを手に取り、弾き語りスタイルに。楽曲の背景を紐解く丁寧なMCを含め、アコギの弾き語りの豊かな可能性をじっくりと体感できるアクトだった。その根底にあるのは、このシリアスな社会で生きるすべての人に向けられた深い思いだ。

そしてパスピエのステージへ。オープニングは、成田ハネダ(Key)の鍵盤から始まり、組曲的な展開が繰り広げられる「恐るべき真実」。さらに9月にリリースされた新曲「しあわせの気配」のドラマティックな旋律、サウンドが響き渡り、オーディエンスを惹きつける。「贅沢ないいわけ」では高揚感溢れるビートと〈じれったい このじれったい/気持ちの行方はどうすりゃいいの〉という歌詞が響き合い、ライブは早くも最初のピークを迎えた。

「旅人さんの声は天国みたいだなって、ご本人にも伝えました(笑)。旅人さん、そして、みなさんとここで出会えたことがうれしいです」という大胡田なつき(Vo)のMCを挟み、最新アルバム「カリギュラ」収録曲から「トゥパリタ」を披露。さらに七尾旅人の楽曲「DAVID BOWIE ON THE MOON」をカバー。浮遊感と壮大さを併せ持ったバンドサウンド、ホーリーな雰囲気のボーカルによって大らかな感動へと結びついた。

ライブ初披露となる「新擬態」からライブは後半へ。リリースされたばかりの新曲「煩悩ゴーウェスト」は、オリエンタルな世界観を軸にしながら多彩な情景を想起できる楽曲。メンバー全員のプレイヤビリティの高さを実感できる、パスピエらしいナンバーだ。

パスピエ流のディスコチューン「バジリコ」ではメンバー全員のソロ演奏が炸裂。さらにライブアンセムの一つ「MATATABISTEP」で心地よい一体感を演出した後、「次の曲は長いことやってるんですけど、今日のためにちょっとアレンジしてきました。これからもいろいろな形で曲を届けていきます」という大胡田の言葉から本編の最後の「ONE」へ。鍵盤と歌で始まるアレンジによって、メロディと歌詞の魅力をしっかりと感じ取ることができた。

アンコールでは、七尾旅人の代表曲「Rollin’ Rollin’」をカバー。七尾もステージに登場し、この日限りの貴重なセッションが実現した。ラストを飾ったのは、「この曲の雰囲気が七尾さんにぴったりだなと。あと、我々の曲のなかで唯一“七”が付く曲なんです」と成田が話した「七色の少年」。爽やかで切ない歌が響き渡り、盛大な拍手と共にイベントはエンディングを迎えた。

文◎森朋之
写真◎佐藤広理

◾️新曲「煩悩ゴーウェスト」
2025年11月5日(水)リリース
配信リンク:https://pspe.lnk.to/Bonno

◾️アルバム『IMI』
2026年2月25日(水)リリース

◆P.S.P.E 限定盤スペシャルBOXパッケージ(BOX+初回限定盤+特製オリジナルTシャツ)
価格:9,900円(税込) PDCP-1012
※こちらの商品はパスピエ会員限定サイト“P.S.P.E”会員の方のみご購入いただける商品となります。
※受注生産ではございませんので数量限定商品につき予定数量に達し次第、販売終了になります。
※“特製オリジナルTシャツ”のイラストデザインは、メンバーの大胡田なつき(Vo)描き下しになります。
※“特製オリジナルTシャツ”のサイズはフリーサイズのみとなります。

◆初回限定盤(CD+Blu-ray) 
価格:6,600円(税込)POCE-92169

◆通常盤(CD) 
価格:3,300円(税込)POCE-12216

▼収録内容
[CD]※3形態共通
「しあわせの気配」、「青々」を含む全10曲収録予定

[Blu-ray] ※初回限定盤/P.S.P.E 盤限定スペシャルBOXパッケージ
*今年4月に行われた[パスピエ 結成十五周年特別記念公演 “十五年鑑”]のアンコールを含む全22曲ライブ映像を完全収録予定
*Behind The Scenes from パスピエ 結成十五周年特別記念公演 “十五年鑑”
 オフショット映像、リハーサルシーンを含む貴重映像を収録予定

詳細:https://passepied.info/news/detail/10001862/

◾️<全国ツアー「PSPE 2026 TOUR 意味新」>

2026年
3月7日(土)神奈川・ReNY beta 開場17:30/開演18:00
3月14日(土)宮城・MACANA 開場16:30/開演17:00
3月20日(金・祝)福岡・INSA 開場16:30/開演17:00
3月28日(土)大阪・Music Club JANUS 開場17:00/開演17:30
3月29日(日)愛知・NAGOYA JAMMIN’  開場16:30/開演17:00
4月12日(日)東京・HULIC HALL TOKYO 開場16:00/開演17:00

▼チケット料金 
◎3/7神奈川、3/14宮城、3/20福岡、3/28大阪、3/29愛知  
オールスタンディング ¥5,940 (税込/D代別/整理番号付き)
◎4/12(日)東京
全席指定 ¥6,600 (税込/D代別)
※ツアーチケットとニューアルバムのセット商品申込については、公式サイトにて詳細ご確認ください。
※未就学児童入場不可

・チケット先行受付
いち早プレリザーブ先行(抽選)
受付期間:11月11日(火)19:00~11月16日(日)23:59
受付ページ:https://w.pia.jp/t/pspe-26/

◾️<パスピエpresents「印象I」>

2025年11月8日(土) 会場: LIQUIDROOM ※終了
w/ 七尾旅人
開場17:00/開演18:00 
問い合わせ:SOGO TOKYO http://www.sogotokyo.com
  
2026年1月10日(水) 会場: SHIBUYA CLUB QUATTRO
w/ 日食なつこ
開場17:00/開演18:00
問い合わせ:SOGO TOKYO http://www.sogotokyo.com

▼チケット料金 
オールスタンディング ¥5,940 (税込/D代別)
※未就学児童入場不可

前のページへ
1 / 2