写真前列左からカオル(Vo)、スミ(Vo)
写真後列左からカルロス(B)、ナラッチ(D)、KAKO(G)
――まずは、バンド名の由来は?
カオル:まだコピーバンドの頃、バンド名がなかなか決まらなくて会議を開いて、その時にKAKOくんが雑誌の中からRAGE AGAINST THE MACHINEのインタヴューの「これが俺達の十八番だ」というフレーズを見つけ出したんです。
KAKO:カッコイイと思って。それで多数決をとったら一番多くて、それに決定したんです。しばらくは漢字表記の“十八番”だったんですけど、“#18”でも“ジュウハチバン”って読めることを知って、それに変えました。
――女性のツインヴォーカルでいこうというアイデアは?
カオル:二人ともヴォーカルだよね、どうするよーみたいなところから始まって。その時にKAKO、カルロスのバンドのメンバー募集の貼り紙があって、そこには男とも女とも、一人とも二人とも書いてなかったんで“よし行け!”みたいなカンジで(笑)、セットで行きました。二人でどう歌い分けるかなんかの実験を重ねて、オリジナルをやりだしてからは、その経験を活かしながら作るようにしました。決まった役割分担っていうのはなくて、その時その時で曲のパーツのイメージでどちらが歌うかを決めます。
KAKO:普通はメロとラップとか、主旋律とハモリとか明確に分けてると思うんですけど、僕らは二人とも主旋律を歌ったりハモッたり逆になったりと、この面白さは自分達しかやってないから、硬く考えないでこのままで活かしていこうと思いました。
カオル:最初に役割を分けるよりも、やっていく中でよりよい方に行ければいいかなって。
――この音楽でやっていけると確信を得たのは?
KAKO:デモCDかなぁ。デモCD作る前はまだ何もなかったんですけど、自信だけはあったんですよね。自分達がやってることは相当面白くて、周りを見渡してもこんなのはいないし。それで、デモCDを作った時には、これは絶対に反応してくれるという自信があった。もちろん、自己満足かもしれないという不安もありましたけど。でもやっぱり反響がすごくて、俺達、間違ってなかったなと思いました。
カオル:初めてのミニアルバム『☆Give Me Five☆』を出したあたりで“いいなぁ”と思ったかも(笑)。あらかじめ方向性とかを話し合ってやってるわけじゃなくて、活動していくうちに見えてくるみたいな。ツアーでお客さんと話したりして、これがやりたいことだったんだなって。
カルロス:僕は就職活動もまったくしなくて、なるようになると思ってやってましたね。
KAKO:こいつはこういう性格なんです(笑)。なるようにならなかったらどうするの。
カルロス:そういうことは考えない(笑)。
カオル:ほんで、どこやったん? 質問の答えは? なかったの?
カルロス:自然体…。
一同:(爆笑)
スミ:私はやりたいことだけをやっていくタイプで、いろいろなことに手を出したけど、卒業間近に見えたことは、このバンドだけだったんです。だからみんなが就職活動を始めた頃には、私はバンドでやっていくって決めてた。
ナラッチ:オレは人を楽しませることをライヴっていう形でしたかった。このバンドに入ったら面白くなると入る前から思ってました。ドラムを始めた時から、オレはドラマーで食べていけるっていうのが当たり前で、できないことの方がおかしいと思ってました。だから、メジャーになろうと努力するってことより、バンド内で自分の立場、見方、やり方をどうしようかという方が重要だったりするんです。#18を見た瞬間から「イケるわ」と強く思いましたもん。
一同:見た瞬間からだって。素晴らしい!
――デビューアルバム「~Open Sesame ヒラケゴマ!!」の6曲はいつくらいからのレパートリー?
KAKO:このアルバムのために集中して作った新曲ばかりです。インディーズ時代の曲が少なかったということもあるんですけどね(笑)。もともと曲を作るペースが遅かったです。でも今回集中してやったら良いのができたんで、やればできるじゃんってカンジですね。
――レコーディングはどうだった?
カオル:楽しくやれた。勢いが大事だと思ったんで、ヘコんじゃったりしても勢いをなくさないようにしました。
スミ:プロデューサー(亀田誠治氏、村田昭氏)の方が入ってくれたので、今までと違う環境でやれたし、モチベーションをうまくコントロールしてもらった。空気もテンションが高くて緊張感をなくさずにできました。
KAKO:僕らは演奏するだけで音は任せましたってカンジだったですね。信頼できる方達でしたから。
カルロス:自分でやってると、自分のテイクを自分で判断できなくなるという状態に陥ったりするんですけど。信頼できる人がやってくれたので、自分の演奏に集中できたっていうか。
ナラッチ:オレもレコーディングは楽だった。今までは自分でやってたけど、今回は亀田さんとかが決めてくれるので、“わーい”ってカンジでレコーディングできました。
――これからどういうバンドになっていきたい?
KAKO:目標とする具体的なバンドはないです。5人にしか出せない音が出せて、誰が聴いても#18の音だとわかるような自分達のスタイルが確立できればいいと思います。僕たちにしかないポップさ、複雑なことをやっても複雑に聞こえさせないポップさとか、自分達しか持ってないものを追求したいです。
スミ:元気になる支えになれればいいですね。
カオル:聴いた人の深いところまで入っていけるような音楽をしたいです。
ナラッチ:聴いた人に楽しくなってもらいたい。
KAKO:僕たちはただ元気だけがとりえのバンドじゃないです。歌詞を読んでもらえば、ただ前向きなんじゃなく、後ろ向きの考え方がわかっているからこそ言える前向きさっていうのをわかってもらえると思う。
カオル:テーマが元気っていうんじゃなくて、最終的に元気になるための何かがテーマなんです。
取材・文●森本智