wea japan WPCR-10488 1999年11月10日発売 2520(tax in) 1 フェイス・イン・ミー 2 ルッキング・フォワード 3 スタンド・アンド・ビー・カウンティッド 4 ハートランド 5 シーン・イナフ 6 スローポーク 7 ドリーム・フォー・ヒム 8 ノー・ティアーズ・レフト 9 アウト・オブ・コントロール 10 サムデイ・スーン 11 クイーン・オブ・ゼム・オール 12 サニベル | | 誰にとっても、特に我々アメリカ人にとってはつらい1週間だった。 卑怯なテロリスト集団の襲撃による死、破壊、そしてそこまで迫りつつある戦争の恐怖に脅かされる我々にとっていま必要なのは、精神的になにか元気づけてくれるようなものだ。L.A.のGreek Theatreで行なわれたCrosby、Stills & Nashのコンサートを訪れた5000人もの観客は、それを手に入れることのできたラッキーな人々だった。 その週開かれるはずだったコロラド、ニュー・メキシコ、そしてサンディエゴのコンサートをキャンセルした後、この夜ステージに現れたDavid Crosby、Stephan Stills、そしてGraham Nashの3人は、バンド演奏なしの「Daylight Again」で感動的にショウをスタートさせた。その後、戦争の馬鹿さ加減をうたった「Find The Cost Of Freedom」が続き、それはまさに今にうってつけのものだった。 それから彼らの最強のバンドが登場すると、2時間半におよぶコンサートは、30年も前に行なわれた初期のCS&Nの素晴らしいライヴを彷彿させるような、またはそれ以上のものとなった。ブルース調の「For What It's Worth」やアルバム『Looking Forward』から「Half Your Angeles」(オクラホマ爆破事件もとにした、心を打つタイムリーな曲)。そして'20年代に起きたあまり知られることのない人種暴動(アメリカの歴史上、かつてないほどの死傷者を出した)について歌ったラテン・ブルース風のGrahamの新曲「Dirty Little Secret」が披露された。これは最近のGrahamの名曲のひとつで、その歌詞は今回起こった事件についても言及しているようだ。ティンバルで演奏をはじめたStillsはその後、おそらくどのステージでも見られないような荒々しいギターソロへと切り替えていく。 アンコールでは「My County」「Tis Of Thee」「Teach Your Children」が演奏されてウッドストックの栄光を再現し、観客は伝説の3人が呼び起こした'69年のあの感激――連帯意識とか勇気というものを胸に抱いて会場をあとにした。 By Matthew Greenwald | |