 「流れ星/遠い夏」 Ki/oon Records KSC2368 1,223(tax in)
1 流れ星 2 遠い夏 3 青春のひかり
“別れの歌3部作”の第1弾シングル。「流れ星」は別れてしまった恋人のことを振り返る男の気持ちを描いたしんみりソング。言葉を詰め込んだフォーク調のサビとそれに相対するストリングスが、真心らしくもあり真心らしくなくもあり。対する「遠い夏」は、これでもかというくらいの男の弱さが表現された曲。「俺はもう死にたかった/捨てないでくれ 憎まないでくれ 愛してくれ優しくしてくれよ」なんて歌詞は、格好悪くて情けなくて救いようがないんです、ホント。でも見捨てられないのは“やっぱり私がいなくちゃダメなのね”的女心をくすぐるから? 「この言葉が出てきたときに“勝った”と思った」とYO-KING自らが賞賛するラスト“助けて”のフレーズは、必聴! 最後に収録された桜井秀俊作曲の「青春のひかり」は、シンプルな構成だからこそグッとくるロック・ナンバー。
 「橋の上で」 Ki/oon Records KSC2-369 1,020 (tax in)
1 橋の上で 2 奥多摩湖
“別れの歌3部作”の第2弾シングルは、桜井秀俊によるアコースティック・ギターから始まり、打ち込みのバック・トラックがループする淡々とした作品。 ほんの少しだけ盛り上がるサビもマイナーなメロディだけに、聴いたあとも切ない余韻が残る。恋人だった2人が過ごしたあの時、あの風景、あの気持ち……。そんな細かな情景が浮かびあがってきそう。カップリングの「奥多摩湖」はアコギ1本の弾き語りソング。死んでしまった彼女と来ようと約束した奥多摩湖に、残された“僕”が一人で訪れるという悲しい歌詞を、飄々と奏でる。もちろんこの歌詞はフィクションだが、「“こういう曲を聴いて、俺はしんみりしたいんじゃーっ”と思う気持ちには偽りなし」というYO-KINGの気持ちが、より濃く現れた作品と言っていいだろう。
 「この愛は始まってもいない/流星」 Ki/oon Records KSC2-370 1,223(Tax in)
1 この愛は始まってもいない 2 あの夏、ふたりは 3 流星
“別れの歌3部作”のラストを飾るシングルは、デュエット用に書いた歌詞を、やはりと思い直してYO-KINGのヴォーカルのみでレコーディング。なので男性パートも女性パートも一人で担当している。しかし「女性の声は絶対入れたかった」との理由から、バック・コーラスとして迎え入れられたのは、なんと太田裕美。編曲にも鈴木茂を迎えた豪華版だ。エレキ・ギターを始めとするサウンドのバランス感覚も申し分なく、胸キュンな仕上がり。カップリングの「あの夏、ふたりは」もキリンジの作品などで知られる冨田恵一がアレンジ。ニクイ音使いがあちこちに冴える秀作だ。そして3曲目は、吉田拓郎の「流星」をカヴァーで収録。一連の大トリでもあるこの作品は、今回の3部作制作における目標作品になっていたとか。YO-KING自身、長い間歌いこんできたという楽曲だけに、歌い方、譜割りも同じ。歌いだしそっくりです(笑)。 |