【音楽と映画の密接な関係 2001 Special!】『あの頃ペニー・レインと』
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音楽と映像の密接な関係――。 たった15歳で音楽雑誌「ローリングストーン」誌のトップ・ライターがいた。 そんな少年と、ブレイク寸前のバンド、そして、取り巻き女の子たち。 音楽にとりつかれた人々の、とってもおかしくて、ちょっと切ないストーリー。 |
『あの頃ペニー・レインと』
| 本年度のゴールデン・グローヴ賞で、ミュージカル/コメディ部門の作品賞と助演女優賞(ケイト・ハドソン)に輝いた注目作。 映画ファンのみならず、音楽ファン、特に'70年代のロックシーンに興味がある人は必見! 「たった15歳でローリング・ストーン誌のライターとしてデビューした少年の物語」と聞けば、いくら映画とはいえ、そんな現実離れしたこと…と思うかも知れない。 ところが、これが実話なのである。しかも、監督キャメロン・クロウの自伝的ストーリー。なるほど、音楽業界の裏話的エピソードには事欠かないわけだ。 舞台は'73年。ロック=悪、Simon & Garfunkelさえドラッグ中毒と決めつける厳格な母と、そんな母に反発して家を出るロック狂の姉。優等生だった主人公ウィリアムは、姉が残していったロックの名盤(もちろんアナログLP!)に魅せられ、のめり込むうちに、ひょんなきっかけで音楽ライターの道を歩み始める。 コンサート会場へも母親に送り迎えされていた初心な少年が、Stillwaterというバンドのツアーに同行して、初めて目にしたバックステージの扉の向こうは、まさに「セックス・ドラッグ・ロックンロール」の世界そのもの。 しかし、そんな中で彼は、まるで奇跡のように胸キュンの「純愛」を見つける。その相手がケイト・ハドソン演じるペニー・レインという名の女の子。 彼の憧れのミューズ(女神)はしかし、バンドのグルーピーの中心的存在でもあり、初恋というにはあまりに複雑で刺激的な毎日が待っているのだった。
さらに、俳優たちが演じるStillwaterというバンド(ヴォーカルはFreeの頃のポール・ロジャースそっくり)も、テクニカル・コンサルタントとして撮影に参加したピーター・フランプトンの指導のもと、とてもリアルなパフォーマンスを披露している。 オリジナル・スコア担当はクロウ監督の妻でもあるHeartのナンシー・ウィルソン。 ちなみにフランプトンとクロウは長年の友人で、その接点はやはり'70年代に遡る。 かの大ヒットアルバム『Frampton Comes Alive』のライナーノーツを執筆したライターこそ、若き日のクロウだったのだ。 文●原 令美 |