さらなる高みへ
ハーモニーが売り物のオハイオの4人組、98 Degreesはわずか4年の間にポップミュージック界のマルチプラチナム・スーパーグループへと成長を遂げた。 Justin Jeffre、Jeff Timmons、そしてNickとDrewのLachey兄弟は、この歳月の大部分を全米中の町から町と世界中の都市を巡るツアーに費やした。行く先々で出会うファンは皆、それはそれは熱狂的で、中にはバンドのロゴを自分の身体にタトゥーとして彫り込んでいるつわものもいたという。 「もちろん、それはその子がバンドに対して強い愛情を抱いてくれてる証拠なわけだけど、例えばJeffとか僕にとっては、自分の身体にタトゥーを彫るなんていうのは相当の覚悟がなきゃできないことなんだよ。だから、ファンだからってそういうことをやる子がいるとビックリしちゃうんだ」とはいえ、 「何と言っても普段の自分たちでいられるのはグレイトだし、僕らの作り出す音楽を多くの人たちが気に入ってくれてるのは素晴らしいよ。僕らが自分たち自身や方向性を変えるようなことをしなくても、ファンはちゃんとついて来てくれてる。これって凄く素敵なことだと思う」 ゴールドディスクを獲得したシングル「Invisible Man」が収められたデビューアルバム『98 Degrees』では、メンバーのソングライティングとプロダクション面での貢献はさほど多くはなかったが、2ndアルバム『98 Degrees And Rising』では、その割合は著しく上がっている。 アルバム『98 Degrees And Rising』で、彼らは「Invisible Man」の作者兼プロデューサーであるSean HoseinとDane DeVillerのコンビを再び起用した。 「スタジオでの彼らはまさに完全主義でね」とDrewが証言する。 「それが僕らの中にある完全主義の部分と上手く馴染んでるんだと思う。僕らは自分たちのハーモニーに関しては絶対に寸分のズレもあっちゃいけないし、ヴォーカルは完璧じゃなきゃダメなんだ。だから彼らとはウマが合うんだよね。今回は他にもBrian McKnight、Vanessa Williams、Amy Grant、それにBeBe & CeCe Winansを手掛けていたKeith Thomasとも仕事をした。そういう意味では間違いなく僕らの守備範囲も仕事の交流関係も拡がったと思うよ」 「『Mulan』のサントラは凄く貴重な経験だったね」とJustin Jeffre。 「あれがきっかけで僕らのファン層は若い子たちだけじゃなく、その両親にまで広がったんだ。よく行く先々でそういう世代の人たちが大勢声を掛けて来るんだ。“いやぁ、驚いたよ。子供だましかと思ってたら、君らは本当にグレイトな音楽をやってるんだねぇ!”って。彼らはみんな、自分の子供たちが聴いてるのと同じ音楽を楽しめるのは凄く嬉しいって言ってくれるんだ」 「僕らは自分たちを、例えて言えばBoyz II Menと同類の、音楽重視のグループだと思っているんだ。僕らはショウビジネスとか、楽にお金を稼ぐとかってことよりも、ソングライティングとかプロデュースとかヴォーカルとか音楽的技術とか、そういったものに興味があるんだよ、他の幾つかのグループと違ってね。別に彼らに才能がないって言ってるわけじゃないし、彼らがここまで成功するなんて間違ってる、と思ってるわけでもない。ただ彼らと僕らとは随分スタンスが違うような気がするだけさ」 「ここに至るまでの進化はごく自然なものだった。それぞれがミュージシャンとして成長し、シンガーとして成長を重ねてきたんだ」とDrewは語る。 「その自然な進歩の過程で、どんどん枝が拡がっていったんだよね。つまり僕らはさらに積極的に曲作りやプロデュースに参加するようになった。多分そういうものが全部合わさることによって、さらに優れたアーティストになっていけるんじゃないのかな」 大ブレイクを果たした1年を終え、グループは現在、次のアルバムの制作準備に入っている。 「とにかく物凄くいっぱい、色んな事が起こったからね」とNick。 「でも僕らは今でも、その真っ只中にいられた自分たちを凄く幸運だったと思うし、これからも常にあらゆる選択肢を追求しながら、楽しんでやっていきたいと思っているよ」 by Jason Gelman |