【インタビュー】GLIM SPANKYデビュー10周年記念、全28曲収録ベスト盤が集大成であると同時に最新アルバムな理由「とにかく魂の込められたものを」

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■過去を振り返るだけのツアーじゃなくて
■未来が見えるツアーにしたいですね


──そして、もう1曲、「Hallucination」はジャジーなバラードと思わせて、パーカッションが入ってきて、これもちょっとラテンっぽい魅力のある曲になっています。

亀本:おもしろい曲に仕上がったと思います。すごく気に入ってるんですけど、板井直樹さんってアレンジャーに入ってもらって、僕のギター以外のトラックは全部、板井さんが作ったトラックなんですよ。そこまでアレンジを誰かに任せるって、GLIM SPANKYとしては初めてで。

松尾:そういう挑戦をしてみようっていう。

亀本:いつも僕が作る時は、ゴールの全体像まで見据えた上で、アレンジも込み込みで全部作っていくんですけど、ここまで作曲だけに徹するっていうのは初めてだったから。そういう意味では挑戦だったかもしれないですね。

松尾:最初、二人で超シンプルなワンコーラスだけ作って、そこに自分たちでは付けられないピアノだったり、ギターだったりが入っているっていう感覚なんです。


──曲の基になるワンコーラスは、どんなところから作っていったんですか?

松尾:松任谷由実さんの「真夏の夜の夢」のGLIM SPANKYバージョンのような世界観がいいなと思って、幻想的な外国の夏の夜をイメージして、最初メロディーを作ったんです。けど、その時にアレンジは板井さんに投げるって決まってたので、どんなアレンジを加えられても、自分の得意なメロディー感だったりとか、 自分の歌のスモーキーさというか、渋さみたいなものだったりがちゃんと出るメロディーにしようっていうのを考えてました。だから、ちょっとブルーノートスケールが入っているんですけど、そうしたらジャジーな要素がけっこう入ってきたから、亀本と「おもしろいね」って言いながら、いろいろやり取りしていく中で、ここに落ち着いて。そうしたら、レコーディングする前に板井さんが「間奏のメロディーは歌ったらいいんじゃない?」って。

──“パヤパヤ パララ”ってコーラスですか?

松尾:そうです。そこ、最初はギターフレーズだったんですよ。だったんですけど、「歌ってみたらどうですか?」って提案してもらって、“トゥルル”なのか“ラララ”なのか、どんなふうに歌ったらいいんだろう?って考えたとき、私、浜口庫之助が大好きで。

──昭和を代表する作詞作曲家ですね。

松尾:はい。そのハマクラさんが1967年に出した『僕だって歌いたい』というカバーアルバムがめちゃめちゃ好きで。セルジオ・メンデスの「マシュ・ケ・ナダ」とか、ローリング・ストーンズの「サティスファクション」とかをボッサ的に歌ってるんですけど、ハマクラさんの後ろで女の子達が“パヤパヤ”って歌ってるわけですよ。それがすごくカッコよくて、エキゾチックな感じもあって。“それだ”と思って、ノリで“パヤパヤ”って歌ってみたら、思いのほかハマって、私としては自分のルーツもちゃんと入れられたってことも含め、満足できるものになりました。


──10周年記念のベストアルバムだから、そういうことにも挑戦してみたらおもしろいんじゃないかと考えたんですか?

亀本:いえ。10周年とかベストアルバムとか全然そんなことではなくて。前アルバム『The Goldmine』収録曲の「Glitter Illusion」を作るとき、板井さんと同じ事務所のSoma Genda君ってアレンジャーに参加してもらったんですけど。たまたま僕らと同じ地元出身の同世代の子で、けっこういい手応えを得られたっていうこともあって、「じゃあ同じ事務所の板井さんとやってみたらどう?」って、板井さんとよく仕事しているディレクターから提案してもらって、「やってみましょう」ってなったんですよ。

──なるほど。

亀本:ただ、「Glitter Illusion」の時は松尾さんと僕でほぼほぼ作っちゃって、それをちょっと清書してもらう感じだったから、せっかくやるなら、がっつりやってもらったらおもしろいんじゃないかって、単純に制作上のチャレンジの一環として、誰かの力を借りてやってみたら、また違う発見もあるだろうし、そういうことも必要だと思ってやってみたんです。

松尾:そういうボサノバとか、ラテンとか、ジャズとかって、自分たちには難しくてなかなかできないし。

亀本:そうだね。自分で最後まで仕上げてたら、こういう曲は作らなかったかもしれない。

松尾:もちろん、見様見真似でやって、カッコいいものはできると思うんですよ。あるいは、不器用だからこそのおもしろさもあると思うんですけど、今回はアレンジを投げることで、どんなものができるのか、それがすごく楽しそうだなと思って、自分達にはできないことをいろいろリクエストしてやってもらいました。



──今回、お話を聞かせてもらった3曲は、ベストアルバムにありがちなオマケ的な新曲とは全然違って、メジャーデビュー10周年を越えて、GLIM SPANKYがさらに前進しようとしていることを物語るものになったと思うんですけど、その意味では本当にベストアルバムであると同時に新しいアルバムとしても楽しめるものになりましたね。

松尾:ありがとうございます。

亀本:「Fighter」以降の新曲6曲(「Fighter」「風にキスをして」「ひみつを君に feat.花譜」「赤い轍」「Hallucination」「愛が満ちるまで feat. LOVE PSYCHEDELICO」)を収録したことで、ベストアルバムにEPを1枚付けてるっていう気持ちですよね。本当だったら、ディスク2の曲を増やして、ベスト2枚とEPの3枚組にしたかったぐらいなんですけど、それやっちゃうと、価格も上がっちゃうからってことで、こういう形に落ち着いたんですけど。

松尾:ただのベストアルバムじゃない、とにかく魂の込められたものをという気持ちで作りました。



▲2024年3月24日@日比谷野外大音楽堂

──そんな今回のアルバムのタイトルを冠したツアーが2025年の2月28日から始まるわけですが、どんなツアーになりそうですか?

亀本:新しい曲達を顔にして、そこに過去の曲を入れるツアーにするのか。過去の曲をベースにして、そこに新しい曲達を混ぜるのか。どっちにするのか考えているところなんですけど、自分の感覚としては、新しい曲達を主軸にして、いろいろな演出を考えていったほうがやりやすいんですけど、どっちがいいのかな?

松尾:そうだね。昔の曲を聴きたいって人もやっぱり多いからね。

亀本:ね。一応、ベストアルバムのツアーだから、みたいなね。

松尾:個人的にはベストアルバムの選曲が、“あれも入れたい、これも入れたい”ってすっごい大変だったから、入れられなかった曲もやりたいんですよ。各地セットリストを変えて、いろいろな曲をできたらいいなと思うけど、…それはリハーサルが大変か(笑)。でも、スペシャルなツアーにしたいと思ってます。過去を振り返るだけのツアーじゃなくて、未来が見えるツアーにしたいですね。それは確実に。

取材・文◎山口智男
撮影◎上飯坂一(2024年3月24日@日比谷野外大音楽堂)

■メジャーデビュー10周年記念ベストアルバム『All the Greatest Dudes』

2024年11月27日(水)発売
CD予約:https://glimspanky.lnk.to/atgdPR



▲10周年記念BOX_展開図

【完全数量限定 10周年記念限定盤(2CD+Blu-ray+Goods)】
PDCV-1246 15,000円(税込)
※豪華LPサイズスペシャルBOX仕様
▶CD : 2 DISCS
▶Blu-ray:<The Goldmine Tour 2024>at 東京・日比谷公園大音楽堂 (2024.3.24)
▼Goods
・10周年記念オリジナルヴィンテージ加工Tシャツ[松尾レミ プロデュース]
 サイズ:L[男女兼用]/ボディ色:スミクロ/素材:綿100%
・ピックチャームキーホルダー
・LPサイズオリジナルポスター 10枚セット
●フォトブックレット 48ページ
●歌詞ブックレット24ページ
※【完全数量限定】10周年記念限定盤はUNIVERSAL MUSIC STOREのみ限定販売
※Tシャツ、ピックチャームキーホルダーのデザインは後日発表


▲初回限定盤

【初回限定盤(2CD+DVD)】
TYCT-69333 7,000円(税込)
▶CD : 2 DISCS
▶DVD:<The Goldmine Tour 2024>at 東京・日比谷公園大音楽堂 (2024.3.24)
●フォトブックレット48ページ
●歌詞ブックレット24ページ


▲通常盤

【通常盤(2CD)】
TYCT-60240/1 4,500円(税込)
▶CD : 2 DISCS
●ブックレット40ページ

▼CD収録内容 ※CD収録内容は全形態共通
DISC 1 & DISC 2:全28曲収録
※収録楽曲はファンからのリクエストをもとにGLIM SPANKYメンバーが選曲
●DISC 1
01. 焦燥
02. 怒りをくれよ
03. ダミーロックとブルース
04. 愚か者たち
05. 吹き抜く風のように
06. 闇に目を凝らせば
07. 話をしよう
08. NEXT ONE
09. TV Show
10. 褒めろよ
11. 美しい棘
12. 夜風の街
13. サンライズジャーニー
14. リアル鬼ごっこ
15. 大人になったら
16. ワイルド・サイドを行け
●DISC 2
01. Glitter Illusion
02. こんな夜更けは
03. HEY MY GIRL FRIEND!!
04. ラストシーン
05. 形ないもの
06. Circle Of Time
07. Fighter
08. 風にキスをして
09. ひみつを君に feat.花譜
10. 赤い轍
11. Hallucination
12. 愛が満ちるまで feat. LOVE PSYCHEDELICO


▼完全数量限定 10周年記念限定盤Blu-ray/初回限定盤DVD収録内容
<The Goldmine Tour 2024>at 東京・日比谷公園大音楽堂 (2024.3.24)
・The Goldmine
・褒めろよ
・Odd Dancer
・光の車輪
・話をしよう
・真昼の幽霊(Interlude)
・Summer Letter
・ラストシーン
・愛の元へ
・Glitter Illusion
・NEXT ONE
・怒りをくれよ
・不幸アレ
・美しい棘
・Innocent Eyes
・大人になったら
・リアル鬼ごっこ
encore
・サンライズジャーニー
・愚か者たち
・ワイルド・サイドを行け
※完全数量限定 10周年記念限定盤と初回限定盤のフォトブックレット、歌詞ブックレットの内容は同一です。
※完全数量限定 10周年記念限定盤と初回限定盤のフォトブックレット、歌詞ブックレットと通常盤のフォトブックレットの内容は異なります。


●全形態共通封入特典●
抽選で豪華賞品が当たるシリアルナンバー付き応募チラシ封入
※シリアルナンバー付き応募チラシは初回限定盤、通常盤は初回プレス分のみ封入
▼賞品内容
・A賞:「After Show」へ抽選でご招待
※LIVEは<All the Greatest Dudes Tour 2025>ライブ終演後に開催いたします
※LIVEはアコースティック、2人編成です
・B賞:メンバー直筆サイン入りオリジナルグッズ 抽選で500名様にプレゼント
※グッズの内容は後日発表いたします。
・応募者全員プレゼント:ご応募頂いた方全員にオリジナルデジタル壁紙をプレゼントいたします。
※上記どちらかご希望の賞品を1つ選んでご応募ください。
※申し込み後の賞品の変更はできません。
応募受付期間:2024年11月27日(水)11:00~1月31日(金)23:59
■[A賞<After Show>開催会場/招待者数]
<All the Greatest Dudes Tour 2025>
2月28日(金) 北海道・札幌PENNY LANE24 ※50名様
3月02日(日) 宮城・仙台Rensa ※50名様
3月08日(土) 大阪・なんばHatch ※150名様
3月09日(日) 愛知・名古屋DIAMOND HALL ※100名様
3月14日(金) 福岡・DRUM LOGOS ※50名様
3月15日(土) 広島・広島CLUB QUATTRO ※50名様
3月21日(金) 東京・台場Zepp DiverCity TOKYO ※200名様


●店舗別CD購入特典
・UNIVERSAL MUSIC STORE:アクリルキーホルダー(約60×60mm)
・TOWER RECORDS:ポスター(B2)
・HMV:ステッカー(約50×80mm)
・Amazon.co.jp:ラバーコースター(サイズ未定)
・楽天ブックス:リボンキーホルダー(約110×35mm)
・その他一般店:ポストカード
※各特典のデザインは後日ご案内いたします。
※サイズは変更になる場合がございます。

■<All the Greatest Dudes Tour 2025>

2月28日(金) 北海道・札幌PENNY LANE24
3月02日(日) 宮城・仙台Rensa
3月08日(土) 大阪・なんばHatch
3月09日(日) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
3月14日(金) 福岡・DRUM LOGOS
3月15日(土) 広島・広島CLUB QUATTRO
3月21日(金) 東京・台場Zepp DiverCity TOKYO
▼<All the Greatest Dudes Tour 2025 "Extra Show">
3月23日(日) 長野・飯田文化会館
http://www.glimspanky.com/

■GLIM SPANKY ライブイベント出演情報

11/16(土) 長野<FM NAGANO「EVERGREEN CAMP 2024>
 ※アコースティック2人編成で出演
11/17(日) 東京<DEFENDER DESTINATION TOKYO 2024>
 ※J-WAVE<DEFENDER BLAZE A TRAIL>ライブ
 ※アコースティック3人編成で出演
12/18(水) 長野<PARCO × ALECX presents「GOODBYE PARCO」>
 ※アコースティック2人編成で出演


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