【俺の楽器・私の愛機】1600「このギターでエレキギターを教わったような気がする。」

【失念、初心者用ビザール　ストラトモドキ】（福岡　ギター屋おやじ　64歳）


以前キタネェ、ストラトとレスポール紹介して下さり有難うございます。しかしエレキギターと付き合って40年位になりますが、このギターは非常に面白かったですし、エレキギターの音を本当に教えてくれたような気がします。

確か2000円位で買いましたが、まさかこんなに愛すべき音になるなんて思いもしませんでした。だって僕らが10代の頃でも、このギターは欲しくなかったですからね。やはり5万以上のグレコやフェルしか眼中になかったですから。

この体系は？色々なメーカーのロゴで出てましたね。製造は木曽SUZUKIさんかな？とか思いますが、平凡や明星の通販の安物でしたよねぇ、、、

ベニア積層のボディですし、ナトー材のネック。しかし素晴らしいのは張りメイプル。これは素晴らしいです。

まずネックをどうにかしなきゃいけなかったんです。指板はフラットですし、エポキシのネックは大嫌いですしね。

とにかく全て剥離して、そしてフィンガーボードをレディアス7.25に持ってきて、シャブシャブ（シンナー少し多め）の塗料（勿論2液）でコートして中砥を入れて、サラサラに仕上げてフレットはジェスカーを打って、、、、サイドポジションも打たれてないんですよね、（初心者、上級者でも嫌です）。

ペグも当然６連の安物で使い物にはならないのでGOTOに変えて。やっぱりナトー剤は塗料を吸い込んでくれて（含浸）して凄い強度が増して全然反らないんです。張りメイプルだから余計にでしょうね。全然動きません。10-46でも緩めなくても反らないと思います（僕は緩めますが）。

そして弦張ったら、センターズレてて再度マウント位置を合わせました。

笑ったのが、トレモロのスプリングのブラケットが調整できない固定で、フェンダーと同じ様に穴掘って、、、、、

音はまぁまぁになりましたが、実はこのデカいシングルPUは2種類有りまして、。片方の奴はあまり魅力的な音はしないもので、他のギターを潰してこいつに移植です。しかしハウルんですよね。この時代のシングルは、、、ポッティングして抵抗値は4.1Ω位になってくれて、どんなにドライブさせてもハウリングしません。

PUセレクタースイッチは3段ですが、ハーフトーンは、センターとリアの時だけが良い感じですので、途中で決めやすいのでこのままです。

しかしこうやって出来たギターはもう、、、、水一滴も出ない雑巾です。乾いててとても美しい。クリスタルクリーンです。オーバードライブさせても本当に唸り上げてきます。今のPUも悪くないんですが、「全然世界が違う！」って感じで。

特にフロント太さは57年の Musicmaster、そのものです。あいつはフロント一発だけど、本当に太い音がしますから、、、、

でも、このギターはボディはベニアの積層材です。そこで考えたんです。この様に比重が軽いボロ材（失礼）だから低域が出過ぎなくてよいのでは？って。でも、フロント6弦側はかなり下げていますけどね。

一時血迷って、女優のノンさんにプレゼントしようか？と、考えましたが、やっぱり別れられないんです。

軽いし、スケール短いのですぐ弾いちゃうW。しかし Musicmasterはやっぱりフロントだけだと困るんです。

2000で購入したけど、部品や他のギターも潰して、作業時間もかなり掛かったんで高いものになりましたけど、絶対離れたくないんです。

マーク・ノップラーさんやエイモス・ギャレットさんたちが来たら（来ないと思います）、絶対欲しいって言うと思います（嘘だろ！そう思われるでしょうねW)。

いろいろなギターを弾かせてもらった人生ですが、こいつには色々教わった気がします。ボディマテリアルは何でも良いんじゃないか・バランスの問題（ネックは絶対的な強度）そう思えてなりません。

この年になってまた初心者モデルに戻ってきた自分がおかしいです。




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ギター屋さんとして、本当にたくさんのギターを触ってきたからこそ見えてくる景色なのですね。それにしてもこのギター、私にも既視感あるー。トムソンとかトーマスですけど、全く鑑識眼のない子どもの私でも、なんかいびつなボディシェイプにヘッドストック、ボテッとしたピックガード、むっちりしたピックアップ形状など、ちゃんとしていない感が満載で、なんだかなーと思っていました。けど、それでも毎日のようにカタログを見ていたなあ。友達から絶対に馬鹿にされると思っていたから我慢できたけど、そうじゃなかったら買っていたかもしれない、そんな子供の心をジリジリと焦がすようなギターだったなあ。ノスタルジーだけではない人間臭い魅力があるような気がします。（JMN統括編集長 烏丸）


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