【速レポ】<響都超特急2023>10-FEET、「こいつなら裏切られてもしゃーないという奴とつきあえ。俺達にとって、それがロットン」
『NHK紅白歌合戦』出演という快挙も含め、映画『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディング主題歌に提供した「第ゼロ感」の大ヒットをステップに新たな視界が開けてきた印象もある10-FEET。しかし、その一方でバンドは11月まで続けていた<“コリンズ” TOUR 2023>をはじめ、あいかわらずライブに明け暮れるというこれまでと変わらない活動も続けてきたわけだが、その延長線上でバンドのパフォーマンスをさらに研ぎ澄まして乗り込んできたこの日のライブは、新旧のライブアンセムを35分に凝縮したセットリストで、金閣ステージにすし詰めになったオーディンスを大きく上下に揺らしたのだった。
◆ライブ写真
バンドがこの日、ライブのブースターに選んだのは、お馴染みの「RIVER」。NAOKI(B, Vo)とTAKUMA(Vo, G)が広いステージをエネルギッシュに左右に動きながら、早速、オーディエンスにシンガロングの声を上げさせていく。
惜しげもなく「RIVER」を1曲目に持ってきたのは、今現在の彼らには「RIVER」以外にもアンセムならいくらでもあるぜということなのかと思いきや、「ロットンの親友の10-FEETです。知ってる人も知らん人もよろしく。カッコよかったら応援してくれ。カッコ悪かったら(応援を)やめてくれ」という覚悟が感じられる第一声をはじめ、曲間のヒリヒリとしたMCを聞いているうちに親友の目の前で余裕なんてかましてられるか。いつも以上に全力で主役を食いに行くぞ、と思ったからかもしれないとちょっと想像したりも。
アンセミックなサビに加え、レゲエ~ラップパートも持つものの、一際激しいラウドロック色濃いハードコアナンバー「1sec.」を挟んで、3曲目には10月20日に配信したばかりの最新シングル「Re方程式」も早速披露してみせる。観客の反応からは、すっかり新しいライブのアンセムになっていることが窺える。シーケンスも使いながら、TAKUMAがリズムを刻むギターの音色がメタリックというところがいい。
歌謡曲にも通じる哀愁メロディを歌い上げる「ハローフィクサー」では、そんなんじゃトリのROTTENGRAFFTYに繋げられないぞという思いを込め、「(シンガロングの)声が小さい!」とTAKUMAがオーディエンスに発破をかける。
「今年から<ポルノ超特急>改め<響都超特急>。コンプラで名前を変えたわけだけど、それだけ続けたいと考えて、変えたんだから、今後も素晴らしいフェスになると思います」──NAOKI
「ロットン、これからもよろしく頼むで。ほぼ同年代だからがんばろう。お互いに」──KOUICHI
NAOKIとKOUICHI(Dr, Cho)がそれぞれに盟友ROTTENGRAFFTYにエールを贈ると、「たまには厚かましいことを言わせてくれ。もっとライブに来い! もっとロットンのライブに行け! ライブが好きな奴、どんだけいる? (声を上げたオーディエンスに)ウソかホントか確かめてやる!」と後半戦に向け、TAKUMAが再びオーディエンスに発破をかける。
「その向こうへ」から繋げたのは、「第ゼロ感」。バスケットボールのドリブルを表現したと思しきKOUICHIによるダンサブルなビート、シーケンスで加えたピアノのフレーズ、歪みにリバーブを多めに掛けたイントロのギターの音色がバンドの新境地をアピールした曲は、いつしか最強のアンセムとして仕上がっていたことをこの日、切れ味鋭いバンドの演奏と、それをしっかりと受け止めるオーディエンスの反応から改めて感じることができた。
「人間だからいろいろあるし、間違ったこともする。こいつは裏切らない奴だじゃなくて、こいつなら裏切られてもしゃーないという奴とつきあえ。俺達にとって、それがロットン。おまえらもそういう友達を見つけろ!」──TAKUMA
この日、10-FEETがラストナンバーに選んだのは、「ヒトリセカイ」。「声が小さい!寝てんのか!?」とTAKUMAがオーディエンスを叱咤しながら、出だしのシンガロングをやり直させたのは、この日、この曲をROTTENGRAFFTYに贈ったからだ。親友に贈るんだから、もっと大きな声で歌ってほしい──そんな思いが通じたらしい。一際大きな声を上げ、ほぼ丸々1曲、シンガロングしたオーディエンスとともに10-FEETの演奏は最高のエンディングを迎えた。
文◎山口智男
写真◎かわどう
セットリスト
M2. 1sec.
M3. Re方程式
M4. ハローフィクサー
M5. その向こうへ
M6. 第ゼロ感
M7. ヒトリセカイ
ライブ・イベント情報
12月16日(土)、17日(日) 京都パルスプラザ
乗車時刻(開場時間) 各日 10:00
発車時刻(開演時間)各日 11:00
【出演アーティスト】
■12/16(土)
[金閣]
UVERworld / G-FREAK FACTORY / 10-FEET /ハルカミライ / MY FIRST STORY / MUCC / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY
[銀閣]
アルカラ / INKYMAP / ジャパニーズマゲニーズ / NEMOPHILA / NOISEMAKER / HERO COMPLEX / Paledusk
■12/17(日)
[金閣]
coldrain / The BONEZ / THE ORAL CIGARETTES / SiM / Dragon Ash / Fear, and Loathing in Las Vegas / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
[銀閣]
ANARCHY / OAU / THE冠 / 四星球 / TENDOUJI / TOTALFAT / FOMARE
MC(両日):やべきょうすけ
【イベント特設サイト】
https://kue.rotten-g.com/23/
【券種】
・1日券 ¥8,610・2日券 ¥16,610 (税込) ※SOLD OUT
※全自由・整理番号無し
※会場にて、リストバンドと引き換えになります。
・金色シート:1日券 ¥16,100 (税込) ※SOLD OUT
※全席指定
※購入特典:金色シート専用PASS/お土産
※事前配送のみ
(席番入りラミパス / リストバンド / おみや引換券)
※2日券ご購入のお客様は両日同じ席でのご用意となります。
※お席は金閣のみご用意しております。
※おみやは当日会場にてお渡しとなります。
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