【インタビュー】michi.、再起と決意の1年を振り返りライヴ直前に語る「サーバントでいてほしい」

■ファンの方々はご自身を誇りに思ってほしい
■私のおかげなんだぞって

──では、最後にお聞きしたいんですが、先が見えない時代に突入している中、生きづらさとか生きにくさを感じてる人がすごく増えてるんじゃないかなと思うです。そんな中、ヴォーカリストとしてmichi.さんが感じていらっしゃることは？

michi.：僕が常日頃思っているこで、 ファンの方々に伝えられる機会があったらよく口にしていることは、“自分ファーストを意識してしてほしい”ってことなんですね。僕自身、人に気を遣っちゃうタイプだからこそ、自分ファーストを心がけるようにしているんです。別に日本特有の和を尊ぶ文化からはみ出す生き方をしてほしいという意味ではなく、自分を大事にして、周りとうまくバランスを取るように柔軟であってほしいなって。心の中で思っている本音とのギャップに苦しむような真面目な方も多いと思うんですが、そういったことなどに罪悪感を持ってほしくないんですよね。自分が生きやすい環境を作るために周りとうまくやっていくことに引け目を感じることはないし、どれだけエコモードに自分を持っていけるか。

──エコモードというのは？

michi.：今の日本は円安もあったり、金銭的にも時間的にも余裕がなくなってる時代にもう突入していると思うんですよ。そんな中、いかに自分を甘やかせられるか。要は自分のパーソナリティが壊れない状況を作れるように、ということなんですけど。なぜ、こういうことを言うかというと、この1〜2年、自分が本当に壊れてしまうんじゃないか？っていう経験をしてきたからなんです。どれだけいい格好しても、自分が壊れてしまったら自分にもプラスにならないし、周りにもプラスにもならない。 頑張ってもどうしようもないことってあるんですよね。そういう時は、じゃあどうするかって言ったら、頑張ってるふりしてサボるしかないんですよ。


──頑張っているフリ？

michi.：はい。あからさまにサボると、気持ちをわかってくれる人って少ないんですよね。例えば会社員が心の病にかかったら休職という方法がありますけど、それすらまだまだ社会的に偏見や理解不足がある。それに僕らの仕事って休職できないじゃないですか。イコール活動休止だから、すべてを止めざるを得ないし、復帰が難しい。僕は自分のペースで活動することに気づけたけれど、アーティストに限らず、疲れたりすり減った時には自分を甘やかしたほうがもっと楽に生きられるんじゃないかなって。パーソナリティの危機に直面したら、そういうテクニックを身につけておいて欲しいなと思います。周りから見たら頑張っているように見えても、実は上手に力を抜いて自分をキープするっていう。本当に無理はしないでほしいです。

──「時にはサボっていいんだよ」「頑張らなくていいんだよ」って言ってくれる人がいたらいいですけどね。

michi.：そうですね。悩んだ時に自分の気持ちを話せる友達がいなかったり、愚痴って発散できる場がないのであれば、専門家のところでカウンセリングを受けたり、頼ってほしいと思います。

──シンガーとして、悩んでいたり、孤独に苛まれたりしている方たちをどんな気持ちにさせられたらいいなと思っていますか？

michi.：僕がなぜ今も元気に歌い続けていられるかというと、応援してくださる方々がいるからなので、ファンの方々はご自身を誇りに思ってほしいです。“michi.すごく楽しそうに歌ってる。いい歌うたってる。それは私のおかげなんだぞ”って。

──サーバントと魔王の関係だけど。

michi.：悪徳国王じゃないので大丈夫です（笑）。国民に寄り添っているので。

取材・文◎山本弘子
撮影◎小池和正／河井彩美(ライヴ)



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