【インタビュー】お風呂でピーナッツ、イメージしたのは昭和レトロな歌謡曲「'80年代に僕たちが新曲をリリースしたら」

■'80年代の曲ってすごくキャッチー
■“演じられる”みたいなことが楽しかった

──こういう曲調、またやってほしいですね。すごく似合っているので。樋口さんも、新しい服を手入れたみたいな感じじゃないですか。

樋口：これ、本当に歌うのが楽しいんですよね。やっぱり、普段歌っている曲がすごく難しいんですよ（笑）。それこそ「秋」とか、本当に難しい。でも「秋」は、半分自分でメロディを書いてるから。

──自分のせいでもある（笑）。

樋口：'80年代の曲って、すごくキャッチーじゃないですか。カラオケで映える曲だと思うんですよ。そういうジャンルの曲を歌うことができて、本当に、新しい服を買った気持ちです。それと、ちょっと演じられるみたいなことが、楽しかったですね。私のルーツとして、ティーンエイジャーの時に一番影響を受けたのが椎名林檎さんで、やっぱりあの方は役者だなと思うし、私たちは彼女の素を一回も見たことがないと思うんですよ。全部計算済みだと思っているので、私の解釈的には。特に東京事変にどっぷり浸かっていたんですけど、本当に一曲一曲演じるように歌声を使い分けていて、それに憧れて育ったので、おそれ多いけど、同じように歌で演じ分けることができたのは、すごく楽しかったですね。

──樋口さんが歌う「丸の内サディスティック」、素敵でしたよ。この間SNSにアップしてましたよね。歌い慣れてるだけあって、自分のものになっている。

樋口：「丸の内サディスティック」は、カラオケで最初に入れて、喉の調子を確認する曲です（笑）。


──「エンドレス」もカラオケに入りますから。みんなで歌いましょう。

若林：これがカラオケに入るのは嬉しいな。これなら歌えそう（笑）。

樋口：MVは、この世に疲れたOLが一人で仕事後にカラオケに行って、ビールジョッキ片手に歌って、歌の世界にハマりきってストレス発散する、みたいなコンセプトで作ったんですよね。カラオケシーンと、歌番組っぽく見立てたシーンがあって、ガチガチに'80年代っぽい髪型にしてもらって歌ってるんですけど。だから彼女の頭の中では、カラオケで歌ってる時は、もうその歌手になってるんですよ。普段の喧騒から逃れて、でも終わった瞬間に引き戻されちゃう、みたいなものがやりたくて。それをカラオケで実際に歌えるのは、すごく嬉しいです。

──「エンドレス」を作ったことによって、もっと広がっていけるんじゃないかと思います。お風呂でピーナッツの世界観が。

若林：たぶん可弥子もそうだと思うんですけど、あんまり型みたいなものを作りたくないんですよ。その時に作りたいものとか、興味あるものとか、その都度変わっていくほうが自然なのかな？と思っているので。毎回面白がってもらえるのがありがたいので、毎回違うことをやっていきたいんですよね、これからも。


──楽しみにしています。そして、2024年1月6日には、待望のライブがあります。

若林：自主企画を、東京・青山の月見ル君想フでやります。自分がめっちゃ好きなアーティストに集まってもらって、4組でライブします。今回呼んでいるアーティストが、北村蕗ちゃんと、S.A.R.という硬派なR&Bをやってるバンドと、Kahmai Leonというバンド。ジャンル感はぐちゃぐちゃなんですけど、全員ひたすらカッコいい音楽をやっているという共通項だけで、お客さんにとっても、あんまり聴いたことがないようなイベントになったらいいなと思っていて、“この人知らなかったけどめっちゃカッコいいわ”みたいな、そういう出会いがいっぱいあるようなイベントになったらいいなと思います。

樋口：今から緊張してます（笑）。でも楽しみですね。

若林：年に一回の自主企画で、自分たちの現在地の定点観測じゃないですけど、演奏レベルも去年とは違うなというところがわかったりもするし、 お客さんも去年より来てほしいなという気持ちがあります。会場も去年よりちょっと大きくなっているので、楽しみです。よろしくお願いします。

取材・文◎宮本英夫




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