【インタビュー】SOPHIA 松岡充が語る、18年ぶりの<獅子に翼>「やり切ったときに初めて進むべき未来が見つけられる」
■昨年の9年ぶりSOPHIA復活
■その総まとめが<獅子に翼V>
──ところで、<獅子に翼>というライブシリーズのタイトルは、松岡さんが命名されたんですよね。
松岡:はい。中国の古語で、“地上最強の獅子が翼を持つことによって、天空でも力を発揮し、すべての世界を支配する”という。強いものがさらに強い力を持つという意味で、そんな願いを当時のSOPHIAに込めてつけました。強いものがさらに最強になる。見渡す限り、見える景色すべての空間がSOPHIAで埋まっているということを感じたくて。だからこれまで野外でやってきたんです。
──そもそも<獅子に翼>を始めたきっかけはなんだったんですか?
松岡:流行りですかね(笑)。当時流行ってたんですよ。アーティストがデカい野外でやる単独フェスみたいなものが。明確には憶えてないですけど、それでたぶん「デカいライブをやろう」みたいな話が出て、<獅子に翼>の構想を考えて。当時は、オリンピックみたいに4年に1回やれたら、というぐらいの感覚だったと思います。その間にいろいろなテーマでいろいろな作品をリリースしていって。そこで見えたものを背負いながら、その最強バージョンを一回やる。で、そこでそれとはさよなら。一度オフの状態にして、次の未来に行くというのが<獅子に翼>なんです。だから、その覚悟がないとできないライブなんですよ。
──位置づけとしては、大きな意味を持つライブですね。
松岡:未来につながるチャレンジです。集大成とかまとめとかではなく。思い返すと、未知なところに行くとき、いつも<獅子に翼>があったから。今この現状があるなかで、“さあ、ここからお前たちはどうするんだ?”と自分自身に投げかけることが、<獅子に翼>をやる最大の意義です。
──過去に開催してきた<獅子に翼>もそうだった?
松岡:はい。振り返ってみるとそうでしたね。ケリをつけるというのかな。だから、過去の<獅子に翼>をなぞるだけでは意味がない。そもそも、今までやってきた<獅子に翼>は4回ともコンセプトが違うし。それは、そういうことなんです。そんな気持ちがありつつ、「ベスト的なライブ」と言ったほうが、結局はプロモーション的にスムーズだから、そうしてましたけどね。でも、僕の心の奥底にはそういう気持ちがありました。
──<獅子に翼V>は前回の<獅子に翼IV>から実に18年。バンドとしても9年間の活動休止期間を経ての開催となります。
松岡:僕のなかでは昨年の9年ぶりのSOPHIA復活、その総まとめが<獅子に翼V>だと思ってます。復活したSOPHIAの未来があるとするならば、この<獅子に翼V>をやり切らないと、その未来が見えないと思っているので。だから開催を決めたんです。復活したSOPHIAが、どこに向かうべきか。そこは自分たちでも、今探している最中だと思ってるんですね。日本武道館で復活し、大阪城ホールで地元に挨拶をするということはできた。そして、<獅子に翼V>をやり切ったときに初めて自分たちのこれから先に進むべき未来が見つけられるんじゃないか。そういう期待を持って、今挑んでいます。
──ということは、今まで開催してきた<獅子に翼>とは…。
松岡:そう、覚悟が違います。どの<獅子に翼>よりも大きなものが必要だと思ってますから。“もうないかもしれない”とまで思っていたSOPHIA復活があって。その復活ができたからこそ、活動休止前にやりたかったけどできなかった<獅子に翼>がやっとやれる。活動休止ライブの最後に届けたメッセージを今実現してこそ、ようやく次が見えるかもしれないというドキドキ感があるので。そういう意味でも、今までのどのライブ、どの<獅子に翼>よりも覚悟が大きいと思ってます。
──<獅子に翼V>当日をどんな風に楽しんでもらいたいと思っていますか?
松岡:簡単な言葉でいうと、鮮度命。この場所でしかないこと、この瞬間でしかないことの塊を届けます。もちろんWOWOWの後日放送や、もしかしたら今後映像作品とかになって観てもらえるかもしれないけど、明らかに“この瞬間でしか共有できなかったよね”って思ってもらえるライブにしようとしてるので。その瞬間のコネクトを感じてほしい。結成以来、とにかくライブをずっとやってきたバンドなので、“SOPHIA=ライブバンドだぜ”って思ってもらえるでしょうし、“ライブってこういうことだぜ”っていうのが観られるライブをするので、ぜひ当日参加してください。
◆ ◆ ◆
【メンバー5人から、<獅子に翼V>に向けてメッセージ】
「完成したばかりのKアリーナ横浜。最初にこの会場の壁に、空気に、刻み込むシャウト。俺たちと一緒に叫んでみませんか? みなさん、お待ちしております」──松岡充(Vo)
「いまだにオリジナルメンバーでライブができる喜びや感謝の気持ちを、最高のプレイとパフォーマンスで表現したいと思います」──豊田和貴(G)
「俺が、今一番楽しみにしております。みなさんも楽しみにしててください」──黒柳能生(B)
「僕たちにこのような場所を与えてくださって、ありがとうございます」──赤松芳朋(Dr)
「10月9日、<獅子に翼V>。喜びしかないので、最高の1日にしましょう」──都 啓一(Key)
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取材・文◎東條祥恵
撮影◎小松陽祐 (ODD JOB LTD.:Kアリーナ横浜)/福岡諒祠 (GEKKO)
■特集『SOPHIA WOWOW Special “獅子に翼”』ラインナップ
【『SOPHIA Special Program “ 獅子に翼”』】
▼放送日時
・10月9日(月/祝)午後3:00
▼放送局
[WOWOWライブ] [WOWOWオンデマンド]
※WOWOWオンデマンドで11月8日(水)午後11:59までアーカイブ配信中
▼放送内容
活動再開したSOPHIAが節目ごとに行なってきたライブ<獅子に翼>シリーズの振り返りに加え、10月9日に生中継するSOPHIAの最新ライブ<獅子に翼 V>に向けて、その見どころインタビュー等で構成されるWOWOWオリジナル特別番組を独占放送/配信する。
1999年の最初の<獅子に翼>以来、バンドの節目ごとに行なってきた伝説の大型ライブシリーズ、通称“シシツバ”の開催は今回実に18年ぶり。番組では“シシツバ”の貴重な過去のライブ映像を織り込みつつ、メンバーインタビューによって、当時のエピソードや最新ライブに懸ける想いを掘り下げる“SOPHIA特集”のプロローグ番組。
【『生中継!SOPHIA LIVE 2023 獅子に翼 V』】
▼放送日時
・10月9日(月/祝)午後4:00
▼放送局
[WOWOWライブ] [WOWOWオンデマンド]
※生中継終了後、準備出来次第、WOWOWオンデマンドで1ヵ月間アーカイブ配信あり
▼放送内容
5回目にして初の屋内開催となるプレミアムな<獅子に翼>最新公演は2022年に9年の時を経て活動再開したSOPHIAの最新ライブ。2022年10月の日本武道館公演は完売。 2023年1月に大阪城ホールでの地元凱旋ライブを成功させ、3月には MTVプロデュースによる 2Daysライブを実施。次なる活動が待たれる中、 SOPHIAns(SOPHIAファンの総称)に届いた吉報がこの<獅子に翼 V>だった。
<獅子に翼>は1999年に自身初の大規模野外コンサートとして初回を開催。そして2005年、デビュー10周年を記念して埼玉・西武ドームで行なった<獅子に翼 IV>以来、実に18年ぶりの開催となる。
<獅子に翼>は活動休止前、SOPHIA15周年のタイミングで開催が予定されていたものの、都啓一(Key)の病気療養により、やむなく中止に。都の復帰後も<獅子に翼>のリベンジは叶わぬままバンドは活動休止へ。 そして2023年ついにSOPHIAnsとの約束が果たされる<獅子に翼 V>は9月に開業を迎えるKアリーナ横浜で開催される。
収録日:2023年10月9日
収録場所:神奈川・Kアリーナ横浜
【『SOPHIA LIVE 2001 獅子に翼 II ~時計の針に追いついたチンパンジー』】
▼放送日時
・11月3日(金/祝)午後8:00
▼放送局
[WOWOWライブ] [WOWOWオンデマンド]
※放送終了後~WOWOWオンデマンドで1ヵ月間アーカイブ配信あり
▼放送内容
2001年7月20日、デビュー5周年を経て<獅子に翼 II>が開催された。地元大阪、灼熱の万博記念公園お祭り広場に、そびえ立つ太陽の塔に向き合う形で組まれた印象的なステージセット。日本全国はもとより海外からも詰め掛けたSOPHIAnsが手にしたヒマワリを揺らし、大空の下に“花畑”が出現する情景は圧巻。青空がやがて夕焼けへと移りゆく光の変化も演出の一部となり、野外ならではのシーンを描きだした。
同年3月にオリジナルアルバム『進化論』を発表、「進化論 -GOOD MORNING! HELLO! 21st CENTURY-」「STRAWBERRY&LION」など4枚のシングルをリリースするなど、精力的な活動を行なっていた21世紀幕開けの年の記念碑的ライブを放送/配信。
収録日:2001年7月20日
収録場所:大阪・万博記念公園お祭り広場
【『SOPHIA 10th ANNIVERSARY LIVE 2005 獅子に翼 IV』】
▼放送日時/放送局
12月放送/配信予定
※放送終了後、WOWOWオンデマンドで1ヵ月間アーカイブ配信あり
▼放送内容
2005年8月、デビュー10周年を記念して埼玉・インボイスSEIBUドーム(当時名称)で開催された<獅子に翼 IV>。前年2004年には、無料招待制ライブの動員記録を樹立した<獅子に翼 III>をインボイスSEIBUドームで開催しており、2年連続2度目のドーム公演となった。
5人全員でフロートに乗り込んでアリーナを回りながら歌唱・演奏する場面では、メンバーの弾けるような笑顔が。ファンとの一体感やお祭りムードだけでなく、10周年の集大成ライブに相応しい、歴代ライブの演出が随所に。宙づりのパントマイムのパフォーマンス、松岡充(Vo)が椅子に座り朗読するような演出でアカペラを響かせるなど、演劇的な表現も織り交ぜた公演は、同年11月からスタートした“演劇と映像と音楽”をひとつのステージに融合させた新機軸となるツアーにつながるような、バンドが新たな未来へと一歩を踏み出したライブを放送/配信。
収録日:2005年8月7日
収録場所:埼玉・インボイスSEIBUドーム
【関連番組『SOPHIA LIVE 2022“SOPHIA” -Special Edition-』】
▼放送日時
・10月8日(日)午前0:15
▼放送局
[WOWOWライブ] [WOWOWオンデマンド]
※WOWOWオンデマンドで1ヵ月間アーカイブ配信あり
収録日:2022年10月11日
収録場所:東京・日本武道館
■伝説のライブシリーズ<SOPHIA LIVE 2023 ”獅子に翼 V”>
open16:00 / start17:00
https://k-arena.com/
関連リンク
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