【インタビュー】THE FOREVER YOUNG、4年ぶりアルバム『永久に』に両極端「もっと俺たちっぽく。その到達点」

■あなたとともに いきることができて
■とこしえに わたし しあわせでした

──「手紙」もそうですけど、ここ数年、命について考える機会があった思うんです。それはタイトル曲の「永久に」(とこしえに)にも表れているのではないでしょうか？

クニタケ：「手紙」のような出来事もありましたし、頭の中をグルグルと回ってます。誰しもそうだと思うんですけど、たとえば僕らだったら、ツアーに出て、今東京でこういう取材の時間があるわけで、そういう生活の中で、地元に残してきた誰かと約束した「じゃあまたね」みたいなことが叶わなくなることもあるだろうなと思ったんですよね。

──たしかに。

クニタケ：ライブでも言ってるんですけど、大切な人には、これが最後でも良いように、いっぱい思いを込めたいと思ったんです。一緒に過ごした時間が1分だろうが数時間だろうが関係なくて。僕たちのことを認めてくれた人といられた時間こそが、僕たちの幸せだったことは間違いなくて。「また来てね」とか言いますけど、それが簡単に叶わないだろうなと思うこともあるので。

──“とこしえに”という言葉は日常生活ではあまり使いませんが、どんなきっかけで出てきた言葉ですか？

クニタケ：僕は地元の図書館でたまに本を読むんですけど、そこで特攻隊の方々の恋文の詩集を初めて見たんです。特攻隊の方々は中学生ぐらいの年齢で、女の子から送られた手紙が、飛行機の中から見つかったり。その頃、“私も連れて行って”みたいな意味合いで女の子が男の子に自分のぬいぐるみを渡す風習があったそうで、一緒に手紙を渡していたらしいんです。その手紙の最後に昔の言葉で、“あなたとともに いきることができて とこしえに わたし しあわせでした”って、ひらがなで綴られた一文があって。それを見たら涙が溢れ出してきて。

──わかります。

クニタケ：もちろん当時の現実と並べたり比べたりはできないですけど、僕も愛する人のことを思ってますし、ジュンスケが言ったように、ツアーに出るときには“死にたくないな”って思いつつ。“これが最後になるんじゃないか”っていう感覚は年々マジで大きくなっているので。そういうことがリンクして、好きな人には「あなたといれられて良かった」って本気で伝えないといけないなって、なおさら思ったんです。この先僕たちがどうなるかわからないけど、あなたといられた一瞬が永久に宝物だし、繋がっていくんじゃないかっていう気持ち。それが「永久に」という言葉をタイトルにしようと思った理由です。

ナカオ：最後のリリックの“とこしえに 私 幸せでした”っていうところにグッときます。

タカノ：僕らは長距離移動になるツアーが多いので、いつも“生きて帰れますように”って願ってますし、毎日楽しいので死にたくないと思いながら生きてます。

オガワ：最初のほうでも話が出ましたけど、違うタイトルで一回曲が完成していたんです。コロナ禍のライブがない時期、家に籠って結構長い時間をかけて完成したんですけど、結局、それを一回壊して作り直して。“これまでで一番”って言っていいぐらい時間がかかった曲なので、それが完成したというのが本当に嬉しいですね。

──「お蔵入りしたり二転三転したり」ということでしたね。

オガワ：この曲で、アルバムのバランスを取っていった部分もあったと思うんですよね。せっかく綺麗な音で録ったのにグシャグシャにしてみたり。エンジニアの人も笑ってましたけど、僕らはそういうのが好きなんですよ。そういう部分も含めて、自分の想像を超える会心の出来になって、マジで“やったな！”と思いました。

ナカオ：アルバムのリード曲に相応しい曲になりましたよね。4人がこうしたいと思うサウンドに近づけることができたと思います。

タカノ：ノイズの感じとか含め、音のことはすごく考えて。結果、上手くいったと思います。


──全国ツアー＜FOREVER YOUTH TOUR 2023 ～とこしえに～＞が、8月12日の地元・福岡 Queblickワンマンからスタートします。それぞれ意気込みをお願いします。

ナカオ：フルアルバムリリース後の長いツアーになるので、まずは安全運転で生きて帰って来ることと。それと、1本1本しっかりと意味を持たせた良いライブにしたいです。ツアーファイナルは10月8日の福岡・久留米石橋文化ホールっていうめちゃくちゃ大きい会場なので、気合いを入れていきたいと思います。

タカノ：とにかく楽しみます。頑張ります。

オガワ：ライブが絶対楽しい曲が多いアルバムですし、それを組み込んだ新旧のセットリストを楽しみにしててください。

クニタケ：みんなでワチャワチャできるライブは僕たちの十八番だし、“THE FOREVER YOUNGのライブが今一番楽しい”って思わせる自信があります。来れるところだけでも全通でもいいので、ぜひ来てください。お待ちしています。

取材・文◎岡本貴之




◆インタビュー【２】へ戻る
◆インタビュー【１】へ戻る