【インタビュー】THE FOREVER YOUNG、4年ぶりアルバム『永久に』に両極端「もっと俺たちっぽく。その到達点」

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■まさか一生心に残るだろう曲を
■自分のバンドでカバーするとは


──“いいヤツぶるの 面倒くせー”と歌う「メンドクセー」は、先ほどからクニタケさんが言っていることがストレートに出てますね。

クニタケ:たとえば「STAND BY ME FOREVER」とか「WHY DON'T YOU KNOW」のように、真面目な歌詞を考えるほうが難しくて、今までやってこなかったこういうヘイト感満載の曲のほうがボンボン言葉が出るというか。“もっと悪口言ってやろう”みたいに、フィルターなしの自然体でぶちまけてる感じですね。

──「3分」は、某バンドの有名曲を思わせるイントロから始まります。ポップな曲ですけど、後半でオガワさんの掛け声とともに急にテンポが速くなりますね。これはライブ録音ですか?

クニタケ:スタジオ一発録りで、曲タイトルどおり3分に尺を合わせようと。もともとゆっくりなところだけで終わるはずだったんですけど、サン(オガワ)が「速いのをもう一回やったら良いんじゃない?」ってアイデアを出したんです。

オガワ:最初は、僕がワーワー言うところの前で終わるはずだったんですけど、もっとライブでワチャワチャしたいから、倍速でも面白いだろうと後半を付け足しました。


▲タカノジュンスケ(G)

──攻撃的な曲や新境地的な曲の一方で、THE FOREVER YOUNGの真骨頂ともいえる、熱いメロディと泣かせる歌詞も光っています。まず、カバー曲「幻」について教えてもらえますか?

クニタケ:原曲は、僕らが所属しているSTEP UP RECORDSにかつて在籍していて、2009年9月に解散してしまったSWEEFが2009年3月に限定リリースした曲です。ライブで大阪に行ったとき、ジャケットに日高(Vo)さんと女性が写ってる販売元限定CDをTIME BOMB RECORDSというショップで見つけて買ったんですけど。ライブ後、福岡へ帰る車内で聴いたら、そのときの自分とリンクして、「幻」だけを本当に7時間ぐらいリピートし続けましたね。それくらい素晴らしい、恋愛のことを歌った曲で。再び大阪へライブで行ったとき、友だちにあげようと思ってTIME BOMB RECORDSでCDを買って。また7時間聴きながら福岡へ帰ったんですよね。僕らはツアーのときにいつも会場BGMを作るんですけど、1曲目には必ず「幻」を入れています。

──相当思い入れのある曲なんですね。

クニタケ:もちろん恋愛の曲がそのときの自分とリンクして、曲に心臓を鷲掴みにされる経験ってみんなにもあると思うんです。だけど、ちょっと次元が違うというか。生々しくて、サウンドも素敵で、僕の全部を鷲掴みにされた。もともと好きなバンドだったんですけど、「幻」を聴いたことによって、永遠になったというか。今でも、聴けば初めて聴いたときの気持ちが鮮明に蘇るし、歌詞の心情に今でもリンクできる。そういう曲を今回、レーベルオーナーのRYOSUKEさんやメンバーと話し合ってカバーしたんです。まさか一生心に残るだろう曲を、自分のバンドでカバーすることになるとは。夢にも思わなかったことが叶った感じです。

──クニタケさん以外のメンバーさんも好きな曲だったんですか?

クニタケ:(タカノ)ジュンスケがサポートだったとき、「この曲、マジでヤバいよ」って車の中で聴かせたら、「ああ、ヤバいヤバい。もう聴きたくない。一人で聴かせてください」って言ってたから。

タカノ:僕もフラれたぐらいのときに聴いたので、気持ちがリンクしたんです。カバーできて嬉しいですし、ライブでもたくさん演奏したい。

オガワ:ツアーの長距離移動でクニちゃんが車を運転するときは、もう一生流れたので。嫌でも耳に残るというか、爆音でずっと流れて続けてるから寝れないんですよ(笑)。今みたいにサブスクで手軽に聴けるわけじゃなくて、買ったCDを延々聴いている環境だったので、余計に愛着も湧きましたし。

ナカオ:最初に聴いたとき、クニさんに「何ていう曲ですか?」って訊いたら、SWEEFの「幻」だって教えてくれると同時に、「イヤホンつけて爆音で聴け」って言われて(笑)。めちゃくちゃ良い曲だなって。


▲ナカオタイスケ(G)

クニタケ:今回のレコーディングエンジニアの山下さんは、原曲をレコーディングした方でもあるんですよ。僕が泣きながらレコーディングしたら、「リスペクトが過ぎる」って言われたんですけど(笑)。以前のバンドでは「幻」にインスピレーションを受けた日本語の曲をやってて、その頃によくRYOSUKEさんやSWEEF関係者の方から、「日高と声が似てる」って言ってもらってたんです。自分では似てるわけないと思っていたんですけど、録音した音を聴いてみたら、すごく似ていて。それが自分でもめっちゃ嬉しかった。

タカノ:本当にめっちゃ似てるんですよ、ビックリしました。SWEEFの「幻」はギターを1本でやっているので、僕らは片方をまるっとカバーして、もう1本でどう味を出すかは、すごく考えました。

ナカオ:最初に聴いたときからTHE FOREVER YOUNGっぽい曲だなっていう印象だったし、オリジナルと並べて聴いたときに、あまりカバーという気もしなかったんですよね。ライブでやるからには僕らのものとして届けたいと思っています。

オガワ:もともと完成された曲なので、新たなアレンジをしようって考えは全然なくて、もうそのまんまっていうか。


──「手紙」はMVも公開されていますが、これは誰かに宛てた曲なのでしょうか?

クニタケ:優しくしてくれた先輩が去年亡くなって、その人に向けて手紙を書いたような曲です。その先輩もバンドをやってて、飲みに連れて行ってくれたりしていたんですね。僕らのライブがあるときに黙ってフラッと来てくれたりして。「クニちゃん、この曲マジで自信持っていいよ」とか、そういうことを言ってくれたんです。なので、みんなでいっぱい歌う曲にしたいなと思って書きました。

オガワ:クニちゃんらしい良い曲になったなと思いますね、「手紙」は。アルバムには攻撃的な曲も多いんですけど、こういう曲もクニちゃんの一面というか。サビのメロディの綺麗さとか歌詞に純粋さが出ていると思います。

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