【インタビュー】THE FOREVER YOUNG、“エバヤン節”全開のポジティブなエネルギーに満ちたメッセージソング「君を輝かせて/もういっかい」
THE FOREVER YOUNGが、5月25日に2曲の配信シングル「君を輝かせて/もういっかい」をリリース。「君を輝かせて」は、『餃子の雪松』のCMソング。一方の「もういっかい」は、地元・福岡県にあるスポーツジム「ワン・ツウ・スポーツクラブ中央」のイメージソングという、共に初めてタイアップ曲として書き下した楽曲だ。だからといって、決してブレたりしないのがTHE FOREVER YOUNG。それぞれ“エバヤン節”全開のポジティブなエネルギーに満ちたメッセージソングになっている。昇り調子にあるバンドらしいエピソードを含め、今作についてメンバー全員に語ってもらった。また、暗い話題が多い世の中に於いてTHE FOREVER YOUNGはどんな姿勢でライブを届けようとしているのか聞かせてもらった。
■ゴリゴリの青春パンクみたいな曲でやったら面白いねということで
■“俺ら節”をゴリゴリに出すのが正解だなっていう答えが出ました
――今回の配信シングル2曲を聴くと、バンドの絶好調ぶりが伺えますが、ご自分たちではいかがですか?
クニタケヒロキ/Vo.Ba(以下、クニタケ):去年タイスケが正式メンバーとして加入して、ミニアルバム『証』をリリースした流れもあって、動きとしては好調な感じはあるなというのは自分たちでも思うところはありますね。
オガワリョウタ/Dr.Cho(以下、オガワ):『証』をリリースしたときにタイスケが入ってから今回は2作目になるんですけど、あのときは正式メンバーとして初めてのリリースツアーもあって、たぶん緊張もあったと思うんです。そのツアーを経て制作を含めて活動してきて、6月にはこのメンバーで2回目のツアーになるので、良い感じになってきているかなと思います。
ナカオタイスケ/Gt.Cho(以下、ナカオ):僕は昨年8月まではサポートメンバーだったので、“サポートでギターを弾かせてもらっている”という感じだったんです。昨年正式メンバーになってツアーも回って、今作の制作に入るときに、自分もTHE FOREVER YOUNGの一員として、“今までのサポートとは違うぞ”という意識を持って取り組みました。
――絶好調ですか?
ナカオ:絶好調です(笑)。
――タカノさんはいかがですか?
タカノジュンスケ/Gt.Cho(以下、タカノ):絶好調です(笑)。全体的に仕上がってます。
――「君を輝かせて」は『餃子の雪松』のCMソング用に書き下ろした楽曲ということですが、どんな経緯で決まったタイアップなんですか。
クニタケ:『餃子の雪松』は、創業昭和十五年、群馬水上にある餃子の名店で、全国で無人販売を展開している事でも有名です。そこからTHE FOREVER YOUNGに依頼が来たんですけど、タイアップってやったことがなかったので、制作は不思議な感じでした。ただ、歌詞でも雪松の名前は出しているんですけど、そればかりの歌じゃないというか。ワードは入れているんですけど、それに引っ張られていない内容になっているんじゃないかなと思っています。
――シンガロングできる短い曲で、すごくTHE FOREVER YOUNGらしいと思いました。
クニタケ:そうですね。曲は短く作ろうと思ったわけではないんですけど、最初に話が来たときに、地上波でCMが流れることを聞いて。だったら、ゴリゴリの青春パンクみたいな曲でやったら逆に面白いねということで、こういう出来栄えになったんです。最初は餃子のお店の曲ってどうしたらいいんだろうって思いましたけど(笑)、こういう曲で押し通したらどうなるのかな?という気持ちもあって。食品とか飲食店のタイアップをやっているアーティストの曲を聴くと、結構寄せている場合も多いので。どっちが良いのか考えた結果、“俺ら節”をゴリゴリに出したら、それが正解だなっていう答えが出ました。
――ところで、『餃子の雪松』はみなさんにとって馴染み深いお店なんですか。
オガワ:いや、これまで馴染みはなかったです。
クニタケ:馴染みはなかったんですけど、引きが強いというか。全国にお店はあるんですけど近場にはなくて、レコーディングするまでは、食べたことがなかったんです。でも、東京でレコーディングして帰ってきて、地元の久留米インターを降りたら、「雪松できとうやん!?」ってなったんですよ。
――新しくお店が出来てたんですか?
クニタケ:そうなんですよ。レコーディング終わって帰ってきたら出来てたんですよ。
▲クニタケ ヒロキ
――そんなことってあります(笑)?
クニタケ:いや、本当なんですよ(笑)。それで、「君を輝かせて」というタイトルを付けたぐらいの日に、僕の地元の小郡にも店が出来ていて。「ここにも雪松できとうやん!」って。これは引きが強いな、というか(笑)。
オガワ:根回ししたんじゃない?「あそこに住んどるけ、作ろうや」って。
クニタケ:「喜ばせてやろう」って?逆に嬉しいわ(笑)。
――なるほど、それだけ全国にバーッとお店ができているということですね。それは今のTHE FOREVER YOUNGの勢いとリンクしている感じですね。
クニタケ:そうだったら嬉しいですね。
――ギタリストのお2人は、「君を輝かせて」のギターはどうやって作ったのでしょうか。
タカノ:この曲はタイスケと2人で案を出し合って、お互いの良いとこ取りで作った感じです。
ナカオ:さっきクニさんが言ったように、エバヤン節全開の青春パンクなので、ギターで細かい難しいことをするよりも、伝わりやすいように直球サウンドでやった方がカッコよくなるなというのが僕はありました。そこにジュンスケ君が良い感じにギターの飾りをつけてくれた感じです。
――正式メンバーとして活動してきた中で、ギターのコンビネーションが変わった部分ってありますか?
ナカオ:前は僕自身もサポートでやっていたこともあって、初めての曲づくりのときも、どういうギターが求められているのかなっていう気持ちがあったんです。それを経て、1回目よりもエバヤン節というか、僕とジュンスケ君で考えるギターが安定してきたというか。今回の方がだんだん仕上がってきているなというのは感じました。
▲オガワ リョウタ
――オガワさんは「君を輝かせて」をどんな気持ちで制作しましたか。
オガワ:もともと、僕たちの作る曲って無から作るというか、基本はクニちゃんが考えているメロディや歌詞の1つのことから、バンドでどんどん膨らませていくような作り方がほとんどなんです。今回は『餃子の雪松』のタイアップ曲を作ってくださいという初めてのことだったんですけど、だからといって「エバヤン、タイアップの曲を作りました」みたいなのが僕は嫌だったので、そこは自分たちのやりたいようにやるというか。シンガロングに自分たちの良さが出ているし、その中でもメロディの温かみを上手く表現できて、それでタイアップ曲として完成できたので、すごく満足感があります。
――温かみという意味では、アーティスト写真やトレイラー映像も家庭的な感じですごく良いですよね。小さな女の子と共演していますけど、このときの様子を聞かせてもらえますか?
クニタケ:いやあ、とくに面白いエピソードはなさそうです。
一同:(笑)。
クニタケ:「美味しい?」とかしか話せてないです。「かわいいなあ、親になったらこういう気持ちなのかな」って思いながら。
――いつもと違うTHE FOREVER YOUNGという感じがしますが。
クニタケ:これは、素ですね。頑張って笑顔を作ってる素じゃないやつもいるんですけど(笑)。オガワさんが頑張って笑顔を作っていると思います。十数年、こういう表情を見たことがないので。
オガワ:サイコパスですね。
――怖いですよ(笑)。子役の方とは仲良くなれましたか?
オガワ:いやあ、なかなか打ち解けられなかったですね。小学生高学年なので、年頃の女の子じゃないですか?僕たちももう、おじさんなので(笑)。でも、なんとか頑張ろうと思ったんですよ。「学校でなにしてる?」とか流行ってるものを聞こうと思ったんですけど、難しかったですね。
ナカオ:全部、「わかんない」って言われました(笑)。
――クニタケさんがBlack Flag 『My War』のジャケTシャツを着てたのがまずかったんじゃないでしょうか。
クニタケ:そうですか?やっぱりプリキュアとかのTシャツが良かったですかね。
――その方が怖い(笑)。みなさん家庭的な服装をしているのに、敢えてのBlack Flag?
クニタケ:敢えてですね。そこは特に何も触れられなかったです(笑)。
――実際に、ご自分たちの曲がCMから流れてきたときはどう思いました?
クニタケ:最初に、ジュンスケがパソコンで作ったプリプロに、半分出来上がっている映像を乗せてもらったんです。その映像は、女の子が走って家に帰って餃子ができるのを楽しみにしているという内容で。それを見た時点で結構ヤバいなと思ったんですけど、出来上がったのを見て、めっちゃエモくなって号泣してしまったんです。ジュンスケが録ってくれたプリプロに仮に映像を乗せていたときから1つ決めていたことがあって。僕たちはいわゆる青春パンクという音楽をやっていて、サン(オガワリョウタ)とか同世代のやつらって、青春パンクが流行っていてクラスのみんながめっちゃ聴いてるような時代だったんです。それが今、何周かしていて、僕らと同世代のやつらが今は違う音楽を聴いている中でテレビを見ていて、僕らの曲が流れてきたときに「あれ?なんか聴いたことあるようなサウンドだな?」って、子どもと飯を食いながらグッと来てくれたら、マジで最高やなと思って。子どもの頃に家族団欒で飯を食うときなんて一瞬だなと思うんです。僕らはまだ子どもはいないんですけど、もし親になったら子どもと飯を食う時間って一瞬だなって思ったらすごく儚いし、「うわっエモ!」と思って、1人で酒を飲みながら観てずっと泣いてました(笑)。
オガワ:僕は、プリプロを使って1回映像と仮組みしてもらったときに、結構衝撃的でした。「うわっこれよく見るCMのやつだ」って、まんま映像に曲が当てはまったので。全然違和感はなかったし、すごく良かったです。
タカノ:曲に映像を乗せたものを最初に見たときは、ばあちゃんとかに見せたいなって思いました。
ナカノ:友だちとか、久しぶりに会った対バンの先輩とかが、「CMで流れているの見たよ」って言ってくれるのはすごく嬉しいですね。
――餃子とロックバンドというと、大阪のバンド・PANが「餃子の王将」とのコラボで「ギョウザ食べチャイナ」という曲を出したことがありましたけど。
クニタケ:そうですね、先輩です。そのときのリリースツアーに僕らは呼ばれたんですよ。それもあったので、今回はそっちに振られないようになるべく断ち切っていました(笑)。
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