【ライブレポート】クワイエット・ライオット、このバンドを存続し続ける意味
近年は1980年代に活躍したメタルバンドが再始動し、勢力的にツアーをしている様をSNSでもよく見るようになった。このクワイエット・ライオットも全盛期のメンバーはルディ・サーゾ(B)のみではあるが、現在『Metal Health』アルバム40周年ツアーを遂行中。他メンバーも過去に在籍したアレックス・グロッシ(G)、ジョニー・ケリー(Dr)、そしてジジー・パール(Vo)となっている。
ルディ・サーゾは、『Metal Health』アルバムのラインナップメンバーのひとりであり、1,000万枚以上のセールスを記録し、それに続く『Condition Critical』でもベースを弾いている。バンドを離れてからは、オジー・オズボーン、ホワイトスネイク、ディオ等でも活躍、MTV時代には数多くの有名なミュージック・ビデオに出演し、その個性的なプレイスタイルは実に刺激的だった。そんなルディが長い時を経て数年前にバンドに復帰、そもそもクワイエット・ライオット自体も何度も解散しているし、他メンバーも脱退や出戻りを繰り返しながらもこのバンドを存続してきた。そこにはどんな思いがあるのだろうかと常々思っていた。
やはりオープニングに「Metal Health」のリフが流れるのはお約束、ステージ上のマーシャルにメタルヘルスマスクを発見!そして「Run for Cover」からジジーが観客を引きつけていく。彼をライブで観るのは初めてで、ラヴ/ヘイトでのキャリアと実力は知っていたとは言え、想像以上にハマっている。ルディは当時から全く変わっていないアグレッシブな動き、年齢を考えると信じられないほどに若々しい。
「Mama Weer All Crazee Now」ではコーラスや手拍子が観客から自然と湧き、「Love's a Bitch」「Thunderbird」「The Wild and the Young」あたり、ヒット曲以外にも良い曲が多いバンドだと再認識する。そして『Metal Health』アルバム40周年でも、よくある曲順をなぞる完全再現なわけではないし、アルバム全曲を演るわけでもない、クワイエット・ライオットの代表的なセットでこれはルディの意図的なものらしいが個人的には賛成だ。
このバンドはランディ・ローズ(G)抜きには語れないところもあるが、亡きランディとフランキー・バネリ(Dr)への思いを込めたオジー・オズボーンの「Crazy Train」も披露された。アレックス(G)のプレイにもランディへの思いを感じられ、この時、このバンドを存続し続ける意味がわかったような気がした。ルディのバンド復帰のきっかけはフランキーであったし、しかし一番長くベーシストを努めたチャック・ライトもいた事で、様々な契約をきちんと守った上でようやく今の活動ができているようだ。
フルセットではなかったものの、「Cum on Feel the Noize」「Metal Health」までアメリカのバンドらしいロックンロールナイトで、決してセルフカヴァーをしているだけでなく今のクワイエット・ライオットを見せてくれた。
文・写真◎Sweeet Rock / Aki
<Quiet Riot ~40Years of Metal Health Tour~>
1.Run for Cover
2.Slick Black Cadillac
3.Mama Weer All Crazee Now
4.Love's a Bitch
5.Thunderbird
6.The Wild and the Young
7.Let's Get Crazy
~Crazy Train~Guitar Solo
8.Cum on Feel the Noize
9.Metal Health(Bang Your Head)
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