【ライヴレポート】Petit Brabancon、全国ツアー開幕「化けの皮、剥がしちまえ!」
Petit Brabanconが7月12日(水)、東京Zepp DiverCityにて全国ツアー<Petit Brabancon Tour 2023「INDENTED BITE MARK」>の初日公演を開催した。オフィシャルからのレポートをお届けする。
◆Petit Brabancon 画像
7月12日(水)に東京Zepp DiverCityにてPetit Brabanconが約3カ月半ぶりのライヴを行なった。これは6月14日に発表したファーストEP『Automata』のリリースに合わせる形で開催する全国ツアー<Petit Brabancon Tour 2023「INDENTED BITE MARK」>の初日にあたるもの。
19時過ぎ、『Automata』のM-1「mind-blow」が流れ始めると同時に大量のスモークが吹き上がり、青い照明が点滅。幻想的というよりも、雲の中で稲光が光っているような光景でもある。
嵐が巻き起こる予兆。その嵐をつかさどる主たちがステージにゆっくりと現われた。antz(G)、高松浩史(B)、yukihiro(Ds)、ミヤ(G)。それぞれの姿がスモークの中から浮かび上がるたび、フロアからでかい歓声が湧き上がる。最後に京(Vo)が姿を現わしたとき、その歓声は絶叫となって会場を揺るがした。
直後、ステージは照明で真っ赤に染まった。ヘヴィなシーケンスが流れる中、京がシャウトをとどろかせ、一気にバンド・サウンドを放射するPetit Brabancon。オープニングからの流れで『Automata』に入っている「孤動」が来るだろう、と構えているオーディエンスも多かったが、Petit Brabanconが1曲目に持ってきたのは新曲。しかもライヴ直前にタイトルが「BATMAN」と決まったばかりの真っ新な新曲である。
重厚にしてキレ味のいいリズムやギター・リフに、シャウトやグロウルも織り交ぜながら攻撃しまくる京。メンバーそれぞれがプレイしながら何度もフロアに鋭い視線を投げかけ、オーディエンスをさらに刺激。コブシや歓声をあげ、興奮でブチ上がっていくオーディエンス。一瞬にして一体化できるコーラスも随所にあり、声を張り上げながら曲やPetit Brabanconとひとつになっていくオーディエンスの姿がフロアに広がる。
「イケるのか!」そう咆哮しながら次の曲へ突入。リズムに合わせハンドクラップも巻き起こり、ヘヴィな曲にパーカッシブな響きも加えながら展開。それでも京は「オマエら、そんなもんか!」と、さらなる爆発や暴発を要求する。そして曲を次々に叩きつける中、こうも叫んだ。「オマエら、今、自由なんだよ! 掛かって来い!!」
コロナ禍の様々な要請も解かれ、フルキャパで声出しも自由になってからの初ワンマンが、Petit Brabanconにとってこの日のライヴでもある。常々、ライヴのために曲を作っている、ライヴをやらなければ作品や曲の持つ本当のパワーや凶暴性が分からない、と発言してきたメンバー。不自由な制限もなくなり、ようやく各曲を晴れの舞台に立たせた格好だ。いわば曲が呼吸を始めたライヴ。
序盤では各曲の手触りを楽しむようにプレイに集中するミヤ、antz、高松、yukihiro。野性味あふれるヘヴィさも、世界に引きずり込む呪術的サウンドも、無機質ともいえる冷酷さも、自由自在に操りながらオーディエンスの気持ちも彼らは支配していった。ステージのセンターに立つ京は、血管を思わせる真っ赤なマイク・シールドを腕に巻き付け、激しい動きでシールドを宙に舞わせながら、言葉を突きつけていく。
音源という形になっている曲がほとんどだが、ライヴとなれば話は別だ。呼吸を始め、新たな生命力も宿らせながら、サウンドや歌詩の言葉ひとつずつが炸裂していく。アルバム『Fetish』やEP『Automata』をすでに全身に染みわたらせていたオーディエンスだが、激しい鼓動や緊張感は治まることがない。各曲が放つ新たな生命力と衝動は、オーディエンス一人ずつを奮い立たせていくばかり。
「オイ、足んねぇよ! 好き放題、暴れてこい!」ライヴ後半、そう叫ぶ京。すると、どうだ。激しさを増していくのはフロアを埋め尽くすオーディエンスだけではない。ミヤ、antz、高松もステージを激しく動き回りながら、プレイでもオーディエンスを挑発し続ける。yukihiroは曲に入り込み、さらに研ぎ澄ませたドラミングを展開。「化けの皮、剥がしちまえ! 掛かって来い!!」
ラスト・ナンバーを叩きつけていくPetit Brabancon。随所から火花が上がり、その煙があたり一面を覆いつくしていく。そんなステージで暴れ狂うようにライヴ・パフォームを決めながら、容赦なくラウドなサウンドをまき散らす5人がいた。
暴動のような60数分間の出来事。曲のレンジの広さを見せつけながらも、常に覚醒させ続けるバンド・サウンドと歌。<Petit Brabancon Tour 2023「INDENTED BITE MARK」>という名のとおり、Petit Brabanconの噛みつき方といい、生々しいほどの傷跡といい、すさまじいライヴとなった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎青木カズロー/尾形隆夫 (尾形隆夫写真事務所)
■<Petit Brabancon Tour 2023「INDENTED BITE MARK」>
open18:00 / start19:00
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
7月13日(木) 愛知・Zepp Nagoya
open18:00 / start19:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
7月17日(祝/月) 大阪 ・Zepp Osaka Bayside
open17:00 / start18:00
(問)SOUND CREATOR 06-6357-4400
7月22日(土) 宮城・SENDAI GIGS
open17:00 / start18:00
(問)ノースロードミュージック仙台 022-256-1000
7月23日(日) 神奈川・KT Zepp Yokohama
open17:00 / start18:00
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
7月29日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
open17:00 / start18:00
(問)キョードー西日本 0570-09-2424
▼チケット
・SSスタンディング(前方エリア/オリジナル特典付き):25,000円 ※税込/整理番号付き/ドリンク代別
・一般スタンディング:8,800円 ※税込/整理番号付き/ドリンク代別
・2階SS指定席(2階席前方エリア/オリジナル特典付き):25,000円 ※税込/ドリンク代別
・2階指定席:8,800円 ※税込/ドリンク代別
一般発売中:https://eplus.jp/pb/
■1st EP「Automata」
【完全限定盤(CD+Blu-ray) 】品番: DCCA-116/117 ¥9,900 (税込) ※CD特殊パッケージ仕様
【一般流通盤(CD)】 品番: DCCA-118 ¥2,200 (税込)
※完全限定盤はMAVERICK STOREもしくはGALAXY BROAD SHOPのみで購入可能商品となります。
※一般流通盤は、TOWER RECORDS(店舗/ONLINE)、ヴィレッジヴァンガード(店舗/ONLINE)、Amazonでも購入可能な商品となります。
<CD収録曲>
01 mind-blow 作曲 : yukihiro
02 孤動 作詩 : 京 作曲 : ミヤ
03 Loser 作詩 : 京 作曲 : antz
04 surely 作詩 : 京 作曲 : yukihiro
05 Common destiny 作詩 : 京 作曲 : antz
06 Miserable 作詩 : 京 作曲 : ミヤ
この記事の関連情報
Petit Brabancon、来春開催対バンシリーズにロットン、スサシ、The BONEZ
【ライヴレポート】Petit Brabancon、全国ツアー<BURST CITY>完遂「腹の中にある汚えやつをすべて吐き出せ!」
Petit Brabancon、来春対バンライヴシリーズ開催+初のフォトブック発売へ
【ライヴレポート】Petit Brabancon、ツアー<BURST CITY>開幕
Petit Brabancon、新EPリリース前夜にオンラインリスニングパーティー開催
【インタビュー】Petit Brabancon、yukihiroが語る2nd EP「ツアーでどうなるのか期待もあるし、緊張感もあります」
【インタビュー】Petit Brabancon、antzが語る2nd EP「このメンバーで似たような曲は…たぶん一生できない」
【インタビュー】Petit Brabancon、高松浩史が語る2nd EP「ライヴでお客さんが踊り狂う様子が目に浮かぶ」
【インタビュー】Petit Brabancon、ミヤが語る2nd EP「進化している。そこは本当にミュージシャン冥利に尽きる」