【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.122「最近のお勧めニューリリースを紹介」

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昨年春にコロナ制限が解除され、今ではこれまで通り普通にライブができるようになり音楽界に活気が戻り、最近シングルやアルバムのニューリリースが目白押し。その中からお気に入りのいくつかを紹介したいと思います。




Blind Channel Pic:Natalia Pastakeda

これまでにも何度かこのコラムで紹介しましたが、昨年12月『Lifestyles of the Sick & Dangerous』でついに日本デビューを果たした本国フィンランドで今最もホットなバンドといえるBlind Channelからニューシングル「Flatline」がリリースになり、ミュージックビデオが公開になりました。

この新曲についてバンドはこう語っています。

「これは俺たちのキャリアの次の章の始まりだ。昨年の130公演のエネルギーをこの1曲につぎ込んだ。そして赤いライトとハードコアパーティでいっぱいのベルリンのレイヴも投げ入れた。この曲はソングライター・デュオのBLYNE(デヴィッド・ゲッタ、ロビン・シュルツなど)と一緒に書いたもので、俺たちが作った中で最もヘヴィなトラックのひとつでもある。なのでこの曲は最初からとってもユニークなんだ。もし君がアップ・ダウンに疲れきってうんざりしてるなら、この曲は君の助けになるかもしれないよ。」

ミュージックビデオを見ると、タイトルのFlatline(平らな線)を表現するように水平にした右腕を反対側の胸に押し当てる振り付けをしていて、この曲聴くたび自分でもこの振り付けをついついやってしまうんですが、ライブで皆で一緒にすると盛り上がりそうです。ツインヴォーカルの一人ヨエル・ホッカは振り付けのある初めてのメタルバンドだとフィンランドのメディアで語っていましたが、確かにそうかもしれませんね。

Blind Channelは3月1日スウェーデンのストックホルムを皮切りに3ヶ月に及ぶヨーロッパと北米ツアーがスタート!その前にヘルシンキのTavastiaクラブにソーシャルメディアで当選した50組を招待してリハーサルも兼ねたプライベートライブを行い、このニューシングルを初披露!振り付けもちゃんとついてました。日本語の字幕入りビデオも公開になったので要チェック!


このコラムのVol.120でライブレポお届けした彼らのヘルシンキ・アイスホール公演から「We Are No Saints」のライブ映像が公開になったのでこちらも合わせてどうぞ。



The 69 Eyes Pic:Marek Sabogal

ヘルシンキ・ヴァンパイアことThe 69 Eyesから4月21日にリリースになるニューアルバム『Death Of Darkness』からタイトルソングがリリースになり、ヴォーカルのユルキ69が若かりし頃住んでいたハメーンリンナの城で撮影されたミュージックビデオも公開になりました。

ユルキ69はこの曲についてこう語っています。

「‘Death Of Darkness’ は愛についての曲だ。愛は俺たちを光に導く。とってもシンプルなことだ。25年ほど前に書いた曲に聴こえる。2001年頃に俺たちが知っていたメランコリックなゴシックロックのような。」

ユルキ69は昨年秋に、人気シンガーたちが共同生活をしてディナーの席で苦労話を披露しながらお互いの歌をカヴァーするフィンランドの人気TV番組「Vain Elämää」に出演。フィンランドではもともと根強い人気を持つバンドですが、これ出演後人気はさらに上昇したとみられ、昨年末から今年初めにかけてのフィンランド国内ツアーではソールドアウト続出の大人気でした。この最新アルバムは久々に日本盤も発売予定なので要チェック!



Ice Eye

2020年初めこのコラムでも紹介したことがあるIce Eyeですが、そのあとコロナがやってきて音沙汰なしになりました。昨年ヴォーカルのイラリ・ハマライネンのソロライブの時にIce Eyeのことを聞いてみたら、葬ったわけではないといっていたので、そのうち活動があることを待つしかないと思っていたところ、今年になっていきなりニューシングル「Raging Storm」がリリースになったではありませんか。同時に今年のユーロビジョン・ソングコンテスト・サン・マリノ代表を選ぶコンテストに参加しセミファイナルまで進出!曲を聴いてみたらメロディアスなハードロックですごくいいじゃないですか。この曲はオフィシャルビデオがまだ公開になってないのでSpotifyで聴いてみてください。



今回リリースになったのはユーロビジョン・ソングコンテストヴァージョンで、メンバーでもあるイラリのお兄さんラウリが、今曲のミキシング中とのことで後日フルレングスの曲がリリースされるそうです。

フィンランドからオランダ、イタリアを経由してユーロビジョン・サンマリノ代表を決めるコンテストに参加した旅をギタリストのサムリ・フェデルレイが1本のビデオにまとめているのでぜひ見てみてください。コンテストでのライブ映像も少しあります。今度こそ今後の活動に期待!



Rock-Criminals Pic:Markku Nykänen

フィンランドンのハミナから飛び出してきた若手ロックバンドRock-Criminalsからマイケル・モンローとコラボしたニューシングル「Get Yourself Together」がリリースになりました。彼らは2018年にマイケル・モンローがメンターの1人を務めたリアリティ音楽オーディション番組”X-Factor Suomi”に出演してマイケルと知り合うきっかけになりました。昨年フィンランドのStupido Recordsと契約、先月このシングルをリリース。マイケルはこの曲の作詞とアレンジをバンドと共作、プロデュースも手掛け、ブルース・ハープを演奏しています。

このコラボについてバンドはこう語っています。

「マイケルとコラボできたことはとても光栄だ。彼にこの曲への手助けをお願いしたら、一緒にスタジオに入ってくれたんだ。とても素晴らしかった! ”Get Yourself Together”は今のような暗い時代に元気を与えてくれる曲で、いつになるかはわからないけど、きっと上手くいく、そのうちきっと!とポジティヴなメッセージを込めているんだ」

12歳の頃マイケル・モンローが最大のヒーローだったというヴォーカルのアレックス・ワイルドは今回一緒にレコーディングスタジオにはいれて「人生はクールで何が起こるかわからない。自分を信じることを忘れないで!」と自らのソーシャルメディアで語っています。



Portion Boys Pic:Yle

昨年YouTubeで偶然Portion Boysの「Elämän ABC」(人生のABC) というミュージックビデオが目につき見てみたら古き良き80年代を表現したウィッグつきの衣装と曲がとっても面白くて楽しくて気に入ったのですが、なんと今年のユーロビジョン・フィンランド代表を決めるUMKコンテストに出場が発表になり、見てみたらドストライクで気に入りました。なんと言っても楽しい!

歌詞にもあるように「たとえヨーロッパの違う場所にいて、違う道を歩んでいても、皆同じ空を見てるってことを忘れないで。」というメッセージが込められているそうです。


こちらがそのフィンランド代表を決めるUMKコンテストのパフォーマンス映像!


個人的には候補の中で一番お気に入りでしたが結果は残念ながら2位。今年のフィンランド代表はダントツでラッパーKäärijä(カーリヤ)の「Cha Cha Cha」に決まり、今フィンランドはチャチャチャで盛り上がっていますが、さて今年のユーロビジョン結果はいかに?


Trench Dogs Pic:Max Ljungberg

お隣の国スウェーデンのロックバンドTrench Dogsからセカンドアルバム『Stockholmiana』がリリースになりました!サウンドはグラムロック、70年代のパンク、80年代のロックから影響を受けてるようで、そういうジャンルがお好きな方には特にお勧め!スウェーデンのバンドながらもメンバーはスウェーデン人、オーストラリア人、イギリス人から構成されていてとってもユニーク。

このニューアルバムは人間のエモーショナルな領域にまたがり、俺たちに奇妙に存在する悲劇と至福を探し出す曲が収められたグルービーなロックンロールアルバムだとのこと。彼らは2019年マイケル・モンローのOne Man Gangヨーロッパツアーのスウェーデンでの2公演にスペシャルゲスト出演をしています。このニューアルバムから「A Little Overdressed」のミュージックビデオが公開になりました。


ニューリリースいくつか紹介してみましたが、気になった曲があればバンドのソーシャルメディア、YouTube、Spotifyなどチェックして他の曲もいろいろ聴いてみてくださいね。

文:Hiromi Usenius

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