三和鍍金と日本音楽活動協会、金管楽器における金属アレルギー対策「ReST-M2」の意匠権を出願
三和鍍金が、日本音楽活動協会と共同開発した「Resin Surface Treatment on brass Mouthpiece for Metal allergy resistance(以下、ReST-M2)」の意匠権を出願した。
◆ 「ReST-M2」 関連画像
従来金管楽器のマウスピースにおいて、金属アレルギー対策としてはイオンプレーティング技術を用いるか、脱着可能な樹脂製のリム(マウスピースの唇をつける部分の名称)を用いるか、オール樹脂製のマウスピースを使用するか、およそ3つの選択肢しかなかったが、今回共同開発したReST-M2は樹脂製の薄い皮膜でリム部分をコーティングすることで、これら問題点を解決した新しい選択肢となる。
ReST-M2は薄い樹脂コートによる耐金属アレルギー技術。上述した3つの従来の対策の場合、それぞれのメリットは存在するものの、コストや音響において下図の通りデメリットがあった。
イオンプレーティングは薄い皮膜で音響を阻害しない代わりにコストが非常に高く、またツーピースタイプの樹脂製リムは比較的コストを抑えることはできるが、ネジ切りされた樹脂リムのため、金属製一体型のマウスピースと比べて音響に影響を及ぼしてしまう。オール樹脂製のものもコストに優位性はあるものの、全て樹脂でできているため金属製のマウスピースと比較するとその響きは異なるものとなっていた。
対して、今回意匠権を出願したReST-M2は以下のような特長を持っている。
1. 低コスト
従来のいずれの処理と比べても安価で、耐金属アレルギー加工において従来のおよそ50~75%のコストカットが可能。だれでも手の届きやすい安心価格で提供される。
2. 薄膜のコーティング
特殊な工法によって十数ミクロンという非常に薄い樹脂皮膜をつけるため、口あたりが滑らかで音響にほとんど変化をもたらさない。現在、さらに薄い皮膜にするための研究開発を行なっている。樹脂でリムができているツーピースタイプと違い、全て金属製であるマウスピースの表面に加工するため樹脂リムにありがちな「響かない・音質が違う」という問題が起きない。
3. 普段から使っているマウスピースに施工可能
新しく耐アレルギー加工を施したマウスピースを購入する必要はなく、普段使用しているマウスピースを預かり処理を施す。使い慣れた吹き心地はそのままの状態で金属アレルギーへの対策をおこなうことができる。
今後、同社ではより皮膜の厚さを薄くしたり、カラーリングの幅を増やしたりする技術的な研究を、日本音楽活動協会ではサンプル品を試奏できるスペースを用意したり、依頼した際に同じ型番の代替品をレンタル可能にしたりするなど、演奏者のさまざまなアフターケアを重視する新しい事業を、互いに綿密な連携の上で計画している。
『Resin Surface Treatment on brass Mouthpiece for Metal allergy resistance』
納期:協会到着後20日前後
お問合せ窓口:一般財団法人日本音楽活動協会 植竹( info@andmusic.or.jp )
◆三和鍍金 オフィシャルサイト
◆日本音楽活動協会~andMusic~ オフィシャルサイト