【俺の楽器・私の愛機】1108「10数年の時を経て再会」
【IBANEZ S540FM】(北海道 重度うつから復活した人 40歳)
10代の頃、恥ずかしながら荒れておりまして...高校も行かず、中卒のままフラフラしておりました。うちは片親で、母には当時散々苦労を掛けておりました。唯一の趣味は小学生の頃から続けていたエレキギター。高校も行かず(行ったけど4日で辞めた)、どうしようもないクズだった私なのに、母は朝も夜も働いてお金に苦労してたのに、中学の卒業祝いだからと、楽器屋に連れていってくれて好きなの買いなさいと...。
本当はもっと安いの買おうと思ってたのですが、このギターに一目惚れして無言で眺めていたのを覚えています。家の金銭事情を考えたら、とても欲しいなんて言えなくて…。でもそれを察した母が、全然大丈夫だから好きなのでいいよと言ってくれて…。今思えば全然大丈夫じゃないじゃんと強く思います笑。
一生の宝だとずっと思っていて、毎日弾いては磨いての日々。20代になって寝る暇もなく必死に働いていたら、重度のうつ病と診断され、職も失い数年働けなくなることに。病院代や明日食うお金にも困り、どうしようもなくなりリサイクルショップへ売却。ギターだけでなくありとあらゆるお金になりそうなのを売却しました。それが今から12年前くらいの話です。
先日、何となく近所のリサイクルショップへ。そしたら私が持っていたギターと全く同じギターがショーケースにありました。シリアルナンバーとかは覚えていませんが、ネックを握った瞬間当時私が所有していた、母が無理して買ってくれたギターだと確信しました。そこそこ良いお値段がしましたが、即決で連れて帰りました笑。
病気を克服して、また買い直せる余裕ができたのも嬉しいですし、何よりまた出会えた事が自分の中で奇跡的な事で、感極まりました。凄く綺麗なままで、大事に所有してくださった前オーナー様、リサイクルショップ店さんには本当に感謝です。
そして何より一番は、母に感謝です。これからは一生このギターを大事にしますので、いつまでも元気で長生きしてください。面と向かって言えませんが、お母さん、今までもこれからも、ずっとずっとありがとう!
◆ ◆ ◆
全私が泣いた。大切なギターがまた戻ってきたというのは奇跡だと思うけど、きっと偶然ではなく必然のストーリーがあったんだと思います。おそらく様々な思いを抱えながら乗り越えてきたことへのご褒美かも知れないし、なにより母が子に与える無償の愛に対しての、言葉にならない感謝を覚えたことへの証なのかもしれません。人には人の、他人にはわからない道程があります。でもその険しさをおもんばかり、ともに手を取り合えるのが親子でもあります。抱える想いを抱きしめて前を向いて生きていけば、人生笑って生きていけるのだと確信しました。(JMN統括編集長 烏丸)
★皆さんの楽器を紹介させてください
(1)投稿タイトル
(例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
(例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
(例)トラヴィス・ビーン TB-1000
(例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
(例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
(例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
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「楽器人の投稿がmusic UP'sに掲載されます」
※毎月の掲載数は2~4件ほどの予定です。選出はBARKS編集部で行ないます。
※掲載の選出対象は【俺の楽器・私の愛機】コーナーにて2022年5月30日以降に掲載された投稿が対象となります。
引き続き【俺の楽器・私の愛機】をお楽しみください。今後ともBARKS楽器人をよろしくお願いいたします。
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