【インタビュー】加藤和樹、記憶とともに大人の魅力を積み重ねる新作ミニアルバム『Nostalgia BOX』

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■いぶし銀の輝きじゃないですけど、
■自分もその時なりの輝きを放って生きたい

──後半は、かなり切ないラブソング「wishing your happiness」ですが、これは加藤さんの作詞ですね。

加藤:昔懐かしい恋愛というか、聴いてくれた人が自分の恋愛を思い出すような曲になればと思って書いていきました。自分の好きな人が自分のことを好きじゃないっていう、ちょっぴり切ない内容ですけど(笑)。

──この主人公は、相手の幸せを願ってさよならをしています。

加藤:相手を幸せにする自信があっても、相手は幸せじゃないっていう状況もあるじゃないですか。お互いが望む幸せが違うというか、相手が望んでいる幸せではないのならば、僕は君の幸せを願うよっていう。だから思うんですよね。自分の好きな人が自分を好きと思ってくれるってすごい奇跡だな、素敵なことだなって。でも自分といて幸せを感じられないのなら「幸せを願ってるよ。ありがとう」って言える強さも、時には大事なのかなと思います。

──過去の恋愛体験も、まさにノスタルジーを感じる原風景だったりしますね。

加藤:そうなんですよ。二人で見た景色だったり、食べたもの、行った場所など思い出しますしね。

──昔は写真が文字通り「色褪せていく」という時間の経過がありましたが、今はみんな画面上でパッと削除。女性は上書きで男性はフォルダを分けるなど、記憶の残し方の例えも変わってきましたよね。

加藤:上書きとフォルダ、その例えはすごく合ってると思います(笑)。男って、ロマンチストなんですよ。みんながみんなそうじゃないとしても、やっぱり心のどこかでそういうところがあって、一人一人との思い出を大切に取っておく。僕はそういうタイプなんです。例えば今おつきあいしている人がいたとして、でも元カノのことが忘れられないとかそういう話ではなく、この思い出も自分という人間を形作っているもの。だから僕はそれを捨てるっていうのはNoなんです。それも、自分が生きてきた証じゃないかって思うから。

──<恋愛>というシチュエーションではなく、あくまでも人と人との関係性というシンプルな視点から考えれば確かにそうだなと思います。

加藤:そう、人と人ですからね。単純に人との繋がりを大事にしたいなって自分は思うから、余計にそう感じるんでしょうけど。

──「Vintage」では、まさに加藤さんのようにステージに立つ人間、またそれぞれ自分の人生というステージに立つ人たちの生き様のようなものが感じられます。

加藤:生き方の指針になるような曲ですよね。こうありたい、こうなりたい。「Vintage」って物に対して使われることの多い言葉ですが、人もそうだと思うんです。特に最近先輩たちを見ていて思うのは、年齢を重ねれば重ねるほど魅力的になっていくんだなということ。こういう大人になりたいな、こういう年の取り方をしたいなって思うんです。自分がその価値のある人間なのかどうかってことではなく、じゃあ自分がどう生きてどう輝くか。いぶし銀の輝きじゃないですけど、自分もその時なりの輝きを放って生きたいなと思えるような楽曲だなと思います。

──加藤さんが最初に憧れた大人というとどなたですか?

加藤:僕にとっての憧れはやっぱり父なんですよね。本当になんでも出来るし、そういう年の取り方をしたいなって思っているんです。いつか自分に子供が出来た時には、そういう父でありたいと思わせてくれる存在。めちゃくちゃ怖かったですけどね(笑)。間違ったことをした時にはちゃんと叱ってくれて、父の威厳じゃないですけど、そういうものもすごく必要だなって思うんですよね。今の時代、もしかしたら考え方が古いって言われるかもしれないけど、それはそれで、自分の理想の父親像みたいなものなので。こういう年の取り方、そしていつまでも若さを忘れない大人でもありたいなと思います。

──では、ミュージカルなどで演じた役の中での憧れの人物像などはありましたか?

加藤:いやぁ、役の中では割と大切な人を守って死にがちなもので(笑)。

──そうですね(笑)。

加藤:でも大切な人、仲間や恋人のために自分の命をも厭わないという、そういう生き方って大事だなと思います。人間誰しも自分の命が可愛いとは思うんですが、そういう時に自分の身を挺してでも他の人のことを思える、そういう人間でありたいとは思いますよね。それこそ、親になったら自分の命より子供の命と言いますし。

──四六時中そういうことを意識していなくても、それこそこうやって音楽を聴いたりした時に、ちょっと考えるきっかけになったりしますよね。『Nostalgia BOX』は、自分の人生や過ごしてきた日々、大切な人などに思いを馳せる時間の入り口なのかもしれないなと思いました。

加藤:まさにそうだと思います。自分と向き合えるような楽曲も多いですしね。この作品が、自分を見つめ直すきっかけのような1枚になったらいいなと思っています。

──10月22日からスタートする<Kazuki Kato concert Tour 2022 ~nostalgia~>も楽しみです。

加藤:前回の「Naked」ツアーも一緒にやりましたが、今回も「加藤和樹&THE Sonics」として回るのでその音を楽しんでもらいたいですね。そしてやはりこのアルバムの新曲を届けるツアーにもなりますから、1曲1曲大切に歌っていきたいなと思います。

──11月には東京スカイツリーでプラネタリウムライブも開催されるそうですが、こちらはピアノの吹野クワガタさん(以下、フッキー)とお2人で。このシンプルなスタイルも、ある意味ライブの定番になってきましたよね。

加藤:僕自身が、それだけ歌えるようになったからかもしれません。昔の自分だったら、そんなピアノ1本でライブなんて出来ませんでしたからね(笑)。その点いろんな幅も広がったと思いますし、フッキーはフッキーでいろんなアプローチに果敢にトライしているから、既存の楽曲もまた違った形で見せることができるんです。アレンジがいかに自由なものかというのはあの「Naked」ツアーで証明出来たかなと思うんですが、今回のツアー、そしてこのプラネタリウムのライブでも、そういう一面を楽しんでいただけたらと思っています。

取材・文◎山田邦子


■ミニアルバム『Nostalgia BOX』

2022年10月19日(水)発売
TYPE-A[CD+DVD]TECI-1760 ¥3,000(税抜価格¥2,727)
DVD収録内容:「ノスタルジックオレンジ」Music Video+Jacket Shooting Making Movie

TYPE-B[CD+DVD]TECI-1761 ¥3,000(税抜価格¥2,727)
DVD収録内容:「ノスタルジックオレンジ」Music Video+Music Video Making Movie

CD収録曲(TYPE-A、Bともに収録曲は同一):
1. ノスタルジックオレンジ
2. Still alive
3. もしも
4. wishing your happiness
5. vintage
6. また明日


▲ミニアルバム『Nostalgia BOX』TYPE-A


▲ミニアルバム『Nostalgia BOX』TYPE-B

■Live Blu-ray & DVD『Kazuki Kato 15th Anniversary Special Live 〜fun-filled day〜』

2022年10月19日(水)発売
Blu-ray 2枚組 TEXI-99061 ¥9,900(税抜価格¥9,000)
DVD 2枚組 TEBI-82683 ¥8,250(税抜価格¥7,500)
DISC1
収録曲
〈Piano LIVE〉
01. プロローグ「祈り」
02. あなたと出会えて僕は幸せでした
03. 願いを託して
04. 生まれ来る子供たちのために
05. 春よ、来い
06. いのちの歌
07. ひとりじゃない
〈JOKER〉
08. イントロダクション〜No.1
09. Pain
10. Stand up!
11. Challenger
12. ROCKING MAN
13. OVER
14. Summer Breeze
15. Fire Soul
〈加藤和樹&THE DRASTICS〉
16. WARNING
17. LOVE GAME
18. こんな夜が俺は好き
15周年怒涛のメドレー
19. Flaming ice
20. 僕らの未来〜3月4日〜
21. instinctive love
22. メラメラ
23. BEACH
24. 灼熱フィンガーでFEVER!
25. Legend Is Born
26. In the future
27. Laugh & Peace
28. Ultra Worker
29. HERO
30. Hello
31. REbirth
32. Vampire
33. BLUE MONDAY
34. Answer
35. Shining Road 2021
36. また明日

・加藤和樹スペシャルインタビュー ※フジテレビTWOで放送された野音ライブ独占インタビューの模様を収録。

DISC2
特典映像
2021年12月23日に豊洲PITにて行われた15周年ライブGIGツアーファイナル公演『Kazuki Kato 15th Anniversary Special Live “GIG” Tour 2021-REbirth-』を収録。
01. Shake!! Shake!! Shake!!
02. Venom
03. LADY GO!!
04. EASY GO
05. 砂の城
06. Faith
07. 冬恋
08. melody
09. stay by your side
10. 君ニ唄エバ
11. con・fu・sion 〜心の叫び〜
12. What Can Tonight?
13. Calling Me
14. Selfish Cat
15. Love Bite
16. BLUE MONDAY
17. My Girl
18. HERO
19. REbirth
20. Free
21. Answer
22. Shining Road 2021

CDショップ特典情報:http://www.teichiku.co.jp/artist/kato-kazuki/


▲Live Blu-ray『Kazuki Kato 15th Anniversary Special Live 〜fun-filled day〜』

<Kazuki Kato concert Tour 2022-nostalgia->

2022年10月22日(土)【昼公演】開場14:30 開演15:00 【夜公演】開場18:00 開演18:30
会場:心斎橋 JANUS
お問い合わせ:サウンドクリエーター (TEL) 06-6357-4400
http://www.sound-c.co.jp

2022年10月23日(日)【昼公演】開場14:30 開演15:00 【夜公演】開場18:00 開演18:30
会場:名古屋 ボトムライン
お問い合わせ:ZOOM (TEL) 052-290-0909
http://www.zoomep.co.jp

2022年10月25日(火)開場17:30 開演18:00
会場:福岡 スカラエスパシオ
お問い合わせ:グリーンミュージック (TEL) 092-775-2233
https://green-music.jp

2022年10月29日(土)【昼公演】開場14:30 開演15:00  【夜公演】開場18:00 開演18:30
2022年10月30日(日)【昼公演】開場14:30 開演15:00  【夜公演】開場18:00 開演18:30
会場:渋谷 PLEASURE PLEASURE
お問い合わせ:ホットスタッフ・プロモーション (TEL) 03-5720-9999
http://www.red-hot.ne.jp

◎加藤和樹&THE Sonics

Piano:吹野クワガタ Gt:田口慎二 Ba:川渕文雄 Dr:髭白健

チケット料金:全席 着席指定席 8,800円(税込)※ドリンク代別

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