【インタビュー】BAND-MAID、“らしさ”と“新しさ”満載のEP『Unleash』完成「文字通り解放っていう感じの作品になった」

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■「ここですべて吐き出そう!」っていうところからの制作だった

──そして今回はその「Unleash!!!!!」がフィーチュアされたEPの登場。EPというとミニアルバムくらいのものを想像しがちですけど、全8曲が収められていて聴き応えも充分だし、これは感覚的には限りなくアルバムに近いものですよね?  

小鳩ミク:気持ちとしてはアルバムと同じぐらい詰まってますっぽね。

──その各曲について訊かせてください。まずは1曲目の「from now on」。インストゥルメンタル曲ですが、タイトルからすると「さあ今から行くぞ!」という感じでしょうか。

小鳩ミク:そうですっぽね!

SAIKI:インスト始まりの作品というのを作ってみたかったんです。これまでも常々それは思っていて、シングルとかでちょっと曲数を増やすっていう時にも提案してたんですけど、なかなか実現できずにいて。でも今回、これだけ有観客のお給仕ができない時期が長く続いて、自分たちの鬱憤も溜まっていて、「ここですべて吐き出そう!」っていうところからの制作だったし、しかもめちゃくちゃカッコいいインストができたので、せっかくなら1曲目に入れさせてもらおうということになったんです。

──インスト曲なのに、SAIKIさんが先陣を切って説明してくれるというのも面白いです(笑)。つまり、この曲は今作のオープニングにすることを想定して作られたものではないんですね?

SAIKI:そうなんです。ただ「インストの新しいのを作ってください!」って言っていて、制作が進んでいって……曲が全部揃ってからだったんですよ、曲順を決めたのは。ただ、この「from now on」ができあがった時は「これは1曲目行けるかもな」とひそかに思っていたんです。で、それを実行、みたいな。


──逆に最初から「1曲目にするためのインストを作ろう」ということになると、KANAMIさんとしては作曲段階でプレッシャーが大きくなったりするのでは?

KANAMI:……確かに(笑)! いつも曲順を決めるのは私ではなくて、2人(小鳩とSAIKI)に考えてもらうんですね。なので作曲自体は自由にやらせていただいてます(笑)。「from now on」は順番的には「Sense」を経たうえで作った曲でもあるんですけど、「Sense」で結構オーケストラの勉強をしたこともあって、その要素が入っているインストが欲しいという声があったので、じゃあこの機会に作ろうかなっていうノリで作らせてもらって。で、曲順が決まった時は「あ、1曲目に入るんだ!」って、自分でもびっくりしました(笑)。

SAIKI:あわあわしてたよね(笑)。

KANAMI:「えーっ、1曲目でいいのぉ?」みたいな(笑)。

小鳩ミク:曲順を考える時に、「お給仕でのオープニングSE的な始まり方になってカッコいいんじゃない?」っていう話をしてたんですっぽ。で、一番目に持ってこようということになりましたっぽ。

KANAMI:あー、そうなんだ。なるほどなるほど。

──確か「Sense」を作っていた時は、TVアニメサイドからオーケストレーションの入った曲が欲しいという要望があったんですよね? それで勉強しなければならなくなった。

KANAMI:そうなんです。だから……なんだろう。その経緯があったからこそこれができた、という感じがありますね。



──ちゃんとその勉強が実を結んだというか、引き出しが増えた実感があるわけですね?

KANAMI:ありますあります。しっかりと勉強しないとできないこともやっぱりたくさんあるんだなって、改めて思いました。しかも一度学んだものでも時間が空くと頭から抜けていって忘れちゃうので。

小鳩ミク:そうだっぽね。だからまた、ちょいちょいオーケストラを入れた曲を(笑)。

──いずれにせよ、インスト曲で幕を開ける作品というのは、いつか作ってみたかったもののひとつだったわけですね?

AKANE:そうですね。こうしてバンドをやっていて楽器隊にも着目してもらえることってすごく貴重というか、嬉しいことだなと感じているので、感謝の1曲、みたいな(笑)。だから「しっかり次に繋げなければ!」「オープニングで盛り上げるぞ!」っていうイメージではありますね。このEPを盛り上げていくぞっていう気合が入ってますね。

──各々の聴かせどころが、ちょっとずつ入っていますよね。

MISA:私がこの曲でこだわったのはベースソロで。原曲が届いてまず一度作ってメンバーに投げてみて、途中で、哀愁が漂う感じのソロにしたほうがいいんじゃないか、という話になって作り直してみたりとか。今回の作品全体を通じて、自分のフレーズは鍵盤で作っているのが多いんですね。手癖で弾いてしまうのを減らしたいというのもあったし、それによって自分の引き出しが増えたらいいな、という狙いもあって。このソロについてもそうだし、鍵盤で作ったからこそこうなったのかな、と思います。

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