【レポート】KIRITO、アコースティックライブでアルバム収録曲を初披露「止まらずに戦っているわけです」

KIRITOが9月18日、恵比寿ザ・ガーデンホールにてアコースティックライブ＜KIRITO Acoustic live 22'「Phantom II -Cells to be remodeled-」＞を開催した。

◆KIRITO 画像

2022年、Angeloの無期限活動休止と自身50歳という節目を機に、ヴォーカリストとして新章に突入したKIRITOが7月23日および24日、ギタリストのJOHNと共に歌とギターのみという自身過去最小編成で行った公演が＜KIRITO Acoustic live 22’「Phantom」＞だ。アコースティックライブ“Phantom”はKIRITOのライフワークとして継続されることが伝えられており、その第二弾公演が＜KIRITO Acoustic live 22’「Phantom」＞となる。


ライブは前回同様、ギターを手にしたKIRITOとサポートを務めるJOHNの二人編成によって、全17曲が披露されだ。高い表現力で聴く者の心を揺さぶるステージを繰り広げたことはもちろんだが、特筆すべき点はニューアルバム『NEOSPIRAL』に収録される新曲「雫」が、この夜、初披露されたこと。アルバムが11月9日にリリースされることはすでに発表されているが、この場に居合わせた誰もが原曲の形を知らないなか、アコースティックヴァージョンが先行披露されるという、異例の展開だ。

新曲「雫」は、KIRITOらしい力強さと優しさが同居した温かな楽曲であることは確か。また、リリース前ゆえに現段階で新曲の歌詞を具体的に記すことは避けるが、この日のセットリストにて、「雫」に続く楽曲が「SIGHT」「ホログラム」「PRAY」(Angelo)というラインナップであったことが、そのストーリー性を増幅させる形となった。


さらには、前回7月公演で久々に披露されたPIERROTの楽曲「HOME SICK」「ECO=System」といった2曲がこの日も組み込まれていたことに加えて、本編ラストにはこちらも久々となるPIERROTの楽曲「CHILD」を演奏。“♪強く響け僕の歌声よ 行き場を無くした君のもと 届くように”とKIRITOがアカペラで歌った場面は、この夜を印象付けるものとなった。

「またガンガン攻めていくからね。これからも、ずっとよろしく」と告げた後、“♪君がそこに確かにいるなら やっと先に進める気がして／もう迷わず唄える気がして”と歌う「TEAR」をもってライブが締め括られた。なお、アルバム『NEOSPIRAL』を引っ提げて、11月12日より全国ツアー＜KIRITO Tour 2022-2023「THE CREATING REAL WORLD」＞開催が新たに発表されたほか、アルバムについてKIRITOはMCでこう語っている。

「人生でこれほどの熱量でアルバムを作ったのは、もしかしたら初めてかもしれない。聴いてもらえればKIRITOという男の執念、意地がわかると思うので、楽しみにしていてください」──KIRITO


さらに、KIRITOはこのコロナ禍でのライブについて以下のような言葉も述べた。これまでのKIRITOがそうであったように、今後もKIRITOは自身の信念を貫き通していくに違いない。

「ルールを破るのがロックではない。制限がある中で自ら道を作っていくのがロック。その都度やり方を変えて戦っていく。大変な状況の中で足を運んでくれる皆さんを裏切ることはできないから、止まらずに戦っているわけです。それこそがロックだと思うので」──KIRITO