【ライヴレポート】KIRITO、PIERROTとAngelo楽曲も披露したアコースティック公演「心配するな、俺がいる」
KIRITOが7月23日から24日、KANDA SQUARE HALLにて<KIRITO Acoustic live 22’「Phantom」>を開催した。5月から6月にバンドスタイルでの全国ツアーを開催したばかりだが、同公演はアコースティックライヴの自身過去最小編成によるものとなった。そのオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆KIRITO 画像
2018年、約10年ぶりにソロ活動を再開して以降、2021年までのアコースティックライヴでは、ギター、ピアノ、弦楽カルテットを迎えた大所帯でのステージを重ねてきた“キリト”。しかし、Angeloが無期限活動休止に入った後の2022年2月、“KIRITO”名義の始動と50歳という節目に行われたアコースティックライヴは、ギター、ドラムとのトリオ編成で行われた。そして今回の公演ではさらにミニマムな形態を取り、先述の全国ツアーや2月公演でもサポートを務めたJOHNと共に、ヴォーカルとギターのみという自身過去最小編成でのステージを実施したのだ。
一般論であるがミュージシャンにとって音の引き算とは勇気を要するもの。ことバンド出身のヴォーカリストが最小限の音数の中、歌で勝負するということは、相応の力量はもちろん自信と覚悟がなければ踏み入ることができない。つまり、ヴォーカリストとして新章に突入した2022年、<Phantom>公演はKIRITOの未来を切り開く重要なファクターの一つになるに違いない。
Angelo楽曲「SIGHT」で幕を開け、ラストナンバー「TEAR」に至るまで全17曲が披露された第二夜。編成の大小問わずKIRITOはさすがの表現力で楽曲を届けてくれたわけだが、視覚的にも良い意味でステージの広さを感じさせないのは、舞台セットと照明の効果はあるにせよ、何よりKIRITOというアーティストの存在の大きさが表れた結果だろう。舞台演出はシンプルながら楽曲のストーリーを存分に引き立たせる素晴らしいものだった。なお、これまでのアコースティックライヴと異なり、本公演では二人編成であることから全曲においてKIRITOがギターを弾きながらの歌唱となったことも付記しておきたい。
また、初日はPIERROT楽曲「ECO=System」、二日目はPIERROT楽曲「HOME SICK」が久々に披露されたのもファンには嬉しい場面だった。セットリストをあえて振り分けるなら、両日ともソロ5曲、PIERROT3曲、Angelo9曲という結果になったが、名義を問わずKIRITOの全キャリアの楽曲の中からセットリストを組み立てるのが彼のアコースティックライヴのスタイル。無論それはKIRITOがこれまで描いてきたことに一切のブレがないからこそ可能であり、むしろ年数を重ねることで、より説得力を増していく。
第二夜の本編ラスト、PIERROT楽曲「壊れていくこの世界で」を披露する直前にKIRITOはこう告げた。
「これからも色々嫌なことが起こるかもしれませんが、心配するな、俺がいる」──KIRITO
彼はいつだって前を向き、何一つ諦めない姿勢を示すと同時に、楽曲にその思いを込めている。だからこそリアルであり、聴く者の胸を打つ。人としての考え方も、アーティストとしての姿勢も、最も大切な部分は何一つ変わっていない。そんなメッセージ性も、このミニマムな編成だからこそ、より鮮明に伝わってくる。
<Phantom>と冠したアコースティックライヴは、KIRITOのライフワークとして今後も継続的に行っていくとのこと。その第二弾公演が早くも9月18日、恵比寿ガーデンホールで開催される。さらに、11月9日にはフルアルバム『NEOSPIRAL』のリリースが決定した。過去15年間のAngeloの活動の中で、フルアルバム13枚、ミニアルバム3枚と、ほぼ毎年アルバムを発表してきた。その実績を指してKIRITO曰く「アスリート的」な曲作りを続けてきたわけだが、バンド休止後もそのペースを緩めることはない。「意地を貫き通す姿を見ていてください」とはMCでのKIRITOの発言だが、彼のSNSには「意地がある。それ以上に届けたい曲がたくさんある。そして実現できる俺がいる」との言葉も。最新作には12曲の楽曲が収録されるという。
■<KIRITO Acoustic live 22「Phantom」>KANDA SQUARE HALL セットリスト
01. Enter the NEOPHASE
02. METHOD
03. Beginning
04. 逆光
05. 砂丘
06. ホログラム
07. 光の記憶
08. ECO=System
09. Cherry trees
10. Voice of the cradle
11. BIRTHDAY
12. 壊れていくこの世界で
13. PRAY
14. EXIT
encore
en1. ティアドロップ
en2. SIGHT
en3. CRUELWORLD
▼2022.7.24(sun)
01. SIGHT
02. Enter the NEOPHASE
03. METHOD
04. 砂丘
05. ホログラム
06. 光の記憶
07. Cherry trees
08. HOME SICK
09. ティアドロップ
10. Voice of the cradle
11. BIRTHDAY
12. CRUELWORLD
13. Beginning
14. 壊れていくこの世界で
encore
en1. PRAY
en2. EXIT
en3. TEAR
■アルバム『NEOSPIRAL』
※詳細は後日発表
■<KIRITO Acoustic live 22「Phantom Ⅱ -Cells to be remodeled-」>
open17:00 / start17:30
サポートメンバー:Ag.JOHN
▼チケット
・11,000円 (ドリンク代別・税込)
・ファンクラブ先行料金:10,000円(ドリンク代別・税込)
※全席指定
【ファンクラブ先行受付】
受付期間:7月23日(土)20:00~8月7日(日)23:59
制限枚数:お一人様1公演につき2枚まで ※同行者は非会員可
※3歳以上有料/別途手数料あり
https://kiritoweb.com/info/live/1117/
(問)ディスクガレージ050-5533-0888
■ファンクラブ旅行<KIRITO FC TOUR 2022 in KOBE>
旅行代金:¥74,200 ※1泊2日 / 現地集合
申込期間:~9月1日(木)13:00
※先着順ではございません。お申し込み順に関わらず抽選となります。
入会のお申込み:https://account.kiritocells.com/
詳細・お申込:https://kk-kanko.com/kirito_fctour2022
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