【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.114「この夏フィンランドでは300以上もの音楽フェス開催!その中からRock In The City Vantaaに行ってきた」
この夏フィンランドでは300以上もの音楽フェス開催!その中からRock In The City Vantaaに行ってきた!
今年3月にほぼすべてのコロナ制限が解除になりライブが復活したフィンランドではこの夏、実に300以上もの音楽フェスが予定されている記事を見かけましたが、ほんとにフェス・ラッシュ!毎週末どこかでいくつかのフェスが開催されていることになります。ジャンルも様々ですが、ロックやメタル系のフェスも結構あってよりどりみどり!その中でヘルシンキの隣のヴァンター市で2日間にわたって開催されたRock In The City Vantaa 2日目に行ってきました。
直前になってキャンセルもあり最終的な出演バンドはこちら:
・Alice Cooper (USA)
・Peer Günt
・Lordi
・The 69 Eyes
・Kotiteollisuus
・Temple Balls
・Andy McCoy
・Dea Matrona (IE)
・Balance Breach
メインステージと横に並んでセカンドステージがあり、時間のロスなしに交互にライブというタイムテーブルでした。
食べ物、ドリンクは一切持ち込み禁止でしたが、ゲートを入るとまずは飲食店の出店が並んでて、会場の中に給水コーナーVesipiste (ヴェシピステ)があり、水用の空ボトルは持ち込みできました。この日は晴天だったので、水分補給に給水コーナーは助かります。
この日のトップバッターはメインステージでKotiteollisuus(コティテオッリスース)!歌詞フィンランド語の人気のメタルバンド。ヴォーカルの淡々とした歌い方とメロディアスなメロディが組み合わさって彼ら独特のサウンドを作り出してる感があります。最近の曲はよく知らないものの昔大ヒットした曲がいくつかあり、その当時はラジオでヘビロテオンエアーされていたので、誰もが知っている曲があるというのはやっぱり強い!フィンランドのフェスはだんだんと人が集まってくるという感じでトップバッターはまだ観客が少ないこともよく見かけられるけど、この日はいつの間にやら観客が増えていてトップバッターから盛り上がってました。
セカンドステージのトップバッターはArionのメンバーがコロナ陽性で直前キャンセルになり急きょメタルコアバンドBalance Breach が出演。調べてみたら2015年に結成された若手バンド!若いはつらつとしたエネルギーを感じました!メタルコアお好きな方はぜひチェックしてみてください。
次はメインステージに移り、ヘルシンキヴァンパイアことThe 69 Eyesが登場!まず目についたのが、なんとしばらくみないうちにヴォーカルのJyrki 69 が昔のロン毛にもどってるではありませんか!ロン毛の方が絶対似合ってる!この日は快晴でヴァンパイアには太陽がきつすぎたかもしれませんが、新曲「Drive」も含め新旧取り入れたセットリストには大好きな曲がいっぱいつまってて、久々にみた彼らのライブに大満足!
セカンドステージ2番手はDea Matrona!全く知らないバンドでしたが、アイルランドの3ピースのバンド。サウンドはクラッシックロックっぽく、女性デュオがキラキラしてて太陽サンサンがとっても似合った感じしました。
メインステージ3番手はモンスターハードロックバンドLordi!1曲目からステージ前に設置されてたパイロをシュワシュワ噴射!前日クオピオで開催された同じフェスで、Amen脱退後加入した新ギタリストKone(コネ)がライブデビュー!昨年7枚組のアルバム『Lordiversity』をリリースしたLordiですが、今年はデビューアルバム『Get Heavy』発売から20周年ということで、『Get Heavy』収録曲とユーロビジョン優勝曲「Hard Rock Hallelujah」が収録されたアルバム『The Arockalypse』からの曲が中心になってました。ヴォーカルのMr.Lordiはいろいろ小物を取り出してきて、パイロもふんだんに使われ、なじみの曲のオンパレードで楽しく盛り上がれたライブでした。
そのあとセカンドステージに登場したのは、オーストラリアのバンドRinRinがキャンセルになってかわりに出演となったAndy McCoy!この秋60歳を迎えるAndyは今年前半アコースティックトリオでフィンランドツアーを行っていましたが、夏のフェスは新ギタリストにPrivate Lineで知られるSammy Aaltonenを迎え、久々にバンドと出演。この日Sammyは3曲リードヴォーカルも担当してました。Hanoi Rocksの曲もセットリストに入ってましたが、「Taxi Driver」ではステージ脇でみていたこの日同じく出演していたAlice CooperのギタリストRyan Roxieが飛び入り出演という嬉しいサプライズもありました!Andyからは8月5日カヴァーアルバム『Jukebox Junkie』リリース予定。その前7月22日先行シングル「Take Me I'm Yours」リリース!コロナで延期になっていた来日振替公演が今年10月に予定されています。Andyの希望で来日はトリオになるそうです。
そのあとUriah Heepが出演予定でしたが、メンバーのコロナ陽性がわかり直前キャンセルになり、急きょメインステージに立ったのは 3ピースのロックバンドPeer Günt!バンド名はこれまでに何度も聞いたことはあったものの、ライブを見るのは今回初めて。バンド結成が1976年とのことでかなりキャリアの長いバンド!ちょっとブルースっぽさも感じるハードロックで、ベテラン感たっぷりのギターサウンドがかっこよかった印象が残りました!
セカンドステージのトリは若手ハードロックバンドTemple Balls! 昨年春にリリースになったサードアルバムを中心にしたセットリストで、今年春にリリースされた先行シングル「Strike Like a Cobra」も披露!途中ギタリストの2人、イリとニコのギター炸裂ギターバトルが加わってました。ヴォーカルのアルデはステージを動きまくり、彼らのステージは若いエネルギーがあふれていて、メロディアスでキャッチャーな曲が多く観て聴いて楽しいライブでした。
2日間あったRock In The City VantaaのトリはAlice Cooper!いろんな小道具や巨大なキャラクターがステージに登場したり、噂に聞いていたギロチンも登場して首を切られたりとホラーな演出がされていて、つぎは何が起こるか見ていてドキドキ。Ryan Roxie、Tommy Henriksen、Nita Straussとギタリストが3人いますが、それぞれすごくかっこよくサウンド面をバンドががっしり固めていたのも印象に残りました。今回のヨーロッパツアーが終わった後で、Nita Straussがツアーメンバーから抜けるニュースが伝わり、その前に見ておけてよかった!前日クオピオで行われた同じフェスにも出演していたAlice Cooperですが、クオピオではアンコールの「School’s out」に同じ日出演していたMichael Monroeが飛び入り出演というサプライズがあったようです。ヴァンターではMichaelはいませんでしたが、アンコールではバブルが飛び交う中、大きな風船を剣で刺して割って中から紙吹雪が舞ったり、思いっきり楽しめたライブでした!
コロナ制限がなくなりライブが普通に開催できるようになったフィンランドですが、出演者のコロナ検査陽性で直前、時には当日キャンセルもあったりで、単独公演だとキャンセルになると返金になるけど、フェスだとお目当てのバンドがキャンセルになってもフェスがキャンセルにならない限り普通は返金がないのが痛いところ。今回観に行ったこのRock In The Cityは見たかったバンドの一つArionがキャンセルになったのは残念でしたが、最初は予定に入ってなかったAndy McCoyが見れたり、もともと見たいバンドが多かったのでキャンセルはあったもののお天気にも恵まれとても楽しめたフェスでした。この日は夜少し寒くなってきてジャケットをはおりましたが、フィンランドの夏は日中汗ばむ暑さでも夜になったら10℃以下に気温が下がることも珍しくないので、フィンランドでフェス参戦の方は天気予報チェックして夜に気温が下がるようだったら上着を持参しておいた方がいいかと思います。雨の場合は傘は持ち込み禁止がほとんどなのでカッパの用意をお忘れなく。
写真&文: Hiromi Usenius
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