【俺の楽器・私の愛機】808「受け継いだバトン」

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【GANSON/レスポール】(千葉県 ボブ・マックス 17歳)


当時ガンズのスラッシュにドはまりしており、当然のごとくレスポールが欲しくなった私は某フリマサイトで「GIBSON レスポール」と検索しました。もちろんギブソンを買う財力などありません。見るだけでよかったのです。そう、最初は。

5桁の数字がずらっと並ぶなか、ふと4桁の数字を見つけました。70年代製のレスポールカスタム。しかも好みど真ん中のサンバースト。ヘッドにはギブソンらしき文字が見えましたがよく見ると「GANSON」。なあんだとスマホを閉じ、その日はそのまま眠りにつきました。しかし翌日の授業中、頭のなかはあのレスポールで一杯でした。家に返ってすぐに父親に「ギターを買う」と宣言し、勢いのままに購入しました。

出品者の方が本当に気さくな方で、取引の間ギターについて沢山の話を聞かせてくれました。思い出の詰まった一本だということ、晩酌を共にしていたこと。このレスポールが彼にとってどんなに大切な友人なのか、やりとりの一つ一つが表していました。そんな会話の中でひとつ心に残っているものがあります。「愛用していただける方の元へ行った方がギターも嬉しいと思います」

届いたレスポールは50年の風格に溢れていました。所々変色したバインディング、クラックの補修跡、剥げて色の落ちたセレクターの文字、そして表面が剥がれて錆びたハムバッカーのカバー。早速いつものVOXパスファインダー10に繋ぎ、T-REXの20th century boyのリフをかき鳴らすと、目の前にはその残響と共に沸き立つライブ会場のイメージが私には確かに見えました。

正直のところ元よりSGを使っていた私にとってシングルカッタウェイ×ボルトオンネックのレスポールは決して弾きやすいギターとは言えませんでした。それでも私は細いレザーストラップを目一杯低く調整し、今日も楽器まみれの自室を揺らすのです。

"Take me down to the paradise city"




   ◆   ◆   ◆

「細いレザーストラップを目一杯低く調整し」の一文に惚れた。こういうの大事。誰に頼まれたわけでもなく、こういう価値観に身を投じるの、とても大事。弾きにくくてもそうするの、何より大事。ボブ・マックスさん、17歳なのによく分かっているねぇ。私はその元オーナー側の世代なので、今こうやってデタッチャブルのレスポールタイプをみると、なんだか可愛くてネックを外したり別なネックをはめてみたりしてみたいなという変な虫が騒ぎます。世代を超えて可愛がられるギャンソン、サイコー。(JMN統括編集長 烏丸)


★皆さんの楽器を紹介させてください

「俺の楽器・私の愛機」コーナーでは、皆さんご自慢の楽器を募集しています。BARKS楽器人編集部までガンガンお寄せください。編集部のコメントとともにご紹介させていただきますので、以下の要素をお待ちしております。

(1)投稿タイトル
 (例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
 (例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
 (例)トラヴィス・ビーン TB-1000
 (例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
 (例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
 (例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
 ※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
 ※最大5枚まで

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