【俺の楽器・私の愛機】704「今度は上手くやっていけるだろうか？」

【Tokai Ls200 1981年】（東京都世田谷区　ナレノハテ　57歳）


「コンビニ行ってくるね！」と出て行ったきり13年が過ぎた2022年2月、「ただいま」と、あの頃と変わらぬ姿で・・・。私は一瞬たじろいだ。「今度は上手くやっていけるだろうか？」

高校1年の私は、その頃盛り上がりつつあったヴィンテージギターに夢中。それを愛用するギタリストやノーマン・ハリス氏のコレクションの写真を飽きもせず、穴のあくほど見つめていた。今の相場からすると可愛いものだったが手の届くはずもなく、そこで狙いを定めたのがこのギター。

母に「いかにこのギターが素晴らしく、どんなに欲しいか」や「私立の姉に比べ、公立の私はとても安上りだ」などと言ってみたところ、あっさり快諾。

母はそもそも専業主婦だったが友人の付き合いで受験し、宅建取引主任の免許を取得。遠い遠い親戚の土地取引に加担してあぶく銭を得ていたのだ。もちろん、そんなことは織り込み済みである。数か月後それが届くと、色々な角度から眺め・弾き・磨き悶えていたが、当時のバンドはアーム必須。どうしても同時期にやって来た#586に手が伸び、馴染み、それは不動のセンターに。

その後、ライブはおろかデモ録りにさえ一度も使うことなく、突然の別れと再開。「今度は上手くやっていけるだろうか？」もしダメだった時は、このギターの新しい生活を見つけることが私の役目だと・・・分かっているつもりです。




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いかにもハードメイプル然としたいい顔つきのトップですね。これは眺めるだけで丼飯3杯の勢い。13年もの間手元になかったというのは、友人にでも貸していてひょっこり返却されてきたということなのでしょうか。それにしても名機の名をほしいままにするLS200がひょっこり帰ってくるというそのお話は、ギター好きなら羨望しかないやつ。今度もうまくやっていけないのなら、私に譲ってくださいと全国のトーカイファンが絶叫する様子が目に浮かんでいます。（JMN統括編集長 烏丸）


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