【俺の楽器・私の愛機】702「母のへそくりをもらって買ったレコード屋のかべに掛かっていたアコギ」

【モーリス W-15】（東京都　あんこ　60歳）


中3の時に学校に友達がアコギを持ってきていて、ギターに興味を持ち、自分もどうしても欲しくなり、当時好きだったCharを真似て母にねだってトーマスのムスタングを買おうとしたが、通販はダメと何故か反対されて、しょうがなく近所のレコード屋の壁に掛かっていたこのモーリスが初めて買ったギターです。

ほんとはエレキを買いたかったけど、それでも嬉しくて、このモーリスでCharをコピーしてました笑

その2年後にエレキを買ってバント活動をし始めるとエレキしか弾かなくなったので、社会人になって当時の先輩にモーリスをあげてしまいました。

そこから50本ほど売り買いをして、ビンテージも所有しましたが、歳を取ってきて改めて初めて買ったギターを手放した事を後悔してたんですが…

そんなある日、何気なく見ていたヤフオクに当時持っていたモーリスと同じモデルが出品されていて、ネック裏に見覚えがあるダコンらしき物が薄ら写ってたので、もしかしたらと思い落札して実機を確認したら、間違いなく自分が当時母の人形ケースの角にぶつけた大きなダコンがあり、（当時本当に凹んだので、鮮明に覚えてたんですよね）自分が最初に買ったギターそのものだったんですよ。

30年ぶりのこんな奇跡的なギターとの再会があるんですね！もう手放さないと決めたそんなギターです。

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こんなすごい話あるの？奇跡そのものやん。どこかでニアミスしていた可能性なんてこともほとんどない事と思うけど、その上で「取り戻したい／もう一度欲しい」と思っていなければ着目することもないわけで、いろんな偶然と幸運の女神の微笑みによるドラマですね。まさに小説より奇なりってやつ。いまでこそ経年を経て枯れたヴィンテージサウンドを奏でてくれる魅力あるギターになっていると思いますが、W-15は定価15,000円の比較的安価でエントリーな位置付けだったことを考えると、粗雑に扱われたり完全放置されたりとギター寿命を縮める仕打ちを受けなかったという奇跡もあります。ホント、幸運のギターですね。（JMN統括編集長 烏丸）


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