【俺の楽器・私の愛機】683「初恋のBass Guitar」
【Music Man Stingray Bass】(Colchester Essex United Kingdom Kozo Wada 59歳)
人それぞれの思い入れのある楽器にまつわる話、いつも楽しく拝見させて頂いてます。僕にも43年間連れ添ってきたMusicman Stingray Bassがいます。
8歳の時にBeatlesに目覚め、70年代に10代を過ごした自分は高校生になるとバンドを始め兄がベースを弾いていたこともあり、有無を言わさずベースを担当する事に。兄のGrecoPB380を借りてライブを開始、初めてコピーしたのはCreamのSunshine of your love、地元愛知県半田市にあったサウンドイン大衆堂(店のスタッフの方々が優しくいい人たちばかりだったな~~)で週末にスタジオを借りて練習し、大衆堂さんが主催する15バンド余りが出るコンサートでデビュー。Creamの他にBeatlesやDerek & the Domino's、 Aerosmith、Doobie Brothersなんかやって完全にバンドにハマってしまいました。
1978年の夏のある日大衆堂のショーウインドーに発売されたばかりのStingrayが展示されているのを見て一目惚れ。当時の価格で25万円余り親のスネをかじってる高校生の分際には高嶺の華、もうどうしょうもなく欲しくて一発奮起。夏、冬、春の休み全てを看板屋のバイトに捧げ札束持って一年越しで手に入れた一品です。お陰様でバイトでシンナーを吸い過ぎ?学業の方は急降下、大学はおろか卒業もままならない状況におちいった次第です。
社会人になってからもバンドは続けましたが、VocalやGuitarにスイッチしてみたり暫く蔑ろにしていた時期があったり、幼い頃から放浪癖がある自分は自転車で国内、外国を旅するのが好きで、旅に出ている間Stingrayを兄や友達に里子に出す事も多々ありました。
その後、豪州のPerthで出会ったイギリス人の娘と結婚、5年間日本で暮らし26年前にUKに移住。8歳の時に初めてBeatlesに感化されて以來ブリティッシュロックにハマってしまった自分としては34歳にしてロックの聖地で第二の人生を送る事になりました。しかも僕が初めてコピーしたCreamの伝説のベーシストJack Bruceが隣村に住んでいる事を知りいつの日か地元のパブでバッタリ会える日が来るのを楽しみにしていたのですが、それも叶わず7年前にJackは亡くなってしまいました。
イギリスに来てからもバンドは止められず若い子達とバンドを組んで週末パブで2セット3時間のギグをやったりして楽しんでいます。ビール飲み放題でバンドあたり200~400ポンド程の報酬をもらえ好きな事やってお小遣いが貰えるなんて最高です。Stingrayは指板はかなり摩耗していますが、VolとBassのポットを交換しただけで完全にオリジナルな状態です。今年還暦を迎え嫁には僕がポックリ逝ったらホスピスのチャリティーにStingrayを寄付するように伝えています。
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海の向こうからの投稿だ。貫禄と迫力をまとったスティングレイですが、何よりエピソードが濃すぎて熱すぎてエモすぎて、血圧上がり気味。43年もの愛用だなんて、なかなか真似できることではないし、最終的にイギリスの空気を吸っているなんて、完全に限界突破しちゃってるやん。指板の天然剥がれも戦歴の凄さをありありと物語っていますが、好きな音楽を楽しくプレイしてビールがぶ飲み&お小遣いももらうなんて、まさにそこはバンドマンが行き着きたい桃源郷。素敵すぎて鼻血出そう。ぶしゃー。(JMN統括編集長 烏丸)
★皆さんの楽器を紹介させてください
(1)投稿タイトル
(例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
(例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
(例)トラヴィス・ビーン TB-1000
(例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
(例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
(例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
※最大5枚まで
●応募フォーム:https://forms.gle/KaYtg18TbwtqysmR7
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