【インタビュー】西野公香、EVERY .LIVEを手がかりに目指す場所「導かれた先がナゴヤドームだったらいいな」
サービス開始から1年で、40万ダウンロードを突破したライブコミュニティアプリ“EVERY .LIVE”。全国各地のライバーたちによる歌唱や美容、育児に関するトークなど、バラエティ豊かな配信を24時間視聴することができる。
昨年10~12月にはアプリ内イヴェント<MUSIC STAR LIVE>が開催。音楽ライバー向けのコンテスト企画で、入賞者5組はVeats Shibuyaでの無観客配信ライヴ<MUSIC STAR LIVE vol.1>に参加でき、さらに優勝者は長尺ステージでのパフォーマンスと音楽サイトBARKSでのインタビューが行われるという特典が用意された。
無事2022年2月18日に<MUSIC STAR LIVE vol.1>が開催され、その余韻が冷めやらぬなか、優勝者のシンガーソングライター・西野公香(EVERY .LIVEネーム“ハッピースマイル公香”)へインタビューを慣行。彼女のバイオグラフィやライバー活動、当日のステージなどに言及した。<MUSIC STAR LIVE vol.1>のライヴレポートとともにお楽しみいただきたい。
◆西野公香 写真
◆ ◆ ◆
■「フルバンドで歌うの、すっごく気持ちよかったです!
■すべてが初めての感覚でしたね。愛に溢れた空間でした」
──西野さんはアプリ内イヴェント<MUSIC STAR LIVE>開催時からTwitterでも“このイヴェントでは絶対に1位を取りたい”とおっしゃっていて、賭ける思いは熱かったとお見受けします。
西野公香:もともとシンガーソングライターとして活動していたのと、ライバー活動を始めたきっかけも自分のライヴに足を運んでいただきたかった、西野公香というアーティストを知ってもらいたかったからなんです。だから<MUSIC STAR LIVE>は自分の目的に合ったプライズでした。“ここでたくさんの人に観てもらうために頑張らないとどこで頑張るんだ!”と思って、ひたすら発信をしていきましたね。
──具体的にはどんなことを?
西野公香:ふだん出演しているライヴハウスのMCで“EVERY .LIVEでこんなイヴェントに参加しています。良かったら遊びに来てください”と告知したり、配信やSNSで“ちょっとでもいいので応援してください”とお願いをしました。でも順位争いはあんまり得意ではないし、そういうものを避けてきた人生だったので、期間中はすっごくドキドキで、かなり胃に負担が……(笑)。でも出るからには勝たないと意味がないし、優勝を目指さないとわたしのことを応援してくださったみなさんにも失礼になると思ったんです。だから頑張りましたね。
──<MUSIC STAR LIVE vol.1>の出演はいかがでしたか?
西野公香:めっちゃくちゃ幸せでした! すごく楽しかったし、なによりリスナーさんにすごく感謝しました。リスナーさんがたくさんアイテムを投げてくれて、わたしをここまで連れてきてくれた。自分の力だけで立てた場所ではないので、“この時間を大切にするためにも1曲1曲を精いっぱい歌わないと”という思いでいっぱいでしたね。視聴者さんと一緒にひとつのライヴを作り上げるために、カメラ目線をしたり、歌の隙間で話しかけたり、観ている人が反応しやすいように心掛けました。でもプレッシャーもすごかったです(笑)。
──プレッシャーに打ち勝ったステージだったのではないでしょうか。当日披露したセットリストは、すべてリスナーさんたちのリクエスト曲だったそうですね。
西野公香:イヴェントで応援してくださった方々には、わたしからお礼をお返しするようにしているんです。今回はそのお礼を、当日のセットリストのリクエストにしたんですよね。みなさんご自分の好きな曲を選んでくださっているので、当日のステージでもリクエストしてくださった方のことが頭に思い浮びました。
──リクエストされた楽曲のなかに、自分ならこの曲はセットリストに入れなかっただろうなと思うものはありましたか?
西野公香:いや、たぶん自分で考えたとしてもこんな感じにしていたと思います。違ったとしても1曲くらい。選んでいただいた5曲のバランスも良くて、いろんな西野公香を観ていただけるセットリストになって。これは完全にリスナーさんたちのファインプレーですね。
──それを初のフルバンドでパフォーマンスできたのも感慨深かったのでは。
西野公香:フルバンドで歌うの、すっごく気持ちよかったです! リハやゲネでバンドの方々が“ここはもっとこうしたほうがいいんじゃない?”と意見交換をして、よりライヴ映えするアレンジにしてくださって。さらに曲の魅力を引き出していただきました。一緒に合わせていくなかでバンドのみなさんとの一体感やチーム感も生まれて。普段はオケを流してひとりでステージで歌っているので、すべてが初めての感覚でしたね。愛に溢れた空間でした。
──ほかの音楽ライバーさんとの共演も、EVERY .LIVEリスナーには新鮮だったと思います。
西野公香:その人それぞれの魅力が溢れていて、みなさんすごくかっこよかったです! なかなか生で観られないので、もっと長尺で観たかった! とみたえりぃは昔から仲のいい友達で、MiLLちゃん(MiLLSinger)も4年くらい前に共演してEVERY .LIVEをやっているのを知った段階でコンタクトを取っていたので、仲のいい人たちとイヴェントに出られたのもうれしかったです。むらさん(むらさんだょ~ん)とは初対面だったんですけど、昔からの友達だったっけ? と思うほど打ち解けて。めっちゃ楽しかったです。
──<MUSIC STAR LIVE vol.1>は、西野さんにとってかけがえのない経験になったんですね。
西野公香:<MUSIC STAR LIVE vol.1>のあと、新規のリスナーさんが定期配信に来てくださったんです。自分としてもそれを期待していたので、やった!と思いましたね。今後の活動につながる、素敵な機会になりました。
■喉の結節で声が出なくなり…
■「いちばんやりたいことは歌うことだなと思ったんです」
──ではここからは、西野さんがどんな過去を経てきたのかを伺えればと思います。<MUSIC STAR LIVE vol.1>のトークセクションで“3歳のころから歌手になりたかった”とおっしゃっていましたが、当時の西野さんはなぜ歌手を夢見たのでしょう?
西野公香:もともと両親がすごく歌がうまくて、特に父はのど自慢大会で何度かチャンピオンになっているんです。わたしは4人きょうだいの末っ子なので、小さいころから家族みんなでよくカラオケに行っていたんですよね。だから当たり前のように歌うことが好きになって、鏡の前でモーニング娘。さんの歌を歌ったりしていました。自分はアイドルになるものだ、人前で歌う人間になるんだと思ってましたね(笑)。
──では10代のころから芸能活動を?
西野公香:新聞に載っているオーディションを受けに行ったりはしていましたね。でも受かるつもりで受けていなかったり、親も“受けたいなら受ければいいけど名古屋でできるものしか許可しない”というスタンスだったんです。だから10代のころは強い思いで歌手を目指していたわけではなくて。それで高校時代に受けたオーディションの最中に、“あ、もうやーめた”という気持ちになって、夕方からバイトもあったから途中で帰っちゃったんです。
──そうだったんですか。ふとスイッチがオフになってしまったのでしょうか。
西野公香:恥ずかしくてオーディションを受けていることを周りの友達にも話せなかったし、年齢を重ねるごとに“いつまでこんなことやってるんだろう。ちゃんと働いて自分の道を切り開かなきゃ”と思ったんです。歌が好きなだけだから、カラオケに行けばいいかなって。帰ったあとも何度か連絡が来たんですけど、それにも出ませんでした。
──それでスポーツジムのインストラクターとして就職をお決めになって。でもそのお仕事中に、声が出なくなってしまったそうですね。
西野公香:めちゃくちゃ声を出すので、喉に結節ができちゃって。一切しゃべることができなくて、いちばん大きなストレス発散だった歌が歌えなくなって……。それがすごくストレスだったんです。そんなときに観ていた『ミュージックステーション』に西野カナさんが出演なさっていて、かわいいなあ、こんなところで歌えていいなあ、きらきらしているなあ……と思って。そしたら小さいころきらきらした人になりたかったのを思い出したんですよね。
──先ほどおっしゃっていただいたモーニング娘。のような。
西野公香:そしたら急に“1回きりの人生なのに何してるんだろう?”と自分にイライラしてきちゃって。もちろんスポーツジムのインストラクターも好きで始めたことだけど、いちばんやりたいことは歌うことだなと思ったんです。そこで歌手になるためにどうするかを第一に考えて行動するようになりました。一気に切り替わりましたね。決定的なターニングポイントだったと思います。
──そこからどのように行動を起こしていったのでしょう?
西野公香:まずは引き続きインストラクターとして働いてお金を貯めて、きりのいいところで退職をしました。この時点では名古屋で活動できていればいいなと思っていたんです。それで前みたいにオーディションを探していたら、高校時代に途中で帰ったオーディションがまだやっていたんですよね。それを受けに行ったら、向こうの方が覚えていてくださって。
──へええ。数年経っても覚えていてくださっていたんですね。
西野公香:名前で気付いてくださったみたいなんです。これも縁かなと思って、受かったことをきっかけに上京を決めたんですよね。
──それが2016年4月。そこから本格的にシンガーソングライターとしての活動を開始すると。
西野公香:DTMの勉強と並行しつつ、トラックを作ってくださる方とミックスをしてくださる方を探しました。とにかく人とのつながりを作って作って作って作って……そうして出会えたのが今もずっとお願いしている方なんですよね。いただいたトラックにわたしが歌詞とメロディをつけて、そこで本格的に自分の曲を作ることができるようになったんです。
──西野さんの楽曲はメロディも言葉の使い方もとてもキャッチーですよね。一度聴いたら見事にイヤーワームで。
西野公香:わあ、うれしい! 頭に残るメロディ、頭に残るフレーズを何より大事にしているんです。あとは自分の感情をこめて丁寧に伝えられる楽曲にしたくて。だから自分の大好きなクールでかっこいい重低音がんがんのR&Bではなく、自分の声にいちばん合うJ-POPをやっています。
──ご自身のナチュラルな性質を生かした音楽性ということですね。
西野公香:そうですね。裏声が好きと言っていただくことが多いので、自分が気持ちよく高音を出し切れるメロディを考えています。無理をしないで綺麗に出せたほうが自分も歌に集中できるので、かっこつけない、無理しない! それがいちばん大事かなって思っています。
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