【インタビュー】KISAKI、第三期「MIRAGE」の活動を表明「今のV系シーンに新しい布石を残せる活動を…」

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■MIRAGEの25年という歩みの集大成であり
■ここから未来へ向けてという意識を持って作り上げたアルバム


──今回の復活劇で嬉しいのが、既発曲の新録のみならず、新曲も収録されていること。動き出す以上は、新しい表情も加えたかったわけですよね。

KISAKI:MIRAGEが解散した後にベスト盤『BEST COLLECTION 1997~2000』を発売しているんですが、今作は気持ちをゼロにして新たな名盤を作りたくて。25周年の活動に合わせて過去の曲を新録して1枚作る形でも良かったんですけど、新たに動く以上、新曲は絶対に必要だとずっと思っていました。何より自分自身が、動く以上は“新しいMIRAGEの色”をしっかりと提示したかった。そしてもう一つのこだわりが、CD盤という形として残るものにすること。今はサブスク配信が主流にもなってるけど、まずはCD盤という作品を、MIRAGEを本気で求める人たちの手元に届けたかった。収録曲も、MIRAGEに欠かせない曲から、これからのMIRAGEを示唆する歌まで、バランスを考えています。

──嬉しいのが、MIRAGE立ち上げ時のヴォーカリストのTOMOさんも2曲参加していることなんです。

KISAKI:TOMOは現状、音楽活動から引退しています。だけど、MIRAGEの25周年盤として『BIOGRAPH』を制作するのであれば、MIRAGEにとっても大切な存在のTOMOの歌声もしっかりと刻みたかった。そこでTOMOを説得し、レコーディングに参加してもらいました。曲も、TOMO自身が強く思いを持っている「MOON-LIGHT-DANCE」と、すごくメロディーの良い楽曲だからこそ、今の形で甦らせたかった「Etenity」に参加してもらいました。

──いいですね。制作はどのように進めていきましたか?

KISAKI:以前までは、あえて期日を決め、短期間で次々と作品をリリースする活動方針でしたが、今回はそういう縛りを排除。とにかく納得のいく音源が出来るまでじっくり時間をかけて、1曲1曲丁寧に仕上げました。おかげで、本当に内容の濃いアルバムを作れたと思います。


──新曲含め、MIRAGEらしさがどの楽曲からも出ているのが、聞いていて嬉しかったことでした。

KISAKI:MIRAGEが持っていた90年代のヴィジュアル系音楽スタイルの息吹を、しっかり今の時代へ進化させた曲たちばかりですからね。正直、今の流行りのヴィジュアル系の音楽とは異なるスタイルでしょ? 今のシーンの中では置き去りにされがちな、良質なメロディーを魅力にした、歌を聞かせる曲が並んでいると思いますね。

──確かに今のヴィジュアル系シーンでは、こういった曲が少なくなっているかもしれませんね。

KISAKI:もちろん、今すごいバンド、支持を得ているバンドもチェックしてアンテナもはりまくってますし評価もしています。でも、僕自身が憧れ、血肉としてきたヴィジュアル系の音楽や、僕自身がいくつものバンド活動を通して変わらずに貫き続けたのは、良質なメロディーを持った歌系の楽曲なんですよね。いつしか自分のスタイルが時代の流れと寄り添うことなく独自の音楽性になり始めた頃から、それを世の中は「KISAKIらしい音楽スタイル」と呼んでくれるようになったので、それをMIRAGEでも活かしています。

──むしろMIRAGEが提示してきた音楽性こそが、以前に“ヴィジュアル系らしい”と言われてきた音楽スタイルですからね。

KISAKI そうなんですよ。90年代のバンドは、みんなしっかりとしたメロディーを持った曲を演奏していた。その歌へ入るまでのリフやイントロの部分でも、切ない雰囲気で聞き手の心をグッとつかみ、その期待を持って歌に触れ、さらに聞き手が引き込まれてゆく。むしろ、それが90年代のヴィジュアル系の音楽スタイルとして当たり前の形でしたからね。


──その空気を、MIRAGEのアルバム『BIOGRAPH』を通して今の時代にしっかり提示してくれたのが嬉しいこと。『BIOGRAPH』の中で、特に注目してほしい聞きどころがあったら教えてください。

KISAKI:新曲の「Imitation」は僕が作曲を手がけていて、この曲は自分の中でも会心の出来だなと自負しています。あとは、オープニングを担ったインスト曲の「Wheel of Fortune」から、続く「UNtruth」に繋がる流れ。MIRAGEとしての25年間の歩みを「Wheel of Fortune」で回想してもらい、新曲の「UNtruth」で新たなMIRAGEの物語が始まるんだという思いを込めています。この『BIOGRAPH』は、25年という歩みの集大成であり、ここから未来へ向けてという意識を持って作り上げたアルバムになっているので、以前のMIRAGEを知っている人には、その進化がしっかり見えてくると思います。

──進化と言えば、一つ気になることが。MIRAGEの結成25周年はもちろん、Matinaの誕生25周年の動きについてなんです。

KISAKI:もちろん、Matinaの25周年にまつわる動きは考えていますよ。ただし、今はMIRAGEの動きをしっかり形作ることが何よりも大切なこと。アルバムの発売日や、大阪と東京でのライブも発表しているので、まずはそこまでの動きをしっかりと描きあげたい。それら一連の行動が終わる頃には、Matina25周年に絡んだアクションを起こしたいと思っています。Matinaのことを好きでいてくれている人たちがたくさんいるからこそ、しっかりみんなへの思いを何らかの形で残せたらなと思っています。


──5月に大阪と東京で行うMIRAGEの25周年公演も、会場の規模的に観たくても観れない人たちが多く出てしまうんじゃないですか?

KISAKI;チケット発券後の動き次第にはなりますけど、要望の声がたくさん寄せられたときにはライブ配信も考えます。でも、あくまでも自分の意識にあるのは、古いと言われるかも知れませんが、音源も配信ではなくCD盤にこだわるのも、生でライブを観てもらいたいという気持ちが強いのも、それ自体を一つの芸術作品として捉えているからなんです。今回、アルバム『BIOGRAPH』のTYPE-A盤に「百花繚乱」のミュージックビデオを収録するのも、新たなメンバーで動き出した5人のMIRAGEを永遠に形に残るものとして刻んでおきたかったからだったりします。

──ミュージックビデオ、楽しみです。

KISAKI:今までやってきたバンドも1曲のミュージックビデオに何百万と予算をかけていましたが、今は制作単価もだいぶ低くなってて驚きます(笑)。でも、かつてと同じ規模の予算とこだわりを持って映像も作りますよ。この記事の公開とともにスポット映像も流す予定なので、ミュージックビデオからも僕らのこだわりを少しでも感じていただけると嬉しいです。アホみたいに時間もかけて撮ってますし!




──少しKISAKIさん自身の話も伺いたいなと思います。表立った活動を抑えてとはいえ、数少ないながらも毎年ライブ活動を続けていますよね。

KISAKI:1993年にバンド活動を始めて以降、途切れることなくライブ活動は続けていますね。近年はコロナ禍もあり本数は減りましたけど、2021年も<輪廻転生>というイベントを大阪で開催したり、HEROという僕の事を常に気にかけてくれる可愛い後輩のワンマンへ飛び入りしたたり、毎年何かしら表舞台には立ち続けています。それ以上に誘いも受けていますけど、意味や意義のないライブに出てまで表舞台に立ちたいわけではなくって。今後もそこの意識は変わらないと思います。MIRAGEの今後に関しても、そんなにたくさんのライブをやる訳ではありません。ただそれは現状であって、未来は自分でも想像できないです。

──その発言を聴くと、今後もMIRAGEがどんな活動をしていくのかにとても期待してしまいます。

KISAKI:今回の復活は、MIRAGEの結成25周年というタイミングでのアクションであって自分の中でも大切な事。2023年は、僕の音楽活動30周年という大きな節目の年になる。それをどういう形で示すのかも、今はまだ白紙ですけどアイデアは無尽蔵に広がっていますし、2023年はそこの活動へ意識を傾けていくことになると思います。大きく捉えるなら、MIRAGEの復活やMatinaの20周年も、すべてはKISAKIの音楽活動30周年を彩るための大きな布石となる動き。改めて今のヴィジュアル系シーンに何かしら新しい布石を残せる活動を、これからを含め、30周年までの月日で刻んでいきたいと考えています。舜くんは今年が30周年らしいですし。


──楽しみです。最後に読者へメッセージをお願いします。

KISAKI:ここ2~3年溜まっていたストックやフラストレーションをすべて吐き出し、集約。納得のいくアルバムができました。CD発売記念ライブという形は凛-the end of corruption world-のとき以来になります。MIRAGEとしてみんなと再会できるのは、すごく嬉しいこと。もちろん、SNSを通して繋がりあえるのも嬉しいですが、やはり直接顔を合わせて出会えるのが一番の喜びです。現状では無理に来いとは言い辛いですが…。今回のライブを少しでも多くの方々に見てもらいたいからこそ、その方法もこれからいろいろ考えていこうと思っています。先の見えない情勢ではありますが、メンバーみんなや応援してくれる方々と楽しくやれたらなと。


取材・文◎長澤智典
写真◎野村雄治
HAIR MAKE◎A・DO(Tritt fur Tritt)
HAIR MAINTENANCE◎hiko(UNDIVIDE)

『BIOGRAPH』

2022年4月20日 2TYPE Release
LCD-005A/005B

【TYPE-A】DVD「百花繚乱」(PROMOTION CLIP」付二枚組 価格4,400円(税込み)

【TYPE-B】ボーナストラック「Cloudy」(新曲)収録 価格3,300円(税込み)


W購入の方全員に新録CD「NECROPOLICE~Peacefully in heaven~」応募券封入

<CD発売記念&25TH ANNIVERSARY LIVE「Carve of BIOGRAPH」>

2022年5月22日(日)大阪・十三246 LIVEHOUSE GABU
2022年5月29日(日)東京・目黒鹿鳴館

GUEST:Leetspeak monsters O・A有り

前売り5,000円(drink代別) 開場16:00 開演17:00

【チケット発売日】
イープラスのみ
2月12日(土)10:00~発売開始。

購入ページURL(大阪) https://eplus.jp/sf/detail/3547980001-P0030001

購入ページURL(東京) https://eplus.jp/sf/detail/3547450001-P0030001


KISAKI サイン入りチェキ プレゼントキャンペーン概要

【応募資格】
・日本国内にお住まいの方
・Twitterアカウントをお持ちの方
・BARKS編集部 Twitterアカウントから投稿される応募用のツイートをキャンペーン期間内にリツイートした方
※必ずご自身のアカウントを“公開”にした状態でご参加ください。アカウントが非公開の場合は参加とみなされません。
※ダイレクトメッセージを受信拒否設定している場合、参加とみなされません。

【賞品名・当選人数】
KISAKI サイン入りチェキ(2枚)
1名様

【応募方法】
1.BARKS編集部 Twitterアカウント「@barks_news 」をフォローしてください。
2.BARKS編集部 Twitterアカウントから下記キャンペーン期間中に投稿されるキャンペーン応募用の投稿をリツイートしてください。
3.上記で応募は完了となります。
※フォローを外すと応募権利がなくなりますのでご注意下さい。

【応募期間】
2022年3月10日(木)~2022年4月10日(日)23:59まで
上記期間内にされたリツイートが応募対象です。

【当選発表】
Twitter DMにて当選のご連絡と専用フォームのURLをお送り致します。
専用フォームで必要事項を入力ください。

【賞品発送】
配送は国内のみ、賞品は2022年4月下旬頃までに発送予定です。
※やむを得ない事情により賞品の発送が若干遅れる場合がありますので予めご了承ください。
※ 以下のような場合には、ご当選の権利を無効とさせていただきます。
1.ご住所入力の不備により、賞品がお届けできない場合。
2.ご不在などにより、運送会社での保有期間を超えて賞品をお届けできなかった場合。

【ご注意事項】
転売(不特定多数への転売、オークションなどを含む)目的でのご応募は、ご遠慮願います。

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お客様からいただいた個人情報は、賞品の発送及び、サービスの開発や、個人を特定しない統計資料、当該プレゼント/モニタにおける商品の発送、及びそれにまつわるサポートのために利用いたします。上記以外の目的で個人情報を利用する場合は、予めその目的を明示し、お客様の同意を頂いた場合のみ、個人情報を利用いたします。
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