【俺の楽器・私の愛機】635「交通の途絶した中をやってきた愛器」

【Gibson ES-175D】（大阪府　ほんとはピアノ弾き　53歳）


ギブソンES-175D。阪神淡路大震災の翌日に届いたものです。

1995年初頭、ふらっと一人で東京へ行きました。目的の一つはジャズのライブ、もう一つは憧れのフルアコのギターを買うこと。そしたら、このギターの新品が、地元大阪ではありえない安値で売られていました。試奏して何の問題もないことを確認→大阪に帰って同等の値段のものがないことを確認→東京の楽器屋に電話注文、現金書留で送金

あとは楽器が届くのを待つばかり、という時に阪神淡路大震災が。その日に同僚が出先へ行くのに車で出てしまい、徒歩20分の距離がひどい渋滞で片道2時間半！かかったそうです。

次の日から通常の仕事に戻りました。帰り道でふっと思い出しました。東京の楽器屋に電話せな。こちらはこんな状態ですから、楽器の発送は当分先にしてくださいとお願いせなあかん、と思って玄関を開けたら、なんとこのギターが届いていたのです！

届けてくれたのは宅急便。このギターを届けるのにどれほどの時間がかかったのか、想像もつきません。一生大事にしようと思いました。

音も弾きやすさも最高です！



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なんだかこれも泣きそうなエピソードや。歳とると涙もろくてあかん。大変なときこそ、周りに感謝の気持ちですね。そこで受け取れる思いは、ほんとお金に代えられないもの。私、ES-175Dはスティーブ・ハウへの憧れから欲しいと思っていたんだけど、一方で弾きこなせる自分が想像付かず自然と距離が開きました。私には出会いがなかった。（JMN統括編集長 烏丸）


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