ロブ・ハルフォード、鬱状態が訪れたときの対処法を語る

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Photo by Sam Erickson

ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォード(Vo)は、以前ほど酷くはないが、いまでも鬱の瞬間が訪れることがあるそうだ。80年代後半、自殺しようとするまで追い込まれた彼が、過去の経験を踏まえ、いま、鬱状態に陥りそうになったときどう対処しているか語った。

◆ロブ・ハルフォード画像、動画

ハルフォードは、スペインのメディア『MariskalRock』のインタビューで、こう話した。「ただ感じるんだ……。ネガティブな思考だよ。悲観の循環のようなものだ。出口を見つけたり感じることはできない。ブラックホールみたいだ。逃れる方法が見つからない。成功したバンドにいて経済的にも安定していて、いい友達も家族もいる、全て順調だって、自分の置かれている状況がわかっていたとしても、自分自身は内心、とてもダークな場所にいるわけだ」

「俺は、長い間、依存症の一因になっていた自分の性的指向について、いまはオープンでいる。でも、それで終わりってわけじゃないんだ。俺は多くのことに困惑していたんだと思う。自分の存在意義や目的とまではいかないが、ちょっとした思いが、自分の中でどんどん増幅していき、打破できなくなるんだよ。理性や合意的な考えでは打ち破れないんだ」

「答えを探り、見つけようとするのは人生においてとても重要なテーマだ。それを100%振り払うことはできない。いまでも鬱の瞬間は俺に訪れる。前ほど悪くはない。でも、来るんだ。でも、俺にはわかってる……。“オーケー”って思うんだよ。俺にとっては、(脳の)化学的不均衡なんだと。そういうのは起きるんだ。そして、俺はこれが永遠に続くわけじゃないのはわかってる。それはいいことだ。“オーケー、嫌なこと考えてる。何が起きてるのかわからないが、これは一過性のものだ”って思うようにする。その通りなんだよ。どうしてこんな思考になるのか、理解することだ。身体に取り入れたものが原因かもしれないし、脳の化学的機能が原因かもしれない。そして、逃げ場っていうものはあるんだよ。君と共にあり、一緒に乗り切ろうとする素晴らしい人々がいる」

ロブ・ハルフォードは、2020年に出版した自伝『Confess』の中で、鬱や薬物乱用、自殺未遂について赤裸々に明かしている。数年前、音楽の世界で自殺が相次ぐのを目にし、自身の体験を語るのが重要だとの思いを強くしたという。


Ako Suzuki
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