【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.107「マイケル・モンローがセッションするMichael Monroe’s Sessionsシリーズが公開に」

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まずは最初に2021年のフィンランドのロック・メタル界を少し振り返ってみたいと思います。Children Of BodomやBodom After Midnightで知られるアレキシ・ライホが2020年末亡くなったという信じられないニュースが年の初めに飛び込んできたのはみなさん記憶に新しいと思います。お葬式は1月28日に行われたものの、埋葬についてはアレキシが正式に離婚してなかったため法律上婚姻関係にあったSinergyで彼とバンドを組んでいたキンバリー・ゴスとアレキシの遺族との意見がわかれ長いこと埋葬されずにいましたが、12月に双方の合意が得られ、遺族の希望したヘルシンキ北東部に位置するマルミ墓地に埋葬されたニュースが伝わってきました。アレキシの姉アンナさんはアレキシのファンもお墓を訪れて彼を追悼することができ、彼に値する美しくて安らかに眠れる場所に葬りたかったとのことで、お墓の場所も公開になっています。もしフィンランドに来る機会があれば立ち寄ってみてください。

Malmin hautausmaa K58, linja 2 ja hautapaikka numero 19(マルミ墓地 K58、ライン2、埋葬地ナンバー19)
これでやっと安らかに眠りにつけたのではないかなと思います。

そしてフィンランドで今年大ブレイクしたバンドがいます。以前にも紹介しましたが、今年のユーロビジョンソングコンテストにフィンランド代表で出場した自らをバイオレントポップと呼ぶポストハードコアバンドBlind Channelの人気爆発!ユーロビジョンソングコンテストの結果は6位で優勝は逃したものの、2021年度フィンランドのSpotifyストリーム回数No.1ソングはそのユーロビジョン代表曲「Dark Side」でした。とにかくライブ会場にバンドメンバーが到着しただけで待っていた若い女性ファンからキャーキャー黄色い歓声をあびる国内バンドは久々の登場かと思います。彼らの今後に注目したいです!



話は変わってなんとマイケル・モンローからサプライズで友達ミュージッシャン達をゲストに迎えておしゃべりしながらジャムセッションするシリーズ "Michael Monroe’s Sessions” がYouTubeで公開になったので紹介します。

●Michael Monroe’s Sessions エピソード1

第1回目のゲストはフィンランドの若手人気ポップ・スターのロビン・パッカレン。以前ロビンのライブで一緒にQueenの「We Will Rock You」を共演したことがあるとのことで、この曲のファストヴァージョンを2人でセッション!2人の地元トゥルクで開催されたRuisrockでマイケルの50歳のバースディライブが行われたとき、バースディソングを歌う若いロビンの映像が届いたそうですが、実際に初めて会ったのは2013年ごろマイケルがメンターをしていたThe Voice Of Finlandだったに違いないという話もしています。
スタジオでの会話はフィンランド語ですが、英語の字幕も表示できます。


●Michael Monroe’s Sessions エピソード2

第2回目のゲストはHanoi Rocksリボーン時代のメンバーでもあったコステロ・ハウタマキ。選ばれた曲は Lords of the New Church もカヴァーしたことのあるThe Grass Rootsの「Let's Live for Today」で、この曲は2007年頃コステロが在籍している歌詞フィンランド語のベテランバンドPopedaがフィン語に訳して歌った曲でもあるそうです。セッション前の会話でサマーソニックにHanoi Rocksで出演したのは素晴らしかったと語ってます。その時に日本のTVでインタビューも受け、何曲かと共にYouTubeに上がってる話もしてます。コステロはPopedaの活動が忙しくなる前の2020年はマイケルとサミ・ヤッファとのトリオで一緒にライブ活動をやってました。


●Michael Monroe’s Sessions エピソード3

第3回目のゲストは今年一緒にトリオでライブをやっていたサミ・ヤッファとHIMのギタリストで知られるリンデ・リンドストロム!マイケルとサミが一緒にやっていたDemolition 23アルバム収録曲「You Crucified Me」 をセッションしています。この曲はもともと歌詞からしてイースターソングとしてリリース予定だったそうです。セッション前の会話でSamiが92年に来日した時「Taxi Driver」のリフを間違えてしまった思い出話をしてます。コロナで最初サミとコステロと3人でツアーしていた時のトリオの愛称はモコサだったそうですが、コステロの代わりにリンデが加わりトリオの愛称はモリサになったそうです。


●Michael Monroe’s Sessions エピソード4

第4回目のゲストはシンガーソングライターのヤンナ・フルメリンタで、Rolling Stonesの 「Wild Horses」をヤンナのスタイルに合うようアリシア・キーズスタイルでセッションしています。この曲はこの夏亡くなったRolling Stonesのドラマーチャーリー・ワッツに敬意を表しているとのことです。


●Michael Monroe’s Sessions エピソード5

第5回目のゲストはフィンランドの有名な俳優兼シンガー、ヴェスクことヴェサ・マッティ・ロイリと数々のプロジェクトで演奏しているピアニストのレンニ‐カッレ・タイパレとのセッションで、マイケルがブルースハープを演奏して 「Kaikessa Soi Blues」(英題:There's Blues In Everything) を演奏しています。ヴェスクは猫を飼ってるそうですが、彼の住まいのオーナーから車庫の下にキツネが住んでるという話を聞き、猫が襲われないようにしないと!などと話をしています。


●Michael Monroe’s Sessions エピソード6

最後となる第6回目は2017年The Voice Of Finland シーズン6でマイケル・モンローチームに入り、今年放送されたこれまで優勝しなかった参加者たちが競ったThe Voice Of Finland All Starsでも再びマイケルチームに入り優勝したアンドレア・ブローシオです。アンドレアが最初にマイケルをみかけたのはGuns N' RosesのCDに入ってたブックレットに写っていたマイケルをこれは誰だ?と思ったとのことですが、それから約30年後に実際に会うことになったそうです。82年Hanoi Rocks初期の頃、ロンドンでスティーヴ・ベイターズがHanoi Rocksに提供してくれた曲だけど、アンディが俺の方がいい曲がかけるとアルバムに収録されず、1987年にリリースされたマイケルの最初のソロアルバム『Nights Are So Long』に収録された「It’s a Lie」をセッションしています。第5回目でゲストの一人だったピアニストのレンニ‐カッレ・タイパレも加わっています。


マイケル・モンローはニューアルバムのレコーディングをすでに終えていて、2022年春頃にリリース予定とのことです。フィンランドは少しの間コロナパスポートの導入で普通にライブを行うことができていたものの、ここにきてコロナのオミクロン株感染が拡大しつつあり、12月28日から一部地域をのぞきまたライブができない状況となっています。ニューアルバム発売の頃までにはコロナが収まり、バンドメンバーとツアーができる状況になっていることを今から祈りながらニューアルバムを楽しみに待ちましょう!

文:Hiromi Usenius

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