【ライブレポート/インタビュー】激戦を乗り越えついに開催!17LIVE<ON STAGE>ライブハウスから生配信開催
ライブ配信アプリ「17LIVE(ワンセブンライブ)」が11月17日、東京・LIQUIDROOM 恵比寿にて“生”オンライン無観客ライブ<ON STAGE>を開催した。当日は、昨年10月25日から11月20までの期間、同アプリ上で行われた<ON STAGE>出場権をかけたイベントのなか、激戦を勝ち抜けてきた上位10組の個性豊かなライバーらが集結。コロナ感染拡大を鑑みて、延期を繰り返し、ようやくこの日、生バンドの演奏、音響、照明、LEDなどプロさながらの演出とともに、夢のような憧れのライブハウスの舞台に立ったライバーたち。ここではそのパフォーマンスを、現地で生観覧し、レポートしていく。イベント終了後に行われた出演者たちの人気投票で、見事1位を獲得したダイバーのBARKS独占インタビューも公開するので、そちらもぜひ楽しんでほしい。
◆<ON STAGE>ライブ写真
■KOSEI
この日の出演するライバーたちをサウンド面でサポートするのは、この日のために準備された4人編成の17 BAND。彼らがスタンバイしているステージ。その中央にキーボードがセットされ、17ではすでに人気ライバーのKOSEIがイベントのトップバッターとしてオンステージ。1曲目の「Weekend」からピアノを弾きながら、手慣れた様子で“君”という歌詞に合わせて配信カメラを指差すところなどは人気ライバーならでは。KOSEIのやわらかな歌声が、心地よく場内を包んでいく。
KOSEIといえば、国立音楽大学ピアノ科ピアノコースを首席で修了。ピアノの演奏はもちろん、楽曲提供、CM音楽制作など多岐にわたる音楽活動を行いながら、ソロアーティストとして“ピアニスト兼ボーカリスト”という独自のスタイルを確立していった人物。「イネナウト」ではそんなプロ顔負けのキャリアをもつKOSEIのピアノのテンションがぐんぐんと上がっていき、間奏ではバンドとスリリングな掛け合いまで披露。
ダイナミックなピアノプレイで視聴者を魅了したあとは、バラード「Beautiful」の、なんともいえないスイートな歌唱で視聴者たちをどこまでもとろけさせていったKOSEI。そうして「もう終わっちゃうのか」とボソリとつぶやきながら「KOSEIでした」と挨拶をしたあと、最後はピアノの弾き語りから、あなたにしかできないことがある、この世界にあなたは必要な人なんだという熱いメッセージが胸を揺さぶる「Door」を大事に届け、ステージを後にした。
■どり
続いてステージに現れたのは、どり。どりは“即興弾き語りシンガー・ソングライター”という肩書きでライブ配信だけではなく、都内でストリートライブも行ない、日々リアルとネットを行き来しているというアーティスト。キャスケットをかぶって登場した彼女は、ふわりとした海色のワンピースを着てキーボードの前に静かに座る。見た感じはKOSEIと同じスタイル。だが、どりが「海とともに」を歌いだすと、冒頭から何かに強い想いを馳せるような歌いだしに場内の空気がピタリと止まった。バンドはそんなどりのピアノと歌にそっと寄り添うように、小さな小さな音で伴奏を並走させていく。
海色のワンピース。海を思わせるLED。海色の照明。そのなかで“広い海がなかったらあなたは生きられたのでしょう”と語りかける歌詞にドキッとする。歌が進むにつれて、この曲が3.11の東日本大震災のことを歌っていることがだんだんと分かっていく。あのとき、人間たちは自然の猛威に無力さを感じるしかなかった。それでも、自然とともに、海とともに、新しく生きていこう、幸せをつくっていこうと後半にいくに従って、どんどん歌で自然と共生して生きていく希望を歌で届けていったどり。1曲だけのパフォーマンスだったが、その1曲はとても濃厚で、間違いなくズシリとした足跡を人々の心の中に残していった。
■かなやん
3番手、“全力ダンスライバー!”のかなやんは颯爽と舞台に登場。聴こえてきたのは誰もが知っている『踊る大捜査線』のテーマ曲「Rhythm And Police」。選曲に合わせて、かなやんはこの日、織田裕二演じる青島刑事のトレードマークでもあるあのモッズコートを着込んで登場。コートはきっと重くて踊りにくいはずなのに、そんなことを感じさせないぐらいパワフルでキレキレのダンスで終始踊りまくり、見ているこっちを元気にしていく。さっきまで踊っていたと思ったら、今度はいきなり「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」という青島の名セリフを叫びながら、コートの下にしこんでいたおもちゃのピストルをパーンと打つ小芝居でみんなを笑わせるなど、全身全力で人々を楽しませようとする姿はどこまでも爽快。
曲が終わると着ていた青島コートを脱ぎ捨て、ハッピ姿(下はロングブーツ!)になって始まったのは「お祭りマンボ」。“わっしょいわっしょい”という掛け声とともに、LEDには祭印が入った大きなウチワが映され、場内はお祭りムード一色に。中盤、カメラに向かって全力で可愛さをアピールしながらファンサを届けたあとは、いきなり演歌歌手のようなこぶし回しで生歌へ。そこから再びお祭りモードに切り替え、ラストまでエンドレスで加速していった彼女は、息を切らし、汗だくになりながらステージをフィニッシュ。
■くつこ
かなやんがステージを去った後、舞台の真ん中に運び込まれたのはマリンバだった。そうして、華やかなドレスをまとったくつこが登場。マリンバの前に立ち、バンドと演奏しだしたのはピアソラの「リベルタンゴ」。真っ赤な照明のなか、木のぬくもりをもったまろやかで伸びのある音がバンドサウンドとからみあいながら、激しい共演を見せる。マリンバはドラムと同じ打楽器の一種だが、こちらは同じ打楽器でも複数のマレット(ばち)で鍵盤を叩けばメロディー、リズム、ハーモニーまで出せてしまう打楽器界のピアノのような存在。ダイナミックに両足を広げ、その上で上半身を左右に激しく揺らしながら片手に2本づつ持ったマレットを器用に操り、ときには共鳴管まで叩いて演奏するアクトはまろやかな音とは対照的に迫力満点。
「リベルタンゴ」の演奏を通してマリンバの特徴、可能性をどこまでもアピールするくつこ。次のT-SQUAREの「TRUTH」では、マリンバの迫力がさらに倍増! キレのいいリズムからパンチのきいたギターとキーボードのユニゾン。そこにくつこのマリンバがバンドに挑みかけるようにインして、本家ではリリコン=ウインドシンセが演奏する主題を奏でだす。マレットを細かく動かし、そのなかでマレットが10本ぐらい動いてるように見える超絶プレイや、グリッサンド奏法など、聴く者に高揚感をもたらしてくプレイは本当にスリル満点。マリンバはスリリングでカッコいい楽器なのだというのを知らしめる圧巻のプレイを見せてくれた。
■SAKUPON
長い黒髪、民族衣装を思わせるファッションで、なんともいえない独特のオーラをかもしだしながらステージにやってきたのは、独自の世界観で人類、地球、宇宙を音にする音楽ユニット・羽根web..netのボーカルのSAKUPON。1曲目の「サイノウカイカ」は和風テイストはあるものの、メロディーそのものは分かりやすい展開になっている。だが、これをSAKUPONが自身の体を通して歌うと、とたんにスピリチュアルな神秘性が宿って、宇宙の遥か彼方から届いてくるような歌に聴こえるから不思議だ。
「こんばんは。ずいぶん待っておりました。このON STAGE。自分にとって初めての音楽イベント。開催が叶ってよかったね。みなさん」と画面に向かって話しかけているときのSAKUPONは驚くほど普通。そんな彼女が「私はどうして心があるのか、どうして人間はこんなにいるんだろうとか考えるのが好きです」と自分語りをしだすと、少しづつチャンネルが変わっていき、「僕は透明」へと展開。ゆらりゆらり、体を左右にゆっくりと揺らしていく仕草は、まるで体の中の雑念をすべて振り払い、頭を空っぽに近づけていってるよう。LEDにはコズミックな画面が映し出され、夜空を見上げるように歌うSAKUPONの歌はどんどん伸びやかになり、最後は夜空に吸い込まれるように消えていった。
■Yuuki
次は“歌声で癒し、元気、勇気を届ける”をモットーに活動しているYuukiへバトンタッチ。ステージに出てくるなり「Yuukiです。よろしくお願いします」と礼儀正しい挨拶をしたあと「オリジナル曲です。聴いてください」と伝えて始まったのは「7th days」(テレビ埼玉『REDS TV GGR』内で流れるBELINDAのCMソング)。かなりの低音ボイスからの始まりに驚かされる。
女性はなかなか出しずらいといわれる低音部も、綺麗に響かせる彼女。それをさらに実感したのが、次のMISIAのカヴァー「逢いたくていま」だった。低音部分の魅力をたっぷりと使って、じわじわと攻めていったあと、サビはビブラートを細かくかけながら高音まで歌い上げていく。こうやって低いところから高い音まで移動しても、声のニュアンスが変わることなく、安定した落ち着いた声で歌えるところはYuukiの大きな魅力のように思えた。「私、うまいでしょ」というような押しつけがましさを感じさせないところもいい。歌がここまで安定しているからこそ、聴き手もリラックスした気持ちで彼女の歌にどっぷりと浸れたはず。
■麻桐友恵
続いて登場したのはボブヘアが印象的な麻桐友恵。1曲目に歌い出したのはオリジナル曲の「道の途中」。シンガーになるという夢を見つけ、それを追いかける人生をスタートさせた自分は、いまも君の知らないステージに立って頑張っているというような歌詞が、現在の彼女の心情をリアルに映し出しているようで、グッとくる。麻桐の声は力んで大きな声を出さなくても、小さな声でも聴きやすくて、会場の後ろまで感情の機微をクリアな響きで届けられるという特性をもっている。とてもマイクのりのいい声なのだ。これは、配信を見ているだけでは分からなかったこと。
しっとりと1曲目を歌い終えたあと、2曲目のアップチューン「能ある鷹」のイントロが始まると、麻桐はいきなり持ち前のポジキンモードへとギアチェンジ。バンドメンバー、カメラの向こう側にいる視聴者をどんどん巻き込み、クラップでテンションを急激に上げていく。曲中、麻桐の「はい、いきますよー!」の合図でサビに突入すると“ハーハッハー”のコーラスをみんなに求める。サビが終わると、カメラ目線で耳に手を当て、ウンウンと頷く表情を浮かべ「みんなの声、届いてるよ〜!」といわんばかりに喜びで満たされた笑顔を浮かべる麻桐。最後はバンドメンバー向かって片手をグルグル回し、その手を振り下ろして曲を終わらせ、ライブ感満載のステージを作ってみせた。
■ユウナ
そのテンションをさらに上げていったのがユウナ。ギターを鳴らしながらオンステージした時点から「ハイサイ、沖縄からやってきたユウナと申します!!」と元気パワーはち切れまくりの彼女。早速「みんな“愛してる”って打ちまくって」とカメラに呼びかけ、まずは視聴者を温めていく。次は「これからやる曲はサビで手を左右に振るんですよ」と解説したあと「カメラさんいけますか?」、「音響組は?」とお客さんの代わりに会場で働くスタッフを煽りだす。照れながらもノリノリで応えていくスタッフたち。続いて照明チームに「手を動かすかわりに灯りをチカチカさせてみて」と無茶振りすると、その要望に即座に応えライトを点滅させる彼らに「いっちばんやる気じゃん!」とユウナは大興奮。
みんなにひと通りレクチャーしおえたところで「楽しい時間を一緒に過ごしましょう」といって始まったのは「テレカクシ」。こんなに溌剌としたキャラクターのユウナが「愛してる」という言葉がいえない主人公のもどかしさを歌うからこそ、胸がキュンとする歌だ。サビがやってくるとステージとスタッフ、一丸となって手を振ると、場内の温度は上昇。ライブならではの一体感に包まれる。アウトロでは再びカメラに向かって「みんな、最後に“愛してる”って打ちまくって」といって視聴者とも一つになり、エンディングはゆうなの合図で一斉に全員でジャンプをして曲を終わらせ、ステージを後にした。
■narumi
「いつもへなちょこなださ良きシンガーの私を応援してくれてありがとうございます」といって、ユウナからステージを引き継いだのはnarumi。飾らない雰囲気はどこまでも自然体。自分のアコギを弾きながら「この曲で頑張りたいという気持ちがあっても心と体がついていかないときは、頑張らなくていいんだと思ってもらえたら」という言葉をやさしい語り口調で添えたあと、まずは「明日からやります。」を。続けて「次は、雨の日がこの曲で憂鬱じゃなくなったら」という曲紹介から「雨だから」を披露していったnarumi。
この2曲はどちらも曲中にテンポが落ちていったところにnarumiの弾き語りパートがある。自身のことを“へなちょこ”“ださ良き”と形容するnarumiだが、そのパートをはっきりと一言一句を噛み締めるように歌い、想いを必死で届けようとしている彼女のアクトからはそんなことは微塵も感じられなかった。アコギの軽快な弾き語りで1番を歌ったあと、バンドサウンドへと移行していった「令和元年」は、“ゆらり”“ひらり”という印象的なワードとともにnarumiの歌が周りのエネルギーを上乗せしていって、どんどん躍動感を放っていったところでクライマックスを迎えた。
■ななみ
バンドがいなくなったステージ。「Beautiful Liar」で幕開けすると、カラオケをバックに、のっけからななみはハンドマイクで歌いながら、誰もいない舞台をフルに使って動き回る。それを追いかけるカメラワークで、視聴者にいつもとは違うライブハウスならではの映像を届けようという狙いなのだろう。スパンコールでキラキラ輝く衣装も相まって、ななみが動くたびに会場内には華やいだ空気が広がっていく。続いての曲はそこから一転して静かなバラード「忘れないよ」だった。ここでは、やわらかくて綺麗なななみの歌声が、心をとぎほぐしていく。
「初めまして、ななみです。最後のステージを飾らせていただきます」と挨拶を告げたあと、バンドを呼び込んで「縦横無尽ランニングハイ」へ。生バンドをバックに歌うのはこの日が初めてだったらしく、エンディングで音を締めくくる動きがちょっとぎこちなくなってしまったところはご愛嬌。そして「学生時代の恋愛などを思い浮かべて聴いてください」といって“友だちの話なんだけど”と語りかけるように「7」、最後はこれまでとは別人のようにアッパーの激しいロックチューン「UNCHAIN」をエモーショナルに熱唱してみせ、この曲のラストではバンドと息をぴったり合わせて、カッコよくイベントの最後を締めくくってみせた。
取材・文◎東條祥恵
◆<ON STAGE>優勝者インタビュー
◆<ON STAGE>ライブ写真
■17LIVE(ワンセブンライブ)について
“「ライブ」テクノロジーを通して、人と人のつながりを豊かにすること”をミッションに掲げる「17LIVE(ワンセブンライブ)」は、日本No.1(※1)ライブ配信プラットフォームです。ひとつの空のもと、七つの大陸を舞台に、すべての瞬間を楽しむことができる世界を目指しております。世界で5,000万に上る登録者数(2021年9月時点)を達成しています。(※1) App Annieデータより引用 ダウンロード数および売上(2020年1月〜12月)
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アプリ名 :17LIVE - ライブ配信 アプリ
アプリ本体:無料
※一部有料アイテムがあります。
対応端末 : iPhone/Android版
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