【俺の楽器・私の愛機】506「こいつの懐の深さに追いつきたいなぁ」

【YAMAHA Pacifica USA2】（山形県　鍋　40代）


バンドが楽しすぎて、他人の1.5倍ほど学生生活を過ごしましたが、それでも何とか卒業して社会人となった20数年前の春、「これからは音楽は少し控えて社会人頑張らねば」なんて思っていたのですが、新人研修の帰りにフラッと楽器屋さんに立ち寄っちまいました（全然懲りてない）。

当時のパシフィカのフラグシップ的扱いだったと思うんですが、ノートラブルのコイツが何故か半額で売られてました（いま考えても半額だった理由が分からない）。

それまではメタル小僧だっので、派手なカラーリング＋フロイドローズこそが正義だったのですが、ある意味王道とも言えるこのサンバーストに目を奪われましてねぇ…給料一回も貰ってないのにローンで即買いしてしまいました。

それから20年以上の付き合いになります。弾きやすく、ピッチがウルトラ正確で、且つ結構何でも出来ちゃうギターなので、見て触って楽しくて、コイツで沢山練習しました。

知人は「何でも出来るね。個性が無いのが個性かも」とか言います。誉められてんのか貶されてんのか分かりませんが（笑）、実際のところ、自分の技術や発想で考えるサウンドは全部この一本で出せてしまいます。それなりに上達したかなとは思いますが、自分はまだまだ懐が深いコイツの手のひらで転がされてる感じです。



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リッケンやヘフナー、あるいはモズライトのようにブランド／モデル自体に強烈な個性があるのもステキな楽器のあり方ですが、一方で楽器自体は個性を主張せず、プレイヤーの個性を素直に表現／引き出すことをとことん追求したモデルも存在するわけで、そんなギターの筆頭にパシフィカがあるのではないでしょうか。個性がないのが個性と言わしめるなんて、実はスゴイことと思います。どんな要求にも応える超エリートってことですもん。てか、そもそもPacifica USA2はYAMAHAの考えうる最高品質のパシフィカですから、その時点で極上が約束されたようなものです。（JMN統括編集長 烏丸）


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