【世界珍楽器さんぽ #20】「ン」から始まるアフリカの素朴なギター「ンゴニ」
今回紹介するンゴニは西アフリカ・マリの伝統的なギター系弦楽器です。日本語には「ん」から始まる単語が無いと言われていますが、アフリカ地域には結構あるようですね。
この楽器はひょうたんでできたボディ(インド~アフリカ辺りの楽器にはひょうたんがよく使われます)に、すりこぎ棒が刺さったような形をしており、印象としては「最も単純なギター」と言う感じです。胴体には山羊などの革が張られています。
大きさや形状は少々ばらつきがあるようで、ウクレレサイズのものからギターサイズのものまであります。胴体の形も四角かったり丸かったり、とても素朴な印象です。
しかし音色は驚くほど表情豊かで、ギターよりパリッとした、しかしバンジョーより柔らかな素敵な音がします。日本の楽器でも、三味線は似た材料(植物の枠に動物の革を張った弦楽器)・構造をもっていますが、乾燥した気候の地域の楽器と、湿気の多い日本の楽器とでは、音色の湿度が全然違うことに驚きます。
(編集部 安藤)
■今日の楽器「ンゴニ」
分類:ギター系弦楽器
特徴:素朴な構造と豊かな音色
ひとこと:アフリカの楽器を調べていると、奏者の技術のあまりの高さに毎度驚く。伝統楽器には奏者の家系があるらしく、技術の継承が半端ない。