【俺の楽器・私の愛機】284「音楽スタジオのドラムセットが愛機となった話し」

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【スタジオに設置されているドラムセット】(札幌市 スノードロップ 忘れました(笑))

当時私は子育てに行き詰まっていた。中学生、反抗期の息子。噛み合わない会話。いつもイライラしていた私たち。家の中の空気が淀んでいた。息子の笑顔を最後に見たのはいつだっただろう。

そんなある日の事、深い意味もなく「スタジオ行くけど行かないかい?」と息子に声を掛けてみた。「行く」意外な答えが返ってきた。

音楽スタジオ。1時間数100円で借りる事が出来る。私の住む札幌ではアマチュアバンドが多く存在する。市内には音楽スタジオがたくさんあって、まだコロナなんて物が無い時には連日満室だったりバンドや弾き語りをする人にとっては必要で大切な場所だ。今では有名な北海道出身のバンドもアマチュアバンド時代にはよく利用していたと聞く。

スタジオには部屋ごとに色んなメーカーのドラムセットが組まれている。それを見るだけでもとても楽しい。



部屋に入ると息子の表情がイキイキと輝いた。ドラムをやったことは無いけれど興味は充分あるようだ。余計な説明はいらない。好きにしてみればよい。イスに腰掛けそれなりのポーズを取る息子。私は思わずスマホのカメラを向けた。

えっ???ステキな笑顔してるだろ。ウソみたいだろ。反抗期なんだぜ。


一瞬にしてやられた。言葉はいらない。上手に奏でようなんて思わなくていい。楽器は人を笑顔にさせる。親子関係も少しだけ修復させる。そんなスタジオのドラムセットは私にとって愛機となったのでした。

   ◆   ◆   ◆

そうか、なるほど。愛機というのは自分の所有物とは限らないんですね。これはとても素敵な話。楽器が人の縁を取り持つのも素敵だけど、スタジオというプレイヤーには当たり前になってしまったところにも、人に大きな笑顔を呼び寄せる魔法の力があったことを忘れかけていました。ちょっと泣けた。いい話をありがとう。(JMN統括編集長 烏丸)

★皆さんの楽器を紹介させてください

「俺の楽器・私の愛機」コーナーでは、皆さんご自慢の楽器を募集しています。BARKS楽器人編集部までガンガンお寄せください。編集部のコメントとともにご紹介させていただきますので、以下の要素をお待ちしております。

(1)投稿タイトル
 (例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
 (例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
 (例)トラヴィス・ビーン TB-1000
 (例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
 (例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
 (例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
 ※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
 ※最大5枚まで

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