【俺の楽器・私の愛機】013「1984年にファーストオーナーで入手したST155BG」

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【FERNANDES ST155BG】(東京都 zorimonzo 53歳)


▲全体写真。ブギーMARK4コンボをバックに

各ギターメーカーがアーティストコピーモデルに注力していた80年代ですが、これはテクニカルツインリードギターで一世を風靡したナイトレンジャーのブラッドギルスモデルです。

ブラッドギルスと言えば飛行機事故で亡くなった、オジー・オズボーンバンドの伝説のギタリスト、ランディー・ローズの代役ギタリストで一躍脚光を浴びた訳ですが、各ギターメーカーの中でも特にアーティストモデルに力を入れていたフェルナンデスは、何とオジーバンドで使用していた頃のコピーモデルもラインアップしていました。

ストラトシェイプのブラックボディとネックにゼブラ2ハム、そしてファインチューナーの無い初期型フロイドローズ、FRT3を搭載したST105BGというのがその初期型ブラッドモデル。こちらはハムバッカーにフロイドという所謂スーパーストラトキャスターの黎明を感じさせるスペックではありましたが、真っ黒な地味な見た目でそれほどの人気を博する事はありませんでした。

一方、今回お披露目するフェルナンデスの2代目ブラッドモデルは、アルダー2P赤ボディにローズオンメイプル22Fの真っ黒ネック、SSHピックアップ(シングル-シングル-ハムバッカー)という共通スペックをベースに、ブリッジとピックアップのバリエーションで、ST80BG、ST120BG、ST155BGという3モデルがありました。

80はフェルナンデスのオリジナルブリッジであるヘッドクラッシャーにオリジナルピックアップ、120はFRT3のフロイドローズ(実はフェルのOEM製)にオリジナルピックアップ、155はFRT3にダンカンピックアップというパーツ構成でした。

今では珍しくも無いこのようなコンポストラトが、今日まで続くテクニカル系需要も手伝って凄いブームとなり、フェンジャパ、トーカイ、シャーベルでも、こぞって似たような赤黒モデルは作っておりました。しかしながら、このフェルナンデス製こそが本人認定(エンドースメントと結んだ)製品となります。

さて、今回ご紹介するのは、1984年に私がファーストオーナーで入手したST155BGです。

ピックアップは、ダンカンのSSL-1×2とSH4(ダンカンJB)。ギンギンに歪んだソロはリアのハムバッカーに任せて、ジャッジーなソロはフロント、AORっぽいリズムはフロントとセンターミックス等、幅広い音作りが出来るSSHレイアウトなのもミソ。このピックアップレイアウトも大流行しました。大変便利なのに何故か未だ誰も採用していなかったのですよ。

ブリッジはフェルがOEMで作成していたファインチューナー無しのFRT3(但し、現在はライブ使用前提でオリジナルFRT5に換装してます)

構成パーツが少なく、物理的にサドルが固定されているアドバンテージの為か今日でも主流のFRT5と較べてサスティーンが良いように感じます。また、この頃のフェルナンデスはめちゃくちゃ頑張っていて、同時期のシャーラー製FRT3と同等以上の部分も感じたりします(あくまでも主観)

木部も改めて観察してみると指板に関しては目の詰まった大変良いローズウッドを使用しており、ネックもこの37年反りを含めてノントラブル。ボディーも軽量なセンター合わせの2ピースであり大変良い時代の材料と工作なのだなあと実感します。

ネックの握りは「本人の使用する実機の握りを測定して製作…」という、いかにもいかがわしい公式説明を読んだ事もありますが、至って素直なUシェイプ。

ヘッド部のブラッドのサインのコピーも眩しく、微秒に使えないながらもチャームポイントであるフェルのオリジナルブースターSB3000と4Pの黒白ピックガードが醸し出すスペシャリティー感は堪らないモノがああります。

MESA/ BOOGIEのアンプにプラグインすれば、あの時代のアメリカンロックサウンドが甦ります。


▲ヘッドのサイン。泣ける!!


▲伝説のSB3000。好きな人はこれで飯を3杯は食える筈、、、


▲ネック裏まで真っ黒。何故かこれが流行ったのです


▲予備のFRT3。ストックしてます。

   ◆   ◆   ◆

今、再評価の波が訪れているジャパンビンテージですが、1980~1990年代に製造されたアーティストモデルにも、国産ギターの真骨頂と呼ぶべき高品質を誇る名機がたくさんありました。ファインチューナのないロック式ブリッジの面倒くささも、今となっては若き日の武者修行に思えます。(JMN統括編集長 烏丸)

★皆さんの楽器を紹介させてください

「俺の楽器・私の愛機」コーナーでは、皆さんご自慢の楽器を募集しています。BARKS楽器人編集部までガンガンお寄せください。編集部のコメントとともにご紹介させていただきますので、以下の要素をお待ちしております。

(1)投稿タイトル
 (例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
 (例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
 (例)トラヴィス・ビーン TB-1000
 (例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
 (例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
 (例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
 ※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
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