【インタビュー】首振りDolls、初の配信シングル3連続リリース。「まだまだいろんな首振りDollsを魅せられそう」
▲「散り散り」
――そして。第二弾として12月15日にリリースされる「散り散り」はナオの作詞作曲ナンバーで。これは首振りDollsっぽい楽曲だよね。
ナオ:首振りDollsっぽい?
――まさしく、これぞ首振りDolls節だと思う。首振りDollsを知っている人ならば、これぞ首振りDolls節っていうはずだと思う。
ジョニー:ナオの曲はだいたいコード進行が同じことが多いからね。
ナオ:あははは。また言われた! この前ね、リハだった日に新曲を持って行ったら、ジョニーに“また一緒かよ!”って言われたんだよね(笑)。もうね、自分では本当に無意識で。
ジョニー:3パターンの内のAが来たな! って感じ(笑)。
ショーン:あははは。A、B、Cって感じ(笑)。
ジョニー:そうそう(笑)。「ニセモノA」来た! みたいな感じ。
ナオ:あははは。ジョニーはもう俺の曲知り尽くしとるからね(笑)。
ジョニー:もうそれこそがナオ節やけ、そのまま貫き通して欲しいからね。
▲ナオ
ナオ:やっぱ、“ナオ節”って言われるのって、メロディーだと思うんだよね。だって、ショーンの曲に俺の歌詞が乗ってたって、“ナオ節”とは言われないでしょ。そういうものだと思う。だから、そこにとらわれずに作品を作りたい。自由に出来たものを出していきたい。そのときに出来たものをそのままね。
――なるほどね。「散り散り」が出来た経緯は?
ナオ:俺、美輪明宏さんとか瀬戸内寂聴さんが大好きで、それぞれの人生相談のYouTubeとか、お二人が対談してるYouTubeとかを聞いていたりするんですけど、「散り散り」の歌詞を書くキッカケとなったのは、瀬戸内寂聴さんのお話を聞いたところからだったんです。瀬戸内寂聴さんの生き方ってめちゃくちゃなんですよ。めちゃくちゃなんだけど、そこに自分を投影しながらいろいろと思うことを書いてみたのが「散り散り」なんです。自分なりに解釈した寂聴さんの想いを歌詞にしてみようって思ったんです。
――「サボテン」にも孤独を感じるけど、「散り散り」の中にも孤独を感じるよね。
ナオ:そう。寂しい。上京して東京に知り合いとかなんてほとんどいなくて。いろんな先輩達が可愛がってくれるけど、やっぱり地元を離れているから寂しいし。
――“今”の想いも強く出てる歌詞なんだね。
ナオ:そう。今まで見えなかったものも見えてきてるし。昔以上に何か掴んでやろう! っていう想いは強い。
ジョニー:地元はいい意味でも悪い意味でもぬるま湯だったからね。知り合いだらけで。
ナオ:北九州は落ち着くし、昔から知ってる人しかいないからすごく楽だし、家賃も安いし、
ジョニー:最悪困ったら実家があるし(笑)。
ナオ:そう。最悪実家に帰ったらいいって甘えがある。東京は毎日刺激的だし。
ジョニー:でも、何も変わってはないけどね、中身は(笑)。でも、地元の奴らは、上京しただけで“東京に染まった”って言う(笑)。
ナオ:そうそう(笑)。何も変わってないよ、中身なんて。甘えるとこが無くなっただけ。北九州にいた頃は、自分達がぬるいところにいるって思っていなかったけど、その場所を離れてこっちに出てきたら、そう思うようになったって感じ。あのときはいろいろ甘かったなって。
――でも、関門海峡を渡るとき、“よっしゃ! やったるで!”って想いで渡って来てたって言ってたよね。その言葉にすごく惹かれたんだよね。その我武者羅に何かを掴もうとする熱に心を動かされたというか。
ナオ:もちろん、毎回そういう想いで関門海峡渡ってたよ。でも、本当に旅行気分じゃないからね。毎回死と隣り合わせだったというか。移動時間をいかに無で過ごすか、しかないからね。
ジョニー:そう。いかにそこに体力を使わないか。ライヴの前に距離と戦ってたからね。
ナオ:そう。ライヴの時間前までに体力を温存しておかないといけないからね。ライヴで100に持っていかないといけないから。移動時間では10とか9しか力を使えない訳。これね、本当にツアーバンドじゃないと分からない感覚だと思う。毎週毎週それやってたからね。
ショーン:事故の心配もあるから大変だよね。
ナオ:そう。マジで命がけだし、何回も死にかけてるし。
ジョニー:旅行気分で楽しかったのなんて最初の3回くらいだったよ。
――ショーンもそういう経験はあるの?
ショーン:前のバンドのときに経験してますね。また自分は九州でも宮崎だったから、すごく遠かったんです。
ナオ:たしかに! 俺たち北九州だから東京まで12時間だけど、ショーンは宮崎だったから18時間くらいかかってたでしょ!?
ショーン:そう。18時間くらい。まず、九州を脱出するのにそれくらいの時間がかかる(笑)。そこからしてまず難関(笑)。
ジョニー:ヤバイよね(笑)。きっつー(笑)! だって、宮崎から北九州まで6時間くらいかかるってことだもんね! 九州脱出しても、そこから山口県と広島県と岡山県が待ってるっていうね!
――そこ抜けるにも結構時間かかるよね!
ジョニー:そう。つら〜(笑)。今思い返しても、よくやってたなぁ〜って思うわぁ〜。
ナオ:でも、その経験があっての今だからね。
ジョニー:でも、本当にその経験はしなくてもいいと思うよ(笑)。だって、時間の無駄だもん。運転してる時間にギターの練習出来るからね! プラスになったことと言ったら、ちょっと辛抱強くなっただけかな(笑)。でも、たしかに、その経験があっての今だと思うからね。
ナオ:俺たちはメンバーチェンジがあって、新たに加入するショーンが東京に居たからそれが上京のキッカケにもなったんだけど、本当に音楽やるなら東京に出なくちゃダメだなって思う。俺は本当に世の中の若いバンドマンに言いたいもん! 地方で音楽やれるようになるのは売れてからだと思う。昔の自分達は、そこに居たまま頑張れると思っていたし、ちゃんと前進してるって思ってたけど、それは違ったなって今思う。売れてから地元に戻って音楽やるのはいいと思うんだけど、まず、音楽やるなら東京に来なくちゃダメだと思う。上京してみて思う。東京で腐ったんなら、お前がそこまでだったってことだと俺は思う。俺自身も、自分の限界を見たくないから、今、必死でもがいているからね。
ジョニー:やっぱり東京は日本の中心だからね。俺たちはバンドをやっている以上、最先端の音楽を作るべく頑張っている訳ですよ。日本のロックを背負ってるってくらいの気持ちでね。だから日本の中心である東京で頑張るべきなんだと思う。でも、地方でもカッコイイ音楽は出来ると思うし、やってる人たちもたくさんいる。だから、そこは否定しないけど、何かアクションを起こすときは絶対に東京だなって思う。だからと言って、地元を粗末にしている訳じゃなくてね。いつまでたっても地元は大事。一番好きな場所であることに変わりはないから。
ナオ:そうだね、そこは大前提として。地方に居たら、地方に来てくれた人を待って対バンするしかないしね。そこでの出会いも大きかったけど、やっぱり比べ物にならないくらい出会いがあるからね、東京には。でも、何だろうなぁ、だからこそ孤独でもある。
ショーン:でも、最初に誘われたときナオくん、北九州に住んで欲しいって言われた気が、、、、。
ナオ:え!? 俺、そんなこと言いよった!? 全然覚えてない(笑)!
ショーン:え(笑)!?
ナオ:ごめんごめん(笑)。でも、ショーンが加入してからすぐに2枚目のアルバム『アリス』のレコーディングが始まるタイミングだったから、どうしても曲作りの為に北九州に来てもらわなくちゃいけなかったからね。その間は、さっき「黒い太陽」の話のときにも出て来たけど、俺の家でショーンと同棲してたからね。
ジョニー:でも、ショーンが入ってから曲が出来るペースが半端なく早いからね。
ナオ:ショーンの中で、加入前のフェイバリットソングと加入後のフェイバリットソングをあげるとしたら何?
ショーン:加入前は、「タイムマシーン」とか。激しくおドロドロしい中で、最後エンディングでガラッと変化するっていうところがすごく好きで。
ナオ:ジョニー曲だね。
ジョニー:あのギャップがいいんやろね。俺はずっと暗いバンドが嫌いだから、嫌いというか、疲れちゃうから、どうしてもそういうギャップを付けたくなっちゃうんだよね。
ナオ:加入後は?
ショーン:ん〜。今だったら、「SMILE」かな〜。
ナオ:おっと! 繋がったね!
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