【インタビュー】HYDE、エンターテインメントと狂気を語る「僕はライヴを芸術だと思っている」

■今は次に向かって
■自分がやりたいことをやっていきたい

──『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』のようなライヴが、この先またできるのでしょうか。

HYDE：僕はできると思ってます。今すぐは難しくても来年以降にはきっと。僕はあの状況が戻らないライヴにはあんまり興味がないんですよ。だからもし僕の理想とするライヴができないようなら、他のことをやります。曲を作るとか、それこそ『ROENTGEN』みたいなアルバムを作ろうと思う。配信にも僕はあまり興味を持てなくて。みんな、いろいろアイデアを駆使してるなって、いろんな方のインスタとかを観ていても思うし、すごいなとは思うけど、僕がそれをやるんだったら、その時間を使って次に動き出すための起爆剤を作りたいって思っちゃう。ファンの子たちはきっと観たいと思ってくれてるんだろうけど、今は次に向かって自分がやりたいことをやっていきたいので。

──でも、映像作品化されない＜ANTI FINAL＞初日の映像を1日限定で配信したり、『HYDE CHANNEL』で初の配信ファンクラブイベントを開催したりされていますよね。

HYDE：逆に言うとそれくらいしかできないなって。＜ANTI FINAL＞初日を配信したのも、みんな、ただ家に籠っているだけではつまらないだろうし、せっかく素材があるんだから、それを使ってプロモーションすれば有意義なんじゃないかと思ったからだし。そういうアイデアは浮かぶからね。

▲＜HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL＞12月8日＠幕張メッセ国際展示場4・5・6ホール

──ちなみに今の状況下、ご自身のモチベーションは保てていますか。

HYDE：モチベーションを保っているっていう感じではないかも。やっぱり締切がないとだらけてしまうじゃないですか。むしろそういう感じに近い。それとも歳だからやりたくないのかな（笑）。どっちかわからないけど、正直言うと、ちょっとやる気に欠けているかもしれないですね。やっぱり隙間を作っちゃうとダメなんだなっていうのは感じてます。

──特にHYDEさんはワーカホリックなところがありますからね。

HYDE：矢沢永吉さんも1年ライヴをやらなかったら、ノドが普通の状態に戻っちゃって、歌おうとしても声が出なくなったって何かのインタビューでおっしゃってたから、僕も気をつけないといけないなって思ってはいるんだけど……気分的にいろいろ面倒くさくなっちゃって。

──あの……大丈夫ですかね？ 来年。

HYDE：あははははは！ ホントだよね（笑）。いや、きっとそのうちやる気は出てくると思いますよ、なんだかんだ言ってやりたい事はあるわけだし。徐々に仕事が始まればモチベーションも上がってくるんじゃないかな。今は楽しみといえば夜にお酒を飲むぐらいしかないけど（笑）。

──最後に、少し話は逸れますが、7月28日にはWOWOWでL'Arc-en-Cielの8年ぶりとなるアリーナツアー＜ARENA TOUR MMXX＞のさいたまスーパーアリーナ公演の模様が放送されます(6月にもWOWOWプレミアムで放送)。このツアーもコロナ禍で最終4公演が中止となってしまいましたが、多くのファンの要望に応えて、作品用に撮ったのではなくステージ上のスクリーンに映し出すために撮影していた収録素材などを特別に編集されたそうですね。

HYDE：素晴らしいなと思いました。よくぞ人に見せられるレベルにまで仕上げられたなって。完璧ではないとはいえ商品化できるレベルに近いものになってましたし、あの状況であそこまで仕上げられたのは大したものだなって。L'Arc-en-Cielにとっても画期的なライヴだったと思うんですよ。センターステージで客席が近かったり、アグレッシヴな雰囲気に満ちていたり。なので、ぜひパッケージ化したかったし、記録として残したほうが絶対にいいと思ってたから、それがコロナでできなくなっちゃったのがすごく残念だったんですけど。こうやってそのライヴをお茶の間に届けられることになって、ホントよかった。

──『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』はもちろん、こちらもぜひ大勢の方に観てほしいですね。まだしばらく先になると思いますが、HYDEさんの次なる動きも楽しみにしています。

HYDE：そうですね、ちょっとまだ先かもしれないけど。まあ、のんびり、モチベーション上げてやっていきます（笑）。

取材・文◎本間夕子




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