【レポート】HYDE、初の無観客配信ライヴにして2020年初ライヴで「Come on!お茶の間!」
HYDEとBLUE ENCOUNT、ASH DA HEROが出演した無観客配信ライヴ<LIVE EX>が、7月24日 (金・祝)に『テレ朝動画』から生配信された。HYDEとしては2019年末に幕張で行われた<COUNTDOWN JAPAN 19/20>出演以来、約7ヵ月ぶりのソロライヴとなる。
◆HYDE 画像
HYDEにとって無観客ライヴはこれが初の試みであり、2020年初のステージ。同日にオンエアされた『ミュージックステーション3時間半スペシャル』では、配信会場であるEX THEATER ROPPONGIから『東京マラソン2020』のイメージソングであり、最新シングルでもある「BELIEVING IN MYSELF」が同時生中継されたが、有観客でのライヴが困難な現状でも音楽を届けたいというテレビ朝日の想いから企画され、実現した同生配信ライヴ<LIVE EX>は、コロナ禍の今だからこそ、各アーティストの“届けたい”という熱量や、ヒリヒリした感情が映像を通してまっすぐに伝わる内容となった。
フロントアクトとして登場したのはフラッグを付けたマイクスタンドを高々と掲げたASH DA HERO。「カメラの前でもひとり残らず、オマエに届けるぜ!」と叫び、言葉どおりの汗が飛び散る熱いアクトを繰り広げ、「必ずまたライヴハウスで会おうぜ!」とステージを去った。
ブルエンことBLUE ENCOUNTは、のっけからアッパーチューンで攻め、高校時代から培ってきた阿吽の呼吸のバンドアンサンブルでテンションを上げていく。田邊(Vo&G)はHYDEやASH DA HEROと共演するのは初だと話し、辻村(B)とASHが飲み友達であることを告白。HYDEとの対バンに関しては「光栄の“上”があるとしたら教えてもらいたい。喜びのあまり震え上がっています!」と興奮気味だ。無観客配信というスタイルであってもステージに立ってライヴができること、自分たちの生の音楽が届けられることへの喜びや感動が音になり、笑顔になり、涙になって溢れ出してくるようなアクトが印象的だった。
そして19時14分。いよいよHYDEのステージが幕を開けた。バックドロップはHYDE自身の構想による近未来の架空都市“NEO TOKYO”をコンセプトにしたもの。2019年の<HYDE LIVE 2019>や幕張メッセの<ANTI FINAL>を思わせる仕様だ。マスク姿のギター、ベース、キーボード、ドラムといったバンドメンバーがHYDEを中心に取り囲むような構図に、いつものステージが帰ってきたという高揚感が沸き上がる。
オープニングはHYDE自身「次のステップに行くためのシングル」とBARKSインタビューで語っていた「BELIEVING IN MYSELF」だ。“まだ知らない僕へと 会いに行きたい”と身体を折り曲げて熱唱したHYDEは、『Mステ』の生中継が終わるタイミングで唇に真っ赤なルージュを塗り、無造作に手で口をぬぐう。そして、HYDEソロでは定番となったオーバーリップな口元で「Are you fuckin’ ready!?」と叫んだ。スモークが派手に吹き上げられる中、凶悪なHYDEへと変貌を遂げ、アルバム『ANTI』収録曲「AFTER LIGHT」を投下するというしびれるパフォーマンス。「Everybody Singing!」と叫び、それに呼応する声に耳を傾ける。まるですぐそこに熱狂してカオスになっているオーディエンスがいるかのようだ。
マシンガンのように放たれる2ビートが快感の「SICK」では間奏でギタリストの肩に手をかけ、拡声器で煽る。激しくも切ないHYDEのヴォーカルに眠っていたさまざまな感情が呼び起こされていくよう。無観客といえど、彼の前に設置された巨大なLEDスクリーンにはZoomを通してファンの姿が映し出されていた。それを見ながら笑みを浮かべたHYDE。ファンの歌声や笑顔、感涙の表情はしっかりと届いていたのだ。生配信によるファンとのリアルタイムのつながりはHYDE自身の心に火を点けたに違いない。
「LEDに映ってるのがかわいくって笑けてくるよね。盛り上がってるか? 今日は無観客配信ライヴを初めてやってるんだけど、みんなの声が僕に聞こえないと思ってるでしょ? でも実はこれテレ朝の最新技術でね、ハッキングされててみんなのデバイスのマイクがオンになってます(笑)。だから全部聞こえてるよ! すごいね。次の曲、簡単だからみんなで歌ってみよう!」──HYDE
そして、HYDEの耳に確かに響いているであろうオーディエンスのシンガロングに「そう、そう。その調子。うるさいキミたち」とジョークを飛ばし、「次、みんなで叫ぶよ! Are you fuckin’ ready? お茶の間!」と煽って「ANOTHER MOMENT」へ。同曲では<ANTI FINAL>幕張メッセ公演同様に、巨大なエアーダンサーが出現する演出がステージを派手に盛り上げた。HYDEは寝転んで宙を見上げて歌ったかと思うと即座に身を起こし、シンガロングを促し、マイクを向けて笑顔を見せる。
ひとときも目が離せないスリルと興奮の中、「MAD QUALIA」では狂おしいほどに視聴者をかき乱す歌を響かせ、ステージからフロアに降りて暴れまくり、クライマックスへと導いていく。カメラに向かって「お茶の間! お茶の間! あと1分ではっちゃけるの終わるよ! みんな俺のせいにしていいから1分間、ボリューム全開にしろ!」とたきつけ、「つまんないこと、全部忘れて吐き出しちまおうぜ! みんなの強いところをコロナに見せつけてやろうぜ! やれるか!?」と叫んだ。全力で、本気で、生配信や画面越しのオーディエンスと対峙するアティチュードはロックそのもの。持てるエネルギーを吐き出したHYDEは息を切らして語りかけた。
「久しぶりにはっちゃけた。やっぱり散歩してるだけじゃダメだな(笑)。今日はお呼びいただき、ありがとうございます。最初はどんなものなのかな?と思っていたけど、ちゃんとLEDにファンのコが、代表して200人ぐらい映っていてね。それを見ただけで感極まるというか、こうやって繋がっているのがリアルにわかるとちょっと安心する。こんな世の中だから、普通の生活ってなんて素敵だったんだろうって、そう思うよね。最後にまた、普通の世界に戻ったときにみんなに会えるよう、祈りながら“普通の世界”という曲を心を込めて演奏したいと思います。今日はありがとうございました」──HYDE
最後に歌われたのは喪失感とそこから立ち上がる意思を刻んだデュラン・デュランのカバー「ORDINARY WORLD」だった。いつものライヴのように、ファンは画面の向こうからスマホのライトを揺らしていたに違いない。感無量の表情を浮かべたHYDEの歌が深く突き刺さる。フラッグを振り、ドラム台の上に上がったHYDEはシンバルを叩き、エンディングでジャンプ。両手で投げキッスをしてステージを去った。いつか、普通の素晴らしい世界に戻るための新しい試み。そこには決して消えない炎が宿っていたようだ。
取材・文◎山本弘子
撮影◎Viola Kam (V'z Twinkle)
■無観客配信ライヴ<LIVE EX>2020年7月24日(金・祝)セットリスト
01. BELIEVING IN MYSELF
02. AFTER LIGHT
03. SICK
04. ANOTHER MOMENT
05. MAD QUALIA
06. ORDINARY WORLD
【配信スケジュール】
17:30~ ASH DA HERO(FRONT ACT)
18:10頃 BLUE ENCOUNT
19:10頃 HYDE ※ミュージックステーション生中継あり
※購入者限定特別企画
HYDEのパフォーマンス中、会場内のLEDに抽選で購入者の顔が投影されます
【アーカイブ視聴】
7/31(金)23:59まで
https://www.tv-asahi.co.jp/douga_mv/ex-theater-online/live200724/
■Blu-ray&DVD『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』
予約: https://umj.lnk.to/hyde_antifinalPR
【初回限定盤 (Blu-ray 2枚組)】UIXV-90024/5 ¥10,000+税
※初回限定盤豪華デジパック
▼初回限定盤映像特典内容
・HYDE LIVE 2019 Documentary
ASIA TOURを皮切りに、春秋2度のUS TOUR、そしてJAPAN TOURのラスト幕張メッセ公演までHYDE史上最多公演の80本にも及んだワールドツアー「HYDE LIVE 2019」の裏側をすべて詰め込んだ50分超えのドキュメンタリー映像と、さらにライヴ本番直前の集合写真をフォトギャラリーとして収録。
【通常盤 (Blu-ray 1枚)】UIXV-10020 ¥6,000+税
【通常盤 (DVD 1枚)】UIBV-10057 ¥5,000+税
▼購入特典
・全国CDショップ及びWEBショップ:お風呂ポスター (B4 / 257×364mm) 材質:ユポ紙
※水で壁に貼るタイプのポスターです。ある一定の温度に達すると絵柄が浮き出て来ます。
※浴室の素材によって貼ることができない場合もありますのであらかじめご注意ください。
・VAMPROSE STORE :蓋付きクリアファイルケース (205×110mm)
・Amazon.co.jp:トートバッグ (本体サイズ:約360×370×110mm)
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