【インタビュー】加藤和樹、歌う楽しさや喜びが新鮮なままパッケージされたミニアルバム『Addicted BOX』

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加藤和樹の新たな魅力を引き出した新曲に加え、配信シングルとして発表した「Tell Me Why」「Hello」「片想い」も収録された『Addicted BOX』。プレイボタンを押した瞬間からライブ会場へトリップできるような、そして何度でも繰り返し聴きたくなるような中毒性のあるサウンドが印象的な6曲入りミニアルバムだ。表現者としての多彩なアプローチが随所に散りばめられ、歌うということの楽しさや喜びが新鮮なままパッケージされたこの待望の新作について話を聞いた。

■「Shining Star」はキラキラした輝きをなくして欲しくない
■自分自身もそうありたいという思いも込めています


――ミニアルバム『Addicted BOX』が完成しました。まずはこのタイトルについて聞かせていただけますか?

加藤和樹(以下、加藤):「Addicted」には中毒性があるとかハマるっていう意味があるんですね。僕自身、バラエティに富んだ楽曲が収録されたこのアルバムを聴けば聴くほど、どんどん自分の中に入り込んでくるように感じたので、今回はこのようなタイトルにさせてもらいました。

――ミニアルバムはこれまでも「TOY BOX」「EXCITING BOX」「SPICY BOX」と、“BOXシリーズ”が続いていますね。

加藤:これだけ続くシリーズになるなんて、当初は思っていなかったです(笑)。でも、いわゆるフルアルバムではなく6曲入りのミニアルバムということで、シリーズ化したほうが作る側としても「じゃあ今度は何にしようかな?」っていう楽しみもあるし、聴いてくれるみんなも「次はどういう形で来るのかな?」っていう気持ちにもなるんじゃないかなと思ったんですよね。なので、ミニアルバムに関してはこの“BOXシリーズ”を続けさせてもらっているんです。

――新しい音源がリリースされるというだけでなく、出来上がったものを贈るとか、それを心待ちにして受け取るとか、ワクワクするプレゼントのような感覚もありますね。

加藤:それもありますね。2013年の「TOY BOX」という作品の時はおもちゃ箱の蓋がバーッと開くようなイメージもあったりして、まさにそういう雰囲気を感じてもらえたんじゃないかなと思います。今回はリード曲でもある「Tell Me Why」の世界観を中心にジャケットなども作ってみたんですが、DVDにはMVとそのメイキング映像も収録されているので、ぜひじっくり見ていただきたいですね。


▲ミニアルバム『Addicted BOX』TYPE A


▲ミニアルバム『Addicted BOX』TYPE B

――今回はすでに配信でリリースされている3曲も収録されていますが、全体として、これまで以上にライブ感が強い内容になっているなと感じました。選曲などに関してはいかがでしたか?

加藤:まず配信シングルに関しては、世の中的な流れもありつつ、僕にとっては挑戦みたいなところもあったんですね。それぞれ単体の楽曲としても楽しんでいただけたんじゃないかなと思うんですが、こうしてひとつの作品の流れの中で聴くとまた違った表情が見えてくると思うので、それを踏まえた上での曲順にしました。レコーディングをする時は常にライブというものを意識して歌っているんですが、今回の新曲に関しても、制作を始める段階ですでにツアーが決まっていましたから、ライブ感というのは結構意識していましたね。

――ではそれぞれの楽曲について聞かせてください。まず1曲目の「RISKY」は、イントロのギターのフレーズで一気にテンションが上がりますね。

加藤:そうなんですよ。僕も聴いた時にギターのインパクトがすごかったので、これは絶対に1曲目に持ってきたいなというのがありました。こういう曲は、すごく歌い応えがあります。歌詞もめちゃくちゃ面白いですしね。「こういうところに着目して歌詞を書くんだ!」って(笑)。

――作詞は石川絵理さん。過去には「LOOP」や「BLUE MONDAY」なども手掛けていらっしゃいますね。

加藤:はい。男心というか、男にしか分からないダサかっこいいみたいな感じから、でもちゃんと成長していっている、無駄なことはないっていうしっかりとしたメッセージまで込められている。女性からすると「いやいやいや」って思うところかもしれないですけど(笑)、男にとってみれば、成り上がるというか野心というか、すごく大事なメッセージをもらったなと俺は思っているんですよね。

――「キザなセリフもなんのその 捧げます 俺のすべて」や「全否定から始まる俺の未来」といった歌詞がありつつ、それでも全力でやり抜くんだ、もう一度這い上がれ(HIGHあがれ)という強い気持ちが貫かれています。

加藤:僕の中にあったイメージは、夢とか誇りを持って働いているホストの方々。彼らってものすごく努力をされていますし、いろんな経験もされているじゃないですか。それが、ゆくゆくは自分の経験としてステイタスになるんだっていう、そんなイメージで歌いましたね。でもそれは「自分はこう歌おう」とかではなく、あくまでも自然とそこへ入り込んでいたという感じ。この曲の持つ世界観に、グッと引き寄せられていました。

――それを、女性の作詞家さんが書いていらっしゃるところが面白いですよね。

加藤:そう、そこがミソなんですよ。男は特にそうだと思いますが、若い時って背伸びをすることも多いじゃないですか。ちょっといい服を着ようとか、無理していいお店に行ってみようとか。でも時間が経って、大人になって、あの時買った服が似合うようになっていたり、行きつけのお店になっていたりすることもある。無駄なことはないんだよなって、改めて思いましたよね。

――「Shining Star」は加藤さんご自身の作詞です。ここでは、「大人になると見失っていく自分自身を」という歌詞がありますが、たくさんの経験や知識を得ながら大人になる一方で、じゃあ自分はどうしたいのかという気持ちを忘れがちになったりもしますね。

加藤:それはもう、多々あります(笑)。僕は歌詞を書く時、自分自身にも言い聞かせるというか再認識するところもあるんですね。今回の「Shining Star」でいうと、若い時の真っ直ぐな気持ちや、夢を追いかけている時のキラキラした輝きをなくして欲しくないし、そのままでいて欲しいんだっていうことを歌いながら、自分自身もそうありたいという思いも込めています。もちろん人間ですから、落ち込むこともあれば他人を見て羨ましく思ったりもするけど、輝き方はみんなそれぞれ違うし、誰もがみんな自分だけの輝きを持っているっていうことを知って欲しいと思うんですよ。生きていれば、それは絶対になくならないものでもあるから。そこは忘れちゃいけないなって思うんですよね。

――そういうテーマで書こうと思ったきっかけがあったんですか?

加藤:テレビで、受験生をテーマに取り上げた番組を見たんです。未来に向かってこれからはばたいていく、自分の足で一歩踏み出そうとしている、そういう人たちに向けて書けないかなと思ったのがきっかけでした。

――加藤さんご自身も、そういう経験を踏まえての現在ですか。

加藤:もちろんです。この業界に入ってからも、僕は新しいことに常にチャレンジしているので。チャレンジ精神みたいなものは無くしちゃいけないなと思いますし、自信を持つことは大事だけどそれを過信してはいけないっていうことも常に心がけていますね。

――自信を持つことと過信してしまうことは、心がけ次第というか紙一重みたいなところがありますよね。

加藤:はい。僕の座右の銘は「やればできる」なんですが、それはちゃんとした努力とか練習とかがある上で成り立つものだと思うんです。しっかり自分と向き合って、頑張った先にはちゃんと道があるっていうことを信じて、足りていないなと思ったらもっと努力をする。そういうものだと思っています。

――さっきの話じゃないですが、何事も無駄ではないんですよね。加藤さん自身もそうだからこそ言える言葉があり、それがたくさんの人の心に響くのだと思いました。

加藤:そうであるといいです。いろんな経験、してきているつもりなので(笑)。常にチャレンジャー。もう、一生チャレンジャーですよ(笑)。

――この曲もライブだとさらにアツい思いが伝わってきそうですね。ライブ会場の歓声のようにも聴こえるイントロも印象的でした。

加藤:そうなんです。あそこはぜひ、実際のライブの時はみんなで盛り上がってもらいたいところでもあります。サビの「Shining Star」も、みんなで歌っていただきたいですね。前に向かって進んでいくようなHIKARIさんのメロディー、躍動感のある日比野(裕史)さんのアレンジも本当に素晴らしいので、僕自信早くライブで歌いたいと思っている1曲でもあります。

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