【インタビュー】HYDE、2020年第一弾シングル完成「次のステップに行くために」

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■いかに歌が海外レベルにまで到達出来るか
■それが今の僕の最大のテーマ

──確かに今回の2曲の歌詞からも、HYDEさんが挑戦し続けている姿勢が嗅ぎとれますし、挑み続けている相手はやはりかなりの強敵ですか?

HYDE:そうですね。でも、前回のアメリカツアーは僕にとってかなり収穫が大きかったですね。いつも、“これがスタート”って言い続けてますけど、なかなか満足のいくものが得られてなくて。でも前回、やっと周りのバンドとほぼ同じ土俵に立ってるなと思えた。それまでは負けてたっていうか。でも今は、周りと比べても遜色ないと言える状態になってきてると思う。だからまさに、やっと世界と同じスタート台に立てたんじゃないかな。

──もともとHYDEバンドは、演奏力も含めてかなりハイクオリティなパフォーマンスを行なっていたわけで。にも関わらず、そう実感されたのが前回のツアーということにも驚きなんですが。それは、現在のバンドの状態がさらに充実したということなのか、あるいは、海外クリエイターと組んで制作してきた楽曲がUSライヴシーンによりフィットしてきたという実感なのか。

HYDE:というよりも、単純にパッと見の話でね。フェスのステージに出演するメンツの中で、次に出るバンドと俺のバンドとどっちがカッコいいんだ?ってことなんですよ。演奏力も含めてね。そこで比べた時に、やっぱり歌がいちばん弱いと僕は思ってて。いかに歌が海外レベルにまで到達出来るかが、今の僕の最大のテーマなので。それ以外の部分では他のバンドを凌駕してると思うから、トータルで見るとバンドとして面白くなった。前後のバンドと比べても遜色がない。お客さんもフツーに盛り上がってくれるしね。だから、やっと他のバンドと同じレベルに立てたかなって。

▲HYDE

──歌については毎回そんなことをおっしゃいますよね。

HYDE:まぁ海外ではね。日本ではうまいほうだけど(笑)。

──ええ、その通りです。逆に、今の自分の歌に備われば最強になると思う要素は何ですか?

HYDE:僕の歌って、ちょっと安定感がないんですよね。きっちりとレコーディングと同じレベルで歌えればいいんだけど、ライヴだとついついはしゃいじゃって。はしゃがないで歌うのって本当に難しいんですよ。もちろんはしゃがないといけない部分もあるんだけど、それと歌とは別。頭が冷静になってないと息の量がうまくコントロール出来ない。興奮せずに、いかに冷静に暴れられるか、そこは重要ですね。

──日常のHYDEさんは、決してテンションの高いほうではないですよね。それでもライヴの時は……また違うんですね。

HYDE:うん。ステージで動いたりしてると必要以上に呼吸を使うから、歌にとっては良くないんですよ。そこは本当にどうしようもないんだけど、<ANTI>ツアー中はずっとそこを意識してたから、今では歌ってる途中で、それをコントロール出来るようになってきました。

──そういう危うさも、聴き手としては魅力的に感じる部分だと思うんですけど。

HYDE:う〜ん、多分そこは僕が言ってることとは違うんです。音源通りにやろうっていうだけのレベルの話じゃないんですよ。もちろんライヴならではのアグレッシヴさは残さないといけないんだけど、実はこれ、必ずしも過剰なことをやれば伝わるわけじゃないっていう話なんです。ムダに声量を上げるからこそ、かえって声がこもってしまうとかね。

──なるほど。

HYDE:発声の仕方がまず日本人と海外の人とでは違うんですよ。日本人って小さい声でしゃべるように生きてきたから、いきなり声の張った人のマネするのは難しかったりするじゃないですか。あとピッチも重要だし、メロディが伝わらないと意味がない。情熱としてちょっと上がったぐらいならいいのかもしれないけど、それも“安定”があった上での話です。


──「BELIEVING IN MYSELF」のミュージックビデオに、<HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL>幕張初日のライヴ映像 (2019年12月7日@幕張メッセ国際展示場4・5・6ホール) が入ってますよね。過去最高のアグレッシヴさだったあのファイナルの最中も、“いかに冷静に暴れられるか?”がテーマだったんですか?

HYDE:ああ見えて、ずっと念頭にあるんですよ、“歌は常に冷静”という気持ちが。あのライヴが今のところ、ツアーファイナルらしい一番いいステージだったと思います。お客さんの反応も良くてね。VAMPSの時からそういう流れは作ってきたけど、“ここまで行けると思わなかった”とか“HYDEのライヴで、こんなに激しいサークルモッシュが出来るとは”って言ってくれたりね。客席の盛り上がりも含めて、ホントにファイナルらしいいいライヴが出来ました。

──そういうスペシャルなライヴを経て、2020年第一弾としてリリースされるのが、シングル「BELIEVING IN MYSELF/INTERPLAY」でもあるわけで。

HYDE:今回のシングルの2曲は、その幕張のライヴを経て、次のステップに行くための曲でもあるかなと思うんです。フェスとかで勝ちに行ける曲だとは思ってますね。

──実際フェスは、出演されるたびにめちゃくちゃバズりますもんね。若いバンドに負けないくらい。

HYDE:若い生き血を吸ってね(笑)。もうネタがないですけど、もっと騒がせたいですね。

──メンバーの覆面姿も、HYDEバンドにすっかり定着しています。

HYDE:飽きたらマイナーチェンジするでしょうけど、今は覆面がカッコいいと思ってるんで、今後もあの方向で行きますよ。飽きるまで(笑)。

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