【インタビュー】加藤和樹、爽やかさとストレートで前向きな歌詞にも注目の「Hello」
■時代に逆らうのではなく
■波に乗るっていうことも大事
――すでに発表になっていますが、2020年6月から<Kazuki Kato Road Tour 2020 ~Thank you for coming! 2~>が開催されます。ひとりきりで回るこのツアーをもう一度やってみようと思われたのは、やはり前回の手応えがあったからということなんでしょうか。
加藤和樹:はい。ひとりで回るツアーを今年初めてやったんですが、幕が上がるまで正直どうなるかわからなかったんです。ギターだって上手いわけじゃないから弾き語りにも限界があったし、ルーパーを使ったものだって拙い感じでしたし(笑)。それでもお客さんが快く受け入れてくれて、一緒に楽しんでくれている姿を見ながら演奏していると、バンドとはまた違ったエネルギーの受け渡しができていることを感じたんですよね。本来アーティストが言うことじゃないかもしれないですけど、支え合って作るっていう、僕自身のライブの在り方みたいなものを感じることができたんです。その空気感をもっと多くの場所で作り上げることができたらということで、次のツアーでは25カ所(※)、行かせてもらうことになりました(※バンド編成の「Kazuki Kato Live GIG 2020 ~タイトル未定~」の2公演を含む)。普段のツアーの倍くらいの本数なので、ライブに対する感覚がまたどう変化していくのか楽しみでもあります。
――さて前作の「Tell Me Why」、そして今回の「Hello」と配信によるリリースが続きますが、レコーディングのスタジオとリスナーとの距離感がすごく近づいたような感覚がありました。加藤さんご自身はどんなふうに感じていますか?
加藤和樹:その感覚は僕もすごく感じています。歌手としてはもちろんCDという形にこだわりたい部分もありますが、時代に逆らうのではなく、波に乗るっていうことも非常に大事なことだと思うんですよね。どちらかというともう遅いくらいですが、そんな風に感じてもらえるのはすごくいいことだなと思います。
――ちょっと今更な質問かもしれませんが、加藤さんが初めて買ったCDは何だったんですか?
加藤和樹:僕はGLAYの「誘惑」でした。僕らの世代はGLAYかL'Arc-en-Cielかで分かれていて、高校ぐらいになると、CHEMISTRYかEXILEかみたいな感じでしたね。小学校の高学年から中学くらいでバンドを始める人も多くて、僕も色々と遡ってBOOWYやX JAPANを聴いたりもしていました。
▲配信シングル「Hello」通常版
▲配信シングル「Hello」AWA版
▲配信シングル「Hello」Mora版
――多感な頃に聴いたものって、大人になってたくさんの音楽に触れたとしても、意外と自分のベースになっていたりしますよね。
加藤和樹:やっぱり僕はJ-POPが好きなんだなというのは感じています。別にこだわっているわけではないんですが、改めて考えてみると、その中でもロックが好きなのかなって。でもこの年齢になって思うんですが、音楽の中でジャンル分けなんてあまりしないほうがいいんですよね。もちろん何かひとつにこだわることもすごく大事なことだと思うけど、自分の持っている感覚っていうのかな。いろんなトライをしてみることってすごくいいことだと思うんです。
――そうですね。
加藤和樹:自分もそうですが、歌う側も、色んな楽曲へのアプローチをすることで色んな色を見せているわけじゃないですか。その結果、お客さんが「なるほど、こういう一面もあるんだね」とか「こんな雰囲気、いいね」って思ってくれたり、自分も「じゃあ次はこういう楽曲にトライしてみよう」って広がっていくのは、すごく楽しいと思うんですよね。こういうチャレンジは、これからもどんどんしていきたいなって思っています。やっぱり、“音楽で繋がる絆”って絶対的にありますからね。
――音楽で繋がる絆。
加藤和樹:はい。今年、僕がジョン・レノンを演じた「BACKBEAT」というミュージカルがあったんですが、改めて音楽って偉大だなって思ったんです。僕を知ってくださるきっかけの多くは演劇の部分だと思うんですが、僕にとって「自分が伝えたいことはここにある」と言えるのはやっぱり音楽なんですよね。役者というのはその役や作品の思いを伝えるものだけど、音楽は──今回の「Hello」もそうですが、自分の言葉で自分が今何を感じているかを伝えることができる。「BACKBEAT」で描かれていたのは音楽でしか繋がれない人達の音楽の話で、僕がそこまで命をかけているのかと言われたらそうじゃないのかもしれないけど、それこそさっき話した、上手い下手じゃない「思い」みたいなところが伝われば繋がれると信じているんです。あと、ミュージカルをやって「確かにそうだよな」と思ったことがあって。
――それはどんなことですか?
加藤和樹:ポップスだからといって、軽んじてはいけないというか。ミュージカルをやり始めてから、自分の楽曲をちゃんと届けるということをより意識するようになったんですよ。<歌うだけ>になっちゃダメ。音楽は飾りじゃないんだっていうことを、改めて感じたんです。
――その思いは今回の「Hello」からもしっかり伝わってきますし、次のツアーで聴く加藤さんの歌もますます楽しみになってきました。
加藤和樹:ありがとうございます。今年はライブやレコーディング、ミュージカルなど音楽に触れる時間が多く、受け取るものも多い1年でした。それが来年のツアーや制作にもつながっていくと思うので、僕自身もすごく楽しみなんです。たとえ少しずつであっても、これからもいろんなトライをしていきたいなと思っています。
取材・文●山田邦子
リリース情報
2019.11.20 release
ライブ・イベント情報
6月20日(土) 千葉県・柏 PALOOZA
6月21日(日) 茨城県・水戸 LIGHT HOUSE
6月27日(土) 神奈川県・新横浜 NEW SIDE BEACH
7月03日(金) 岐阜県・柳ケ瀬 ants
7月04日(土) 愛知県・名古屋 SPADE BOX
7月05日(日) 静岡県・浜松 窓枠
7月10日(金) 岡山県・岡山 IMAGE
7月11日(土) 香川県・高松 DIME
7月12日(日) 徳島県・徳島 club GRINDHOUSE
7月14日(火) 兵庫県・神戸 VARIT.
7月18日(土) 北海道・札幌 SPiCE
7月19日(日) 東京都・新宿 BLAZE
7月23日(木・祝) 岩手県・盛岡 CLUB CHANGE WAVE
7月25日(土) 宮城県・仙台 MACANA
7月26日(日) 福島県・郡山 HIPSHOT JAPAN
7月29日(水) 埼玉県・さいたま新都心 HEAVEN’S ROCK
7月31日(金) 石川県・金沢 AZ
8月01日(土) 長野県・長野 CLUB JUNK BOX
8月02日(日) 山梨県・甲府 CONVICTION
8月06日(木) 広島県・広島 セカンド・クラッチ
8月08日(土) 鹿児島県・鹿児島 SR HALL
8月09日(日) 長崎県・長崎 DRUM Be-7
8月10日(月・祝) 福岡県・福岡 DRUM Be-1
Kazuki Kato Live GIG 2020 ~タイトル未定~
6月28日(日) 東京都・新宿 BLAZE
7月08日(水) 大阪府・大阪 Banana Hall
ミュージカル『ファントム』~もうひとつのオペラ座の怪人~
<公演情報>
【東京】2019年11月10日(日)~12月1日(日)TBS赤坂ACTシアター
【大阪】2019年12月7日(土)~16日(月)梅田芸術劇場メインホール
作詞作曲:モーリー・イェストン
脚本:アーサー・コピット
演出:城田優
出演:
ファントム(エリック):加藤和樹/城田優(Wキャスト)
クリスティーヌ・ダーエ:愛希れいか/木下晴香(Wキャスト)
フィリップ・シャンドン伯爵:廣瀬友祐/木村達成(Wキャスト)
カルロッタ:エリアンナ
アラン・ショレ:エハラマサヒロ
ルドゥ警部:神尾佑
ゲラール・キャリエール:岡田浩暉
企画・制作:梅田芸術劇場
ミュージカル「フランケンシュタイン」
<公演情報>
【東京】2020年1月8日(水)~1月30日(木)日生劇場
【愛知】2020年2月14日(金)~16日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
【大阪】2020年2月20日(木)~24日(月)梅田芸術劇場メインホール
音楽:イ・ソンジュン
脚本/歌詞:ワン・ヨンボム
潤色/演出:板垣恭一
訳詞:森雪之丞 音楽監督:島 健
出演:
ビクター・フランケンシュタイン/ジャック:中川晃教/柿澤勇人(Wキャスト)
アンリ・デュプレ/怪物:加藤和樹/小西遼生(Wキャスト)
ジュリア/カトリーヌ:音月桂
ルンゲ/イゴール:鈴木壮麻
ステファン/フェルナンド:相島一之
エレン/エヴァ:露崎春女
他
製作:東宝/ホリプロ
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